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インドにおける知的財産の基礎的情報(全体マップ)-実体編

1. 出願ルート
 インドでは、特許権、意匠権、商標権を取得するために、以下のルートにより出願することができる。また、特許権および商標権については、国際出願(PCT、マドリッドプロトコル)が可能である。インドには無審査で登録可能な権利、例えば、実用新案権はない。

[インドにおける出願ルート]

直接出願国際出願広域出願
特許不可
実用新案
意匠不可不可
商標不可

<諸外国・地域・機関の制度概要および法令条約等>
https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/mokuji.html

2. 法令・制度等
(1) 主な法律

法域法律・規則(公用語)/(英語)
a: 法律・規則等の名称
b: 主な改正内容
URL:
改正年
(YYYY)
施行日
(DD/MM/
YYYY)
特許
(公用語・英語)
a: The Patents Act,1970(incorporating all amendments till 23-06-2017)
b: 各地の高等裁判所に関する記載が削除された(第2条(1)(i))。特許出願日が明確にされた(第45条)。特許登録簿への記載事項が明確にされた(第67条)。特許代理人について明確にされた(第128条)。
https://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/IPOAct/1_113_1_The_Patents_Act_1970_-_Updated_till_23_June_2017.pdf
201723/06/2017
(日本語)
a: インド1970年特許法、2017年6月23日公布
https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/india-tokkyo.pdf
(公用語・英語)
a: Indian Patent Act 1970, The Patents (Amendment) Act 2005
b: 拒絶理由解消期間の設定。審査請求制度の導入、既存の物質の新規な使用を不特許事由から除外。食品・薬品、医薬品分野における物質も特許の対象に。付与前および付与後異議申立制度の導入。管理官の指示や指令に対する知的財産審判委員会へ不服申立制度の導入。
http://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/IPOAct/1_69_1_patent_2005.pdf
200504/04/2005
(日本語)
a: インド1970年特許法、インド2005年(改正)特許法
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/6086233/www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/s_sonota/fips/mokuji.htm
(公用語・英語)
a: Patents (Amendment) Rules, 2021
b:「教育機関」が定義された(規則2)。手数料に教育機関に関する事項が追加された(規則7)。
https://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/Images/pdf/Patents__Amendment__Rules__2021.pdf
202121/09/2021
(日本語)
a: 改正特許規則(2021)
(なし)
【参考】https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/asia/2021/in/20210930.pdf
(公用語・英語)
a: Patents (Amendment) Rules, 2020
b: 優先権書類の提出要件が改正された(規則21)。実施報告書の提出方法が改正された(規則131,Form27)
https://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/Images/pdf/patents_amendment_rules_2020.pdf
202019/10/2020
(日本語)
a: 改正特許規則(2020)
(なし)
【参考】https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/asia/2020/in/news_20201021.pdf
(公用語・英語)
a: Patents Amendment Rules, 2019
b: 早期審査の要件が改正された(規則24C)。書類の配達および送達方法が改正された(規則6)。スタートアップに関する手数料の手続きが変更された(規則7)。
https://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/Images/pdf/patents_amendment_rules_2019.pdf
201917/09/2019
(日本語)
a: 改正特許規則(2019)
(なし)
【参考】https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/asia/2019/in/news_20190920.pdf
(公用語・英語)
a: Indian Patent Rules 2003, The Patents (Amendment) Rules 2017
b:「スタートアップ」が定義された。
http://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/IPORule/1_76_1_1_76_1_2018-01-02__2_.pdf
201701/12/2017
(日本語)
a: インド2003年特許規則、インド2017年(改正)特許規則
https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/india-tokkyo_kisoku.pdf
(公用語・英語)
a: Indian Patent Rules 2003, The Patents (Amendment) Rules 2016
b: 拒絶理由解消期間が6か月に短縮され、最大で3か月延長できるようになった。スタートアップという出願人の区分が追加された。出願の取下げが無料となった。審査報告書が発送されていない出願を取り下げた場合に一部の審査請求料金が払い戻しされる制度が設けられた。請求項や要約書に参照番号を挿入することが必須になった。ビデオ会議で聴聞を受けることが可能になった。
http://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/IPORule/1_14_1_patent-rules-2006.pdf
201616/05/2016
(日本語)
a: インド特許規則2003年、インド特許規則2006年改正
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/998256/www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/s_sonota/fips/mokuji.htm
関連記事:「インドにおける特許出願の補正の制限」(2023.01.26)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/27695/

関連記事:「インドにおける特許異議申立制度-付与前異議申立と付与後異議申立」(2023.02.14)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/33767/

関連記事:「インドにおける特許の実施報告制度(2020年特許規則改正)」(2022.07.12)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/license/24051/

関連記事:「インド特許出願における優先権主張の手続(2020年特許規則改正)」(2022.02.17)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/22598/

関連記事:「インドにおける特許出願制度概要」(2019.06.13)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17416/

関連記事:「インドの特許関連の法律、規則、審査マニュアル」(2019/02/14)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/16518/

関連記事:「インドにおける特許年金制度の概要」(2018.05.15)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/15053/


意匠(公用語・英語)
a: Indian Design Act 2000
b: 意匠法1911年はインド意匠法2000年により置き換えられた。
http://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/IPOAct/1_58_1_design_act_1_.PDF
200025/05/2000
(日本語)
a: インド意匠法2000年
https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/india-ishou.pdf
(公用語・英語)
a: Design (Amendment) Rule 2021
b: 「スタートアップ」のカテゴリーを定義した(規則2)。諸手続き費用を改正した(規則5)。ロカルノ分類の採用を規定した(規則10)。
https://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/Images/pdf/The_Designs__amendment___Rules__2021.pdf
202125/01/2021
(日本語)
a: 改正意匠規則(2021)
(なし)
【参考】https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/asia/2021/in/20210201.pdf
(公用語・英語)
a: Indian Design Rule 2001, The Design (Amendment) Rule 2014
b: 出願人の区分として小規模事業体が追加された。
https://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/Images/pdf/1_23_1_design-amendment-rules-2014.pdf
201430/12/2014
(日本語)
a: インド2001年意匠規則、インド2014年(改正)意匠規則
(なし)
(公用語・英語)
a: Indian Design Rule 2001, The Design (Amendment) Rule 2008
b: 書類を電子的に提出が可能になった。書類や図面の書式が定義された。拒絶理由解消期間の延長の規定が設けられた。
https://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/Images/pdf/1_26_1_design-rules-2008.pdf
200817/06/2008
(日本語)
a: インド2001年意匠規則、インド2008年(改正)意匠規則2008年改正
https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/india-ishou_kisoku.pdf
関連記事:「日本とインドにおける意匠権の権利期間および維持に関する比較」(2023.11.14)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/37673/

関連記事:「インド法における意匠保護に関する機能性と可視性の概念」(2020.10.22))
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/19532/

関連記事:「インドにおける画像意匠の保護制度」(2020.10.13)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/19502/

関連記事:「日本とインドにおける意匠の新規性喪失の例外に関する比較」(2019.10.01)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17762/

関連記事:「インドの意匠関連の法律、規則、審査マニュアル」(2019.03.21)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/16711/

関連記事:「インドにおける意匠出願制度概要」(2019.06.13)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17418/

関連記事:「日本とインドの意匠出願における実体審査制度の有無に関する比較」(2015.07.17)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/9269/

関連記事:「インドにおける意匠出願の補正」(2015.03.31)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/8156/


商標(公用語・英語)
a: Indian Trademarks Act 1999, The Trademarks (Amendment) Act 2010
b: 商標は出願日から18か月以内に登録されなければならないこととなった。商標の公告から4か月以内に異議申立が可能となった。テキスタイル商品およびテキスタイル商標の概念が削除された。マドプロ出願が導入された。
https://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/IPOAct/1_46_1_tmr-amendment-act-2010.pdf
201021/09/2010
(日本語)
a: インド1999年商標法、インド2010年(改正)商標法
https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/india-shouhyou.pdf
(公用語・英語)
a: Indian Trademarks Rules 2002, The Trademarks (Amendment) Rules 2017
b: 庁費用が上がった。出願人の区分にスタートアップが追加された。電子出願が促進された。周知商標の認定手続きが導入された。早期審査請求が可能になった。音商標の登録が可能になった。
https://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/IPORule/1_69_1_Trade_Marks_Rules_2017.pdf
201703/06/2017
(日本語) a: インド2002年商標規則、インド2017年(改正)商標規則
https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/india-shouhyou_kisoku.pdf
(公用語・ヒンズー語/英語)
a: Indian Trademarks Rules 2002, The Trademarks (Amendment) Rules 2013
b: 庁費用が上がった。
https://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/IPORule/1_58_1_tmr-amendment-rules-13september2013.pdf
201301/08/2013
(日本語)
a: インド2002年商標規則、インド2013年改正商標規則
(なし)
関連記事:「インドにおける商標異議申立制度」(2023.03.23)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/34075/

関連記事:「インドにおける商標のコンセント制度について」(2023.01.31)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/27693/

関連記事:「インドにおけるブランド保護」(2021.06.22)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/judgment/20269/

関連記事:「インド商標法に基づく拒絶理由に関する調査報告書」(2021.08.24)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/20765/

関連記事:「インドにおける商標制度のまとめ-実体編」(2020.06.11)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/18629/

関連記事:「インドにおける商標制度のまとめ-手続編」(2020.10.08)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/19497/

関連記事:「インドの商標関連の法律、規則、審査マニュアル」(2019.03.26)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/16714/

関連記事:「インドにおける商標出願制度概要」(2019.07.09)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17532/

関連記事:「インドにおける悪意(Bad-faith)の商標出願に関する法制度および運用」(2019.2.7)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/16493/

関連記事:「インドにおける連続(シリーズ)商標制度」(2018.09.18)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/15836/

関連記事:「インドにおける証明商標制度」(2015.11.10)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/8548/


著作権法(公用語・英語)
a: Indian Copyright Act 1957, The Indian Copyright (Amendment) Act 2012
b: 「商業的貸与」が定義された。実演家の排他的権利が再定義された。録画物が定義された。著作権委員会の構成などが定義された。強制利用許諾が設定された。WCTおよびWPPTの規定に準拠した。
https://copyright.gov.in/Documents/CRACT_AMNDMNT_2012.pdf
201207/06/2012
(日本語)
a. インド1957年著作権法、インド2012年(改正)著作権法
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/in/ip/pdf/copyright_201809.pdf
不正競争インドにはこの法律に相当する法律はない。

(2) 審査基準等

審査基準、ガイドライン、マニュアル等
a:審査基準等の名称
URL:
最終更新
b:(DD/MM/YYYY)
特許(公用語・英語)
a: Manual of Patent Office Practice and Procedure
https://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/Images/pdf/Manual_for_Patent_Office_Practice_and_Procedure_.pdf
26/11/2019
(日本語)
a: 特許庁の特許実務及び手続の手引(インド)
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/in/ip/pdf/201103_tokkyo_01.pdf(2011年修正)
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/asia/2019/in/news_20191209.pdf(2019年改正概要)
意匠(公用語・英語)
a: Manual of Design Office Practice and Procedure
https://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/IPOGuidelinesManuals/1_30_1_manual-designs-practice-and-procedure.pdf
(日本語)
a: 意匠審査の実務及び手続の手引
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/in/ip/pdf/2011_ishou_01.pdf
商標(公用語・英語)
a: Manual of Trademarks Practice and Procedure (draft)
https://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/IPOGuidelinesManuals/1_33_1_public-notice-11march2015.pdf
10/03/2015
(日本語)
a: 商標マニュアル(案)実務と手引き
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/in/ip/pdf/manual_of_trade_marks_201503_jp.pdf

(3) 主な条約・協定(加盟状況)

条約名加盟加盟予定
(YYYY)
未加盟
(1) パリ条約
 (工業所有権の保護に関するパリ条約)

1998

(     )
(2) PCT
 (特許協力条約)

1998

(     )
(3) TRIPs
 (知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)

1995

(     )
(4) PLT
 (特許法条約)

(     )

未加盟
(5) IPC
 (国際特許分類に関するストラスブール協定)

(     )

未加盟
(6) ハーグ協定
 (意匠の国際登録に関するハーグ協定)

(     )

未加盟
(7) ロカルノ協定
 (意匠の国際分類を定めるロカルノ協定)

2019

(     )
(8) マドリッド協定
 (標章の国際登録に関するマドリッド協定議定書)

2013

(     )
(9) TLT
 (商標法条約)

(     )

未加盟
(10) STLT
 (商標法に関するシンガポール条約)

(     )

未加盟
(11) ニース協定
 (標章の登録のため商品及びサービスの国際分類に関するニース協定)

2019

(     )
(12) ベルヌ条約
 (文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約)

1928

(     )
(13) WCT
 (著作権に関する世界知的所有権機関条約)

2018

(     )
(14) WPPT
 (実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約)

2018

(     )

3. 料金表

[特許](公用語・英語)
Title: The First Schedule Fees
https://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/ev/schedules/Schedule_1.pdf
[意匠] (公用語・英語)
Title: The Designs(amendment), Rules, 2021 
https://ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/Images/pdf/The_Designs__amendment___Rules__2021.pdf
[商標] (公用語・英語)
Title: Forms and Fees
https://ipindia.gov.in/form-and-fees-tm.htm 
関連記事:「インドにおける産業財産権権利化費用」(2019.8.8)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/17617/ 

関連記事:「インドにおける特許年金制度の概要」(2018.5.15)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/15053/

中国における知的財産の基礎的情報(全体マップ)-実体編

1. 出願ルート
 中国では、専利権(特許権、実用新案権、意匠権)、商標権を取得するために、以下のルートにより出願することができる。

[中国における出願ルート]

直接出願国際出願から広域出願
特許不可
実用新案不可
意匠不可
商標不可

<諸外国の制度概要>
・一覧表URL
(特許)https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/1tokkyo.pdf
(実用新案)https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/2jitsuyou.pdf
(意匠)https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/3isyou.pdf
(商標)https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/4syouhyou.pdf
・諸外国の法令・条約等https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/mokuji.html
  (国・地域のリンクをクリックすると各国・地域・機関の制度概要が表示される。)

2. 法令・制度等
(1) 主な法律

法域法律・規則(公用語)/(英語)
a: 法律・規則等の名称
b: 主な改正内容
URL:
改正年
(YYYY)
施行日
(DD/MM/
YYYY)
専利(中国語)
a:中华人民共和国专利法(2020年修正)
b: 部分意匠制度の創設、新規性喪失の例外事項の追加、非特許事由の追加、意匠の国内優先権の創設、優先権書類の提出期限の緩和、意匠の存続期間の延長、発明専利権の期間の補償制度の増加、専利出願と専利権の行使において信義誠実の原則の追加、専利開放的許諾制度の創設、専利権侵害の懲罰性賠償の創設等
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2020/11/23/art_97_155167.html

関連記事:「中国における過去10年間(2006年~2015年)の法改正の経緯」(2018.1.11)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/14401/

関連記事:「中国における専利行政取締りに関する法制度」(2017.12.21)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/judgment/14336/

関連記事:「中国の特許・実用新案、意匠関連の法律、規則、審査基準等」(2018.7.31)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/15571/

(英語)
a: Patent Law of the People’s Republic of China (amended up to October 17, 2020)
URL: https://www.wipo.int/wipolex/en/text/585084

(日本語)
a:中華人民共和国専利法(改正)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/20210601_jp.pdf

2020

01/06/2021
(中国語)
a:中华人民共和国专利法实施细则(2010年修订)
b: 専利法改正に伴う改正。
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2015/9/2/art_98_28203.html

(英語)
a: Implementing Regulations of the Patent Law of the People’s Republic of China (promulgated by Decree No. 306 of the State Council of China on June 15, 2001, and revised by the Decision of January 9, 2010, of the State Council on Amending the Implementation Regulations of the Patent Law of the People’s Republic of China)
URL:https://www.wipo.int/wipolex/en/text/182267

(日本語)
a:中華人民共和国専利法実施細則
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/admin/20100201.pdf

(2024年4月注:上記URL(日本語)は現在つながりません。下記ご参照ください。
中華人民共和国専利法実施細則(2010年2月1日改正)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/admin/20100201_rev.pdf(日本語)
中華人民共和国専利法実施細則(2024年1月20日施行)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/admin/20240120_1.pdf(日本語)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/origin/admin20240120_1.pdf(中国語))

2010

01/02/2010
商標(中国語)
a:中华人民共和国商标法(2019年修正)
b:使用目的欠如の商標出願を拒絶事由、無効事由に追加,使用目的欠如商標の代理に関する代理機構の制限,法定賠償額の引き上げ,模倣品製造用具の廃棄など。
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2019/7/30/art_95_28179.html

関連記事:「中国における商標法改正」(2020.03.03)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/18328/  

(英語)
a: Trademark Law of the People’s Republic of China (amended up to April 23, 2019)
URL: https://www.wipo.int/wipolex/en/text/579988

(日本語)
a:中華人民共和国商標法
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/20191101law_2_jp.pdf

関連情報:中華人民共和国商標法新旧法対照表(2019年4月23日改正 2019年11月1日施行:日本貿易振興機構(ジェトロ)北京事務所)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/20191101_jp.pdf

関連記事:「中国改正商標法及び実施条例の主な改正点」(2016.01.12)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/10201/

関連記事:「中国改正商標法関連規定の主な改正点」(2016.01.19)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/10203/

関連記事:「中国改正商標法について留意すべき点」(2016.02.02)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/10238/

関連記事:「中国における商標法改正に伴う「馳名商標の認定と保護規定」への影響」(2015.03.11)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/8036/

関連記事:「中国改正商標法と現行制度の審査業務フローの比較および改正後の法執行の概要」(2016.01.22)
URL: https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/10234/

2019

01/11/2019
(中国語)
a:中华人民共和国商标法实施条例(2014年)
b: 商標法改正に伴う改正。
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2015/9/14/art_96_28188.html

(英語)
a: Regulations for the Implementation of the Trademark Law of the People’s Republic of China (promulgated by Decree No. 358 of the State Council of the People’s Republic of China on August 3, 2002; revised and promulgated by Decree No. 651 of the State Council of the People’s Republic of China on April 29, 2014) of the Trademark Law of the People’s Republic of China
URL:https://wipolex.wipo.int/zh/text/425590

(日本語)
a:中華人民共和国商標法実施条例(2013年8月30日改正) 日本貿易振興機構(ジェトロ)北京事務所)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/admin/20140501_rev.pdf

2013

01/05/2014
著作権法(中国語)
a:中华人民共和国著作权法(2020年修正)
b: 以下の6点
(1)第四条は「著作権者および著作隣接権者は著作権を行使するときは、憲法及び法律に違反してはならず、公共の利益を害してはならない。国家は法律に基づき、作品の出版、伝達に対して監督管理を行う。」と改正された。
(2)第二十八条として「著作権の中の財産権を質入する場合、質権設定者と質権者は法によって、質入登記手続きを行わなければならない」の規定が追加された。
(3)「映画著作物及び映画の制作に類似する方法によって創作された著作物」を「視聴覚著作物」に改正された。
(4)懲罰性の賠償制度が創設された。
(5)共同創作された作品の権利所属と権利行使の規則が明確された。
(6)第十六条には、「既存の著作物を翻案、翻訳、注釈、整理、編集することにより生じた著作物を使用して出版・実演、録音録画製品の作成を行う場合、当該著作物の著作権者及び原著作物の著作権者の許諾を得た上で、報酬を支払わなければならない。」の規定が追加された。
URL:https://flk.npc.gov.cn/detail2.html?ZmY4MDgwODE3NTJiN2Q0MzAxNzVlNDc2NmJhYjE1NTc%3D

(英語)
a: Copyright Law of the People’s Republic of China (amended up to November 11, 2020)
URL:https://www.wipo.int/wipolex/en/legislation/details/21065

(日本語)
a:中華人民共和国著作権法(2020年11月11日改正) 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/biz/seminar/2021/61ca6c4dedfdde2c/copyright2020.pdf

2020

01/06/2021
反不正当竞争法(中国語)
a: 中华人民共和国反不正当竞争法
b: 今回の改正は営業秘密に集中して行われていた。
(1)営業秘密の定義が改正され、「電子的手段による侵入」手段をもって権利者の営業秘密を獲得する行為が追加され、営業秘密の保護範囲が拡大された。
(2)悪意をもって営業秘密に係る侵害行為に対する懲罰的賠償が追加された。
(3)監督検査部門の違法行為に対する過料の上限が、500万元に引き上げられた。
(4)「営業秘密に係る侵害に関する民事裁判手続きにおいて、営業秘密の権利者が初歩的な証拠を提示し、主張する営業秘密に対して秘密保持措置を講じたことを証明し、且つ営業秘密が侵害されたことの適正な証明を行った場合は、侵害被疑者は権利者が出張した営業秘密が本法にいう営業秘密に属されないことを証明しなければならない。」の規定が追加された。
URL:https://flk.npc.gov.cn/detail2.html?ZmY4MDgwODE2ZjEzNWY0NjAxNmYyMTY5ZGU5YjFhY2U%3D

(英語)
a:なし

(日本語)
a:なし
※関連情報1の2017年改正法を関連情報2の新旧法対照表を用いて読み替える必要がある。

関連情報1: 中華人民共和国反不正競争法(2017年改正)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/20171104-1_2.pdf

関連情報2:不正競争防止法新旧法対照表(2019年4月23日改正) 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/20190423_jp.pdf

関連記事「中国における反不正当競争法改正」(2020.4.7)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/18430/

2019

23/04/2019

(2) 審査基準等

法域審査基準、ガイドライン、マニュアル等
a:審査基準等の名称
URL:
最終更新
(DD/MM/YYYY)
専利(中国語)
a:专利审查指南2010 中华人民共和国国家知识产权局
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2015/1/9/art_99_28237.html

関連情報1:国家知识产权局关于修改《专利审查指南》的公告(第391号)
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2020/12/14/art_74_155606.html

関連情報2: 关于《专利审查指南》修改的公告(第328号)
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2020/6/5/art_1567_93048.html

関連情報3:国家知识产权局令(74号)
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2017/3/6/art_99_28208.html

(英語)
a: Guidelines for Patent Examination
URL:https://wipolex.wipo.int/en/text/298963

(日本語)
a:専利審査指南2010(2010年2月1日) 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20100201.pdf

関連情報1:「専利審査指南」の改正に関する国家知識産権局の決定(局公告)第391号 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20210115.pdf

関連情報2:「専利審査指南」の改正に関する国家知識産権局の決定(第74号)(2017) 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20170302-1.pdf

(2024年4月注:上記URL(日本語)は現在つながりません。 下記ご参照ください。
専利審査指南(2024年1月20日施行)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20240120_1.pdf(日本語)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20240120_2.pdf(中国語)
関連情報1:
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20210115_rev.pdf
関連情報2:
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20170302-1_rev.pdf

01/02/2010



15/01/2021




01/11/2019



01/04/2017




01/02/2010



01/02/2010




15/01/2021





01/04/2017
商標(中国語)
a:商标审查审理指南(2021)
URL:https://sbj.cnipa.gov.cn/sbj/zcwj/202112/t20211203_6495.html

(日本語)
商標審査審理指南(上編) 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20220101_1.pdf

商標審査審理指南(下編) 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20220101_2.pdf

01/01/2022




01/01/2022

(3) 主な条約・協定(加盟状況)

条約名加盟加盟予定 (YYYY)未加盟
(1) パリ条約  
 (工業所有権の保護に関するパリ条約)

(     )
(2) PCT
 (特許協力条約)

(     )
(3) TRIPs
 (知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)

(     )
(4) PLT
 (特許法条約)

(     )
(5) IPC
 (国際特許分類に関するストラスブール協定)

(     )
(6) ハーグ協定
 (意匠の国際登録に関するハーグ協定)

(     )
(7) ロカルノ協定
 (意匠の国際分類を定めるロカルノ協定)

(     )
(8) マドリッド協定
 (標章の国際登録に関するマドリッド協定議定書)

(     )
(9) TLT
 (商標法条約)

(     )
(10) STLT
 (商標法に関するシンガポール条約)

(     )
(11) ニース協定
 (標章の登録のため商品及びサービスの国際分類に関するニース協定)

(     )
(12) ベルヌ条約
 (文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約)

(     )
(13) WCT
 (著作権に関する世界知的所有権機関条約)

(     )
(14) WPPT
 (実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約)

(     )

3. 料金表

[情報1]

(中国語)
Title: 专利收费、集成电路布图设计收费标准(専利、集積回路レイアウト設計申請費用)(2019年11月22日)
URL:https://www.cnipa.gov.cn/module/download/down.jsp?i_ID=155983&colID=1518

関連情報:国家知識産権局料金一覧(2017.7.1)独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/gov/20170701000_1.pdf

関連記事:「中国における専利(特許、実用新案、意匠を含む)出願関連の料金表」(2022.11.17)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/27104/

関連記事:「中国における追加手数料に関する運用」(2018.12.18)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/16336/

[情報2]

(中国語)
Title: 规费清单(料金表)(2023.12.05)
URL:https://sbj.cnipa.gov.cn/sbj/sbsq/sfbz/

関連記事:「中国における商標関連の料金表」(2023.10.12)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/37462/

中国における特許無効手続に関する統計データ

1. 背景情報
 中国専利法および中国専利法実施細則に従い、国務院専利行政部門により特許権付与が公告された日から、当該特許権の付与が、専利法または実施細則の関連規定に反すると考えるあらゆる事業体または個人は、国務院専利行政部門の復審無効審判部(中国語:复审和无效审理部、日本における審判部に相当。以下、「審判部」という。)に当該特許権の無効審判を請求できる(中国専利法第45条第1項、中国専利法実施細則第65条第2項)。
 特許権の完全無効または一部無効を請求するあらゆる者は、審判請求書および必要な添付書類2部を審判部に提出しなければならない。特許権の無効または維持を宣告する審判部の審決を不服とする当事者は、当該通知の受領後3か月以内に北京知識産権法院に訴訟を提起できる(中国専利法第46条第2項)。

2. 審判部が受領した特許無効審判請求の件数
 CNIPAが公表する年報に記載のデータによると、2018年‐2022年に審判部が受領した特許無効審判請求の年間件数は、表1のとおりであり、全体的に増加の傾向が見られる。

審判部が受領した件数
20227,095
20217,628
20206,178
20196,015
20185,235
表1 2018年‐2022年に審判部が受領した特許無効審判の件数

3. 過去5年間における特許無効審判の審決の件数
 CNIPAが公表する年報に記載のデータによると、2018年‐2022年に審判部が下した審決の年間件数は表2のとおりであり、全体的に増加の傾向が見られる。

審決が下された件数
20227,879
20217,065
20207,144
20195,327
20184,217
表2 2018年‐2022年に審決が下された特許無効審判の件数

4. 特許無効審判の平均所要期間
 CNIPAが公表する年報に記載のデータによると、2022年における特許無効審判の平均所要期間は約5.7か月で、2021年における特許無効審判の平均所要期間は約5.8か月であった。

5. 医薬品分野における特許無効の統計データ
 IPRDaily中文網に掲載された文章「中国医薬品分野における特許無効の概要の分析」に、以下のデータが提示されている。
 1997年‐2021年8月に医薬品分野において無効審判が請求された特許は計597件、その内518件は審決が下された。審決内容の内訳は、表3のとおりである。

無効審判の審決比率
完全無効51%
一部無効16%
完全有効33%
表3 医薬品分野における特許無効審判審決の統計分析

中国における仮想空間に関する知的財産の保護の状況に関する調査

「仮想空間に関する知的財産の保護の状況に関する調査研究報告書」(令和5年3月、知的財産研究教育財団 知的財産研究所) 

(目次) 
第3部.調査結果 
第1章.公開情報調査 
(仮想事例(仮想事例1(仮想空間の靴)、仮想事例2(仮想空間の椅子))を設定し、中国における仮想空間に関する知的財産について関連する法律(専利法(意匠)、商標法、著作権法、反不正競争法、専利法(特許))で保護される対象、保護が及ばない対象、権利制限/適用除外/効力が及ばないとされる範囲について、分析した結果を示している。) 

第4節.海外調査 
(3)中国 P.68 

第2章.ヒアリング調査
(仮想事例1および2に対するヒアリング項目についての中国の企業や有識者の回答を紹介している。) 

第2節.海外ヒアリング調査 
第3項 中国 P.146 
1.仮想空間を用いたビジネスの現状と展望について 
(1)仮想空間を用いて実用化している又は実用化を想定しているビジネスの内容 
(2)仮想空間を用いたビジネスを実施又は検討する際に発生した、知的財産権に関する課題
(3)仮想空間における知的財産権に関する利用規約や契約の内容 

2.仮想空間における知的財産権の保護の状況・課題・ニーズについての認識について 
①仮想事例1 
②仮想事例2-A、仮想事例2-B 
③仮想事例1、仮想事例2-A、仮想事例2-B以外のビジネス上での知的財産に関する課題および懸念事項 
④中国における法改正又はガイドライン制定等に向けた議論の内容や状況等、議論の状況についての考え 
⑤日本の現行法下でビジネスを行うと仮定した場合のビジネス上の課題や望ましい解決手段の考え方 

3.仮想空間における知的財産権に関する横断的な課題の認識について 
①プラットフォーマー等の責任について 
②越境取引における法の適用について 
③複数の仮想空間に跨った権利やライセンスの効力範囲について 

第4部.まとめ 
(中国における仮想空間に関する知的財産権について、現行の知的財産権各法で保護される対象、保護が及ばない対象の整理、および仮想空間でビジネスを行う企業や有識者等へのヒアリングを行い、法制や議論の状況についての調査結果を総括している。) 

第4章.中国 P.187 
第1節.意匠(専利法) P.187 
第2節.商標法 P.187 
第3節.著作権法 P.188 
第4節.反不正競争防止法 P.188 
第5節.専利法 P.189 

資料編 
資料III 
7.ヒアリング調査の質問票(中国企業) P.260 
8.ヒアリング調査の質問票(中国有識者) P.262 
9.ヒアリング調査の参考資料(中国企業・中国有識者) P.263 

資料IV 
7.中国企業1 P.295 
8.中国企業2 P.299 
9.中国有識者 P.303

韓国における仮想空間に関する知的財産の保護の状況に関する調査

「仮想空間に関する知的財産の保護の状況に関する調査研究報告書」(令和5年3月、知的財産研究教育財団 知的財産研究所)

(目次) 
第3部.調査結果 
第1章.公開情報調査 
(仮想事例(仮想事例1(仮想空間の靴)、仮想事例2(仮想空間の椅子))を設定し、韓国における仮想空間に関する知的財産について関連する法律(デザイン保護法、商標法、著作権法、不正競争防止法、特許法)で保護される対象、保護が及ばない対象、権利制限/適用除外/効力が及ばないとされる範囲について、分析した結果を示している。) 

第4節.海外調査 
(4)韓国 P.75 

第2章.ヒアリング調査
(仮想事例1および2に対するヒアリング項目について、韓国の企業や有識者の回答を紹介している。) 

第2節.海外ヒアリング調査 
第4項 韓国 P.160 
(1)仮想空間を用いたビジネスの現状と展望について 
(2)仮想空間における知的財産権の保護の状況・課題・ニーズについての認識について 
①仮想事例1 
②仮想事例2-A、仮想事例2-B 
③仮想事例1、仮想事例2-A、仮想事例2-B以外のビジネス上での知的財産に関する課題および懸念事項 
④韓国における法改正又はガイドライン制定等に向けた議論の内容や状況等、議論の状況についての有識者の考え 
⑤日本の現行法下でビジネスを行うと仮定した場合のビジネス上の課題や望ましい解決手段の考え方 
(3)仮想空間における知的財産権に関する横断的な課題の認識について 
①プラットフォーマー等の責任について 
②越境取引における法の適用について 
③複数の仮想空間に跨った権利やライセンスの効力範囲について 

第4部.まとめ 
(韓国における仮想空間に関する知的財産権について、現行の知的財産権各法で保護される対象、保護が及ばない対象の整理、および仮想空間でビジネスを行う企業や有識者等へのヒアリングを行い、法制や議論の状況についての調査結果を総括している。) 

第5章.韓国 
第1節.デザイン保護法 P.189 
第2節.商標法 P.190 
第3節.著作権法 P.190 
第4節.不正競争防止法 P.191 
第5節.特許法 P.191 

資料編 
資料III 
10.ヒアリング調査の質問票(韓国有識者) P.266 
11.ヒアリング調査の参考資料(韓国有識者) P.268 

資料IV 
10.韓国有識者 P.307 

インドにおける知的財産訴訟の統計データ

1. インドにおける知的財産専門部署の導入による知的財産訴訟の改革 
 2021年4月4日に施行された「2021年審判所改革(合理化および勤務条件)令」により、知的財産審判委員会(IPAB)は廃止された。IPABは、特許庁および商標登録官の決定に対する審判請求を審理するための審判機関として2003年に設立されたが、各種審判所の機能強化および合理化を目的とした広範な改革の一環として解散された。IPABの廃止および2021年審判所改革法の施行により、IPABに継続中の知的財産事件と、1999年商標法、2001年植物品種および農業者の権利保護法、1970年特許法、1957年著作権法および1999年商品の地理的表示(登録および保護)法に基づいてIPABに提起されたであろう新たな知的財産事件のすべてが、IPABの支所が所在していたデリー、ムンバイ、コルカタ、チェンナイ、アーメダバードを所管する各高等裁判所に移管されることとなった。 
 今後、新たに提起される知的財産審判事件については、対象とされる知的財産の出願された特許庁(デリー、ムンバイ、コルカタ、チェンナイ)を管轄する高等裁判所に属することとなった。これは、既存の司法システムの中で知的財産権紛争の専門的な知識を確保し、より効率的な解決を図ることを目的としている。また、2022年にデリー高等裁判所、2023年にマドラス高等裁判所(在チェンナイ)に知的財産部が設置され、最近では、コルカタ高等裁判所においても知的財産を所管するための規則案が通知されており、近いうちにコルカタ高等裁判所にも知的財産部が設置される予定である。なお、知的財産部が設置されていない高等裁判所では、通常の上訴法廷で審理される。

2. 分析方法および分析期間 
 インドの知的財産訴訟に関しては、すべての裁判所の訴訟情報を網羅した単一のデータベースが存在しないため、公開された報告書等により知的財産訴訟の進捗状況を確認するとともに、デリー高等裁判所とボンベイ最高裁判所の公式ウェブサイトで訴訟記録を調査した。両裁判所は、同国の知的財産訴訟の約85%を扱っていると推定されている。 
 なお、各裁判所の公式サイトにおける訴訟情報の公表状況は、全てのデータを考慮したものではなく、データの統計的な正確性を保証するものではない。また、複数の知的財産権が侵害されていると主張されている場合もあり、同一の訴訟が複数回計上されることによって、全体の数値が実際の件数と若干異なる場合がある。 
 データの集計期間は2014年1月から2023年12月までであるが、2021年から2023年までのデータは、デリー高等裁判所のみに関するものである。 
 また、デリー高等裁判所は、「デリー高等裁判所知的財産部門年次報告書2022-23」を公表しており、知的財産部門の導入後の訴訟動向が提供されている。 
 本稿で提供されたデータの分析は、インドにおける知的財産訴訟の成長について楽観的な見通しを与えてくれる。

3. 新たに提起された知的財産訴訟の分析 
3-1. 2014-2016年 
 2014、2015年および2016年に新たに提起された知的財産関連の訴訟件数は、以下のとおりである。

2014年2015年2016年
商標446440495
著作権141167230
特許154054
意匠301015
その他のIP209
合計634657803

 2014年、2015年、2016年には、毎年平均約697件の訴訟が提起され、そのピークは2016年であった。 
 2014年に新たに提起された知的財産に関する訴訟のうち、約7割が商標に関するもの(商標権侵害、詐称通用等)であったが、2015年には67%、2016年には62%となっている。 
 著作権および著作隣接権に関する訴訟の割合は、2014年の22%、2015年の25.4%から2016年には28.6%と大幅に増加している。 
 特許権および意匠権に関する訴訟は、商標および著作権に関する訴訟に比べて圧倒的に少ないが、2014年には7%であった特許権および意匠権に関する訴訟は、2015年には7.6%、2016年には8.6%と増加している。

3-2. 2017-2019年 
 2017、2018年および2019年に新たに提起された知的財産関連の訴訟件数は、以下のとおりである。

2017年2018年2019年
商標316598674
著作権182293368
特許5511844
設計151714
その他のIP974
合計57710331104

 毎年の訴訟件数は、2017年には若干減少したものの、2018年以降急速に増加しており、2019年の訴訟件数は、2014年の634件から1104件に増加している。 
 2017年に提起された知的財産権に関する新規訴訟のうち、商標(商標権侵害・詐称通用等)に関するものは約55%であったが、2018年には58%、2019年には61%と増加している。 
 著作権および著作隣接権に関する訴訟の比率は、2017年には31.5%、2018年には28.4%、2019年には33.3%と引き続き増加傾向にあり、特許および意匠に関する訴訟は、2017年には12%、2018年には13%と一貫して増加傾向にあったが、2019年には5.25%に減少している。

3-3. 2020-2023年 
 2020年以降に新たに提起された知的財産権に関する訴訟件数は、以下のとおりである。

2020年2021年2022年2023年
商標412379347513
著作権215164114227
特許43403855
設計14131228
その他のIP4321
合計688599514824

 毎年の訴訟件数は、2020年から2022年にかけて、世界的なCOVID-19の流行の影響もあり減少したが、2023年には若干ではあるが再び増加しており、今後さらに増加することが予想される。 
 2020年に新たに提起された知的財産権に関する訴訟のうち、商標(商標権侵害・詐称通用等)に関するものは約6割あり、2021年には63.3%、2022年には67.5%、2023年には62.2%となっている。 
 著作権および著作隣接権に係る訴訟の比率は、2020年には31.25%、2021年には27.3%、2022年には22.1%、2023年には27.5%と20~30%台で推移しているが、特許および意匠に係る訴訟の比率は、2020年以降増加傾向にあり、全知的財産訴訟のうち特許権および意匠権に係る訴訟の比率は8.3%であったが、2021年には8.8%に上昇し、2022年には更に増加して10%となり、2023年は横ばいであった。 
 上記の数字は、インドの知的財産環境が、成長過程にあり、かつイノベーションと知的資産の保護に積極的な姿勢であるというダイナミズムを示していることを表している。

4. 提起された知的財産訴訟において認められた仮差止命令の分析 
 2014年から2023年までの仮差止処分の内訳は、以下のとおりである。

仮差止処分命令(%)仮差止命令が認められなかった件数
2014年397(62.6)237
2015年334(50.8)323
2016年312(38.9)491
2017年205(35.5)372
2018年331(34.3)634
2019年306(27.7)798
2020年321(46.7)367
2021年263(23.8)841
2022年153(29.8)361
2023年314(38.1)510

 2014年に提起された知的財産訴訟のうち、裁判所が仮差止命令を発令したのは、62.6%である。 
 2015年には、判決が出るまでの間に、50.8%の事件が原告の権利を保護するために仮差止命令を発令したが、2016年には38.8%に減少し、2017年には35.5%にさらに減少し、2018年には34.3%に減少し、2019年には27.7%とさらに減少した。 
 2020年には、裁判所は46.7%の事件で仮差止命令の発令を支持しているようであるが、2021年には23.8%に、2022年には29.8%に、再び減少している。2023年には、裁判所は38%の事件で差止命令を発令した。 
 インドの裁判所は、知的財産訴訟における仮差止命令の発令には一般的に慎重であるが、権利保有者が一応の根拠に基づいて侵害を証明できる場合には、積極的かつ迅速に仮差止命令を発令し、調査活動を行う地方委員を任命する。調査活動は、当事者による調査、証拠調べ、物件への立ち入りなどの申請に基づいて、裁判所が任命した地方委員によって実施される。

5. 知的財産訴訟の最終処分の分析(2014-2023) 
 2014年から2023年までの裁判所による差止請求に対する最終処分結果を、以下に示す。

裁判所の最終処分和解/取り下げ合計
2014年217436653
2015年260424684
2016年251221472
2017年156334490
2018年149292441
2019年360204564
2020年411440851
2021年213179392
2022年11325138
2023年11473187

 インドの裁判所は、多くの事件において、早期の裁判外の和解を推奨する傾向が見られる。インドに提起された知的財産訴訟の大半は、当事者が望む場合には、調停その他の紛争解決手段に付託されている。2014年から2018年まで、処理された事件全体のおよそ2/3が和解または取り下げとなっている。2019年には、事件の和解または取下げは36%に減少したが、裁判所による事件の処理は増加しているようである。2020年から2023年にかけても同様の傾向が見られるが、事件が係属中であり、多くの事件について最終処分の結果が得られないため、データが正確でない可能性がある。
 しかし、2023年4月の「デリー高等裁判所知的財産部年次報告書2022-23」において、知的財産権問題におけるADRメカニズムの利用が極めて成功していることが報告され、統計によれば、デリー高等裁判所では斡旋・調停センター送致事件の80%から85%が解決されている。

6. まとめ 
 2005年の施策により特許訴訟が増加したが、インドにおける知的財産訴訟に関する統計データによれば、依然として商標権と著作権の行使に関しての知的財産訴訟の提起が多くを占めている。 
 裁判所はまた、長年にわたり、知的財産訴訟における紛争の早期解決のための調停手続を奨励してきており、この手続により、裁判所は、未決の訴訟の多くを解決することができている。 
 立法改革、規制調整、技術の進歩によって推進されたインドの知的財産環境のダイナミックな変化は、進化するグローバルなイノベーション環境に適応するためのインドの積極的な姿勢を示している。迅速な特許審査プログラムの実施と商標出願の合理化は、多様な産業にわたるイノベーションの育成と促進に対するインドの目指す姿勢の明確な表れである。裁判所の枠組みの中に知的財産部門(IPD)を設立することは、知的財産事件を解決する専門の手段を提供し、より強固で効率的な法的手段を確保するための重要な一歩である。インドが知的財産という複雑な分野を進み続ける中で、これらの進歩的なイニシアティブと戦略的発展は、インドを活気に満ちた包括的なイノベーション・エコシステムの育成の最前線に位置付ける。将来、インドが経済的・技術的発展をする上で、必ずや知的財産がより不可欠な役割を果たすことになるであろう。

ロシアにおける特許制度のまとめ-手続編

1. 出願に必要な書類 
 発明または実用新案に関する出願は、以下を含まなければならない。 
・権利付与を求める請求書(願書、弁理士が作成する。) 
・クレームされた発明(または実用新案)を実施できるよう十分詳細に開示する明細書 
・発明(または実用新案)の本質的な特徴を記載し、明細書によって完全に裏付けられた特許請求の範囲 
・発明(または実用新案)を理解するために必要な図面、その他の資料 
・要約 
(連邦民法第4法典第1375条、第1376条)

 出願は、1つの発明のみ、または単一の一般的な発明概念を形成するために関連付けられた一群の発明についてのみ行うことができる(発明の単一性の要件)。実用新案登録出願は、1つの実用新案(1つの独立請求項)についてのみ行うことができる。
(連邦民法第4法典第1375条、第1376条)

 出願日は、付与を求める請求書、明細書および明細書に図面の記載がある場合は図面を提出した日に成立するものとする。前述の書類が同時に提出されない場合、出願日は、それらの書類のうち最後のものを受領した日に与えられる。
 優先権書類の認証謄本は、優先日から16月以内にロシア特許庁に提出しなければならない。
(連邦民法第4法典第1375条、第1376条、第1382条)

関連記事: 
「ロシアにおける優先権主張の手続」(2020.12.24) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/19645/
「ロシアにおける特許・実用新案出願制度の概要」(2019.11.12) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17907/
「日本とロシアにおける特許出願書類・手続の比較」(2019.09.17) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17715/

2. 記載が認められるクレーム形式 
2-1. クレームの許容される形式 
 以下の請求項が認められる。 
・デバイス(装置・製品)のクレーム 
・組成物(化合物)のクレーム 
・方法(プロセス)クレーム 
・プロダクト・バイ・プロセス・クレーム 
・用途クレーム 

 単一請求項と複数請求項の両方が認められる。請求項は、発明の目的を反映した前文と、発明の特徴を含む本文を含むべきである。本文は、特徴の前提部分と特徴部分から構成されてもよい(義務ではない)。特許請求の範囲は、発明の本質を定義し、明細書によって完全に裏付けられなければならない。発明の単一性の要件を満たせば、複数の独立請求項を記載することができる。 

 独立請求項の数に制限はない。1つの独立請求項は、1つの発明のみを特定すべきである。代替的特徴(マーカッシュ形式による発明特定事項の記載)は、独立請求項と従属請求項の両方で使用することができる。1つの独立請求項は、1文であるべきである。プロダクト・バイ・プロセス・クレームが許容される。 

 先行する独立請求項を引用する従属請求項が認められる。複数の請求項を引用する請求項は、他の複数の請求項を引用する請求項を引用してはならない(マルチ-マルチクレームは許容されない)。従属請求項は、付加的な特徴および/または詳細化した特徴を含むことができ、詳細化した特徴は、独立請求項の一部の特徴および/または特徴の前提部分の特徴を発展させたものである。従属請求項の数には制限はない。 

(2023年2月21日付のロシア連邦経済開発省の命令第107号(以下「命令第107号」という)添付2「発明の特許出願書類の要件」I. 申請書を提出するための一般的な要件、およびIV. 請求項の要件、発明の国家登録と発明特許の付与という公共サービスの提供の枠内での行政手続と行為に関するガイドライン 第5節(発明の単一性))

関連記事: 
「ロシアにおけるプロダクト・バイ・プロセスクレーム解釈のプラクティス」(2017.05.25) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/13689/
「ロシアにおける特許の審査基準・審査マニュアル」(2014.11.20) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/7134/

2-2. 認められないクレーム形式 
 複数の請求項を引用する請求項は、他の複数の請求項を引用する請求項を引用してはならない。 
(命令第107号添付2「発明の特許出願書類の要件」IV. 請求項の要件) 

関連記事: 
「ロシアにおける特許および実用新案登録を受けることができる発明とできない発明」(2020.12.22) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/19643/

3. 出願の言語 
 特許出願、実用新案登録出願または意匠登録出願は、外国語で行うことができる。ロシア語の翻訳文は、出願と一緒に提出することができ、正式なオフィスアクションに対応して後から提出することもできる。 
(連邦民法第4法典第1374条、第1384条、命令第107号添付1「発明の国家登録のために法的に重要な措置を講じるための基礎となる文書の作成、提出、検討に関する規則」II. 申請書類の審査(第21条)) 

関連記事: 
「日本とロシアにおける特許出願書類・手続の比較」(2019.09.17) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17715/

4. グレースピリオド 
 出願日の6月前までのグレースピリオドが適用される。発明者、出願人、または発明者もしくは出願人から直接もしくは間接に情報を得た者による発明に関する情報の公開は、その情報が公開されてから6月以内に特許庁に発明が出願されれば、その発明の特許性を喪失させない。立証責任は出願人にある。 
(連邦民法第4法典1350条第3項) 

関連記事: 
「ロシアにおける特許新規性喪失の例外」(2017.05.30) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/13706/

5. 審査 
5-1. 方式審査 
 特許出願は、方式審査の対象となる。方式審査では、以下の要件がチェックされる。 
a) 必要な出願書類がすべて提出されており、すべての書類が方式要件を満たしていること。いずれかの要件が満たされていない場合、出願人に通知され、不備を修正するための3月の期間が与えられる(手数料の支払いで、期間延長を請求することができる)。出願人が期限内に不備を修正できない場合、修正または不足する書類を提出できない場合、出願は取下げられたものとみなされる。 
b) 手数料が正しく支払われていること。 
c) 発明の単一性の要件が満たされていること(発明の内容は確認されず、明らかな矛盾点のみが判断される)。発明の単一性の要件が満たされない場合、出願人は、審査官の要請により3月以内に請求された発明のどれを審査すべきかを示すことができる。この期間内に出願人が審査すべき発明を示さない場合、審査は最初にクレームされた発明に関してのみ行われる。 
d) IPC(国際特許分類)が付されている場合、正しく付されていること(付されていない場合は、審査官が付与する)。 
(連邦民法第4法典第1384条、命令第107号添付1「発明の国家登録のために法的に重要な措置を講じるための基礎となる文書の作成、提出、検討に関する規則」II. 申請書類の審査(第14条、第28条、第29条)およびIII. 規則第3条に基づく請求書の審査(第118条)) 

関連記事: 
「ロシアにおける特許・実用新案出願制度の概要」(2019.11.12) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17907/

5-2. 実体審査 
 出願が方式審査に合格すると、出願人は実体審査請求書を提出し、手数料を支払わなければならない。ロシアでは、発明の繰延べ審査制度がある。 
 審査請求は、出願人または第三者が行う。審査請求は、出願時または出願日(PCTの場合は国際出願日)から3年以内に行わなければならない。審査請求期間は、2月延長することができる。前記期間内に審査請求が行われなかった場合、出願は放棄される。期間徒過は、期間徒過の日から1年間は回復することができる。 
 再審査および異議申立の制度はない。しかし、ロシア特許庁によって出願中の発明に関する情報が公表された後、何人もロシア特許庁に対して発明の特許性に関する意見を提供する権利を有し、意見は出願の実体審査において考慮される。ただし、当該意見の提出は、出願の審査における手続上の権利を当該者に与えるものではない。 
(連邦民法第4法典第1386条、1389条、命令第107号添付1「発明の国家登録のために法的に重要な措置を講じるための基礎となる文書の作成、提出、検討に関する規則」I. 書類の作成と提出(第5条第7)項)) 

関連記事: 
「日本とロシアの特許の実体審査における拒絶理由通知への応答期間と期間の延長に関する比較」(2019.08.29) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17659/
「ロシアにおける特許制度」(2017.07.04) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/statistics/13867/

5-3. 早期審査(優先審査)
 特許出願から特許権取得までの期間は、短縮される傾向にあるが、案件によって大きく異なる。平均では、1年またはそれ以下となる場合もある。
 ロシアはPPH(特許審査ハイウェイ)制度に加盟している。ロシア特許庁は、オーストリア、カナダ、中国、デンマーク、ドイツ、エストニア、欧州(EPO)、ハンガリー、イスラエル、チリ、ペルー、ポルトガル、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、アイスランド、日本、韓国、ノルウェイ、ポーランド、フィンランド、スウェーデン、コロンビア、スペイン、トルコ、英国、米国の27か国・地域の特許庁と、PPH協定およびPPH-MOTTAINAI協定を締結している。また、上記27か国・地域から中国を除く26か国・地域の特許庁とPCT-PPH協定を、上記27か国・地域から中国、欧州(EPO)、トルコを除き北欧特許庁およびヴィシェグラード特許機構を加えた26か国・地域の特許庁とGlobal PPH協定を締結している。
 しかし、2022年5月10日、日本国特許庁(JPO)は、ロシア特許庁との間の特許審査ハイウェイ(PPH)を一時停止することを決定した。また、米国特許商標庁(USPTO)、欧州特許庁(EPO)もロシア特許庁との間のPPHの申請手続きを中止している。

関連情報: 
「PPHプログラム」(ロシア特許庁の公表、ロシア語)(2021.02.20) 
https://rospatent.gov.ru/ru/activities/inter/bicoop/pph/patent-prosecution-highway
「PCT-PPHプログラム」(ロシア特許庁の公表、ロシア語)(2021.02.20) 
https://rospatent.gov.ru/ru/activities/inter/bicoop/pph/pct-pph
「PPH-MOTTAINAIプログラム」(ロシア特許庁の公表、ロシア語)(2021.02.20) 
https://rospatent.gov.ru/ru/activities/inter/bicoop/pph/pph-mottainai
「グローバルな優先特許手続(Global PPH)」(ロシア特許庁の公表、ロシア語)(2021.02.20) 
https://rospatent.gov.ru/ru/activities/inter/bicoop/pph/gpph
「日露特許審査ハイウェイについて」(JPOの公表、日本語)(2022.05.10) 
https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/soki/pph/japan_russia_highway.html
※Global PPH加盟国については次の情報を参照されたい。 
「PCT-特許審査ハイウェイプログラム(PCT-PPHおよびグローバルPPH)」(WIPOの公表、英語)(2024.01.11) 
https://www.wipo.int/pct/en/filing/pct_pph.html

関連記事: 
「ロシアにおける特許権早期取得のテクニック」(2016.06.21) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/11804/
「ロシアにおける特許および実用新案に関する統計」(2018.06.21) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/statistics/15360/

6. 出願から登録までのフローチャート 
6-1. 出願から登録までの特許出願のフローチャート 

6-2. フローチャートの簡単な説明 
 発明に対する特許は、発明毎にされた特許出願の審査の肯定的な結果に基づいて、ロシア特許庁により特許証が発行される。特許出願は、一般に、出願に応じて作成された願書、明細書、図、請求の範囲および要約書を含み、願書はすべてロシア語で、その他の出願書類はロシア語または他言語(ロシア語による翻訳文を添付)で作成されなければならない(連邦民法第4法典第1374条)。 
 出願は、ロシア特許庁に直接、郵送またはオンラインで行うことができる。 

 発明の出願がロシア特許庁に受理された後、その出願は審査に付される。審査は、方式審査(連邦民法第4法典第1384条)および実体審査(連邦民法第4法典第1386条)から構成される(上記5.を参照)。 
 発明の出願は、ロシア特許庁への出願日から18月を経過した後に公開される(連邦民法第4法典1385条)。実用新案出願は公開されず、方式審査を通過後、直ちに実体審査に移行する。 
 出願公開後は、誰でも出願書類(審査経過を含む)を閲覧することができ、出願書類の写しを取り寄せることができる。 
 特許審査ハイウェイ(PPH)は、ロシアで利用できる効率的な早期審査の機会であり、よく利用されている。PPHは、実体審査前または実体審査請求時に請求することが望ましい。 

 最終的な決定に先立ち、通常、1~2回のオフィスアクションまたは通知が行われ、最初のオフィスアクションまたは通知(または、それがない場合は、肯定的な決定自体)は、通常、実体審査の開始から6~7月で行われる。前記早期審査を採用した場合、ロシア特許庁からの最初の通知は2~3月でなされる。 
 特許付与または拒絶の最終決定(および出願を取下げたとみなす決定)は、出願に関するそれぞれの決定の送付日から7月以内にロシア特許庁に審判請求することにより争うことができる(連邦民法第4法典第1387条第3項)。 
 ロシアの法律では、実体審査の請求、オフィスアクションに対する応答の提出、またはロシア特許庁の決定に対する審判の提出のための期間を、期間徒過時から1年以内に回復するオプションがある(連邦民法第4法典第1389条第1項、2項)。 
(連邦民法第4法典第1374条、第1384条~第1387条、第1389条) 

関連記事: 
「ロシアにおける特許制度の運用実態」(2015.11.24) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/10074/
「ロシアにおける特許制度」(2017.07.04) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/statistics/13867/

[権利設定前の争いに関する手続] 
7. 拒絶査定に対する手続 
 審査官の決定に対する不服審判は、決定の日から7月以内にロシア特許庁に提出できる。不服審判は、審判部のメンバーおよびロシア特許庁の対応する審査部の審査官の双方から選ばれた3~5名の審査官/審判官で構成される審判体により審理される。ヒアリングには、出願人および審判請求された決定を出した審査官の双方が参加する。 

 審理の結果、以下のような決定がされる。 
拒絶査定に対して不服がある場合: 
– 請求を認容し、既存の請求項に対し特許の決定を下す。 
– 請求を不成立とし、ロシア特許庁の決定を維持する。 
– 請求を認容し、補正された請求項に対し特許の決定を下す。 

特許査定に対して不服がある場合: 
– 請求を認容し、付与決定を取り消し、出願を追加審査に付す。 
– 請求を不成立とし、ロシア特許庁の決定を維持する。 
– 請求を一部認容し、補正後された請求項に対し特許の決定を下す。 

取り下げ決定に対して不服がある場合: 
– 請求を認容し、出願を回復させる。 
– 請求を不成立とし、ロシア特許庁の決定を維持する。 

 決定は、ヒアリングにおいて審判部によって言い渡され、その後、ロシア特許庁の書面による決定が2月以内に作成されて出願人に送付される。 
(連邦民法第4法典第1387条、第1389条)

8. 権利設定前の異議申立 
 法律には、特許出願に対する異議申立に関する規定はない。しかし、出願公開後、何人もファイルを閲覧し、出願の特許性に関して意見をロシア特許庁に提出することができる。意見書を提出するための手数料はかからない。これらの意見は、審査官が審査手続において考慮する。意見の提出をした者は、出願を審査する際の手続には参加しない。 
(連邦民法第4法典第1386条第5項)

9. 上記7.の判断に対する不服申立 
 審決に対する不服申立は、審決書の受理日から3月以内に知的財産権裁判所(IPR裁判所)に提出することができる。知的財産権裁判所は、審理により、審決を支持するか、破棄することができる。破棄する場合、知的財産権裁判所は通常、ロシア特許庁に各請求を再度審理するよう命ずる。 
(連邦憲法(ロシア連邦の仲裁裁判所について)第43条第4項、ロシア連邦仲裁手続法第198条) 
 なお、上記「仲裁裁判所」(арбитражный суд)および上記「ロシア連邦仲裁手続法」(арбитражный процессуальный кодекс российской федерации)は、英語では、それぞれ「Commercial Court」および「Commercial Procedure Code」と表記される。

[権利設定後の争いに関する手続] 
10. 権利設定後の異議申立 
 ロシアには、付与後の異議申立制度はない。特許付与後、特許無効の申立をすることができる。 

関連記事: 
「ロシアにおける特許制度」(2017.07.04) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/statistics/13867/

11. 設定された特許権に対して、権利の無効を申し立てる制度 
 連邦民法第4法典第1398条によれば、発明に対する特許については、以下の場合に、その有効期間中いつでも、全部または一部の無効を申立することができる。 
(a) 特許された主題が特許性の条件を満たさないとき。 
(b) 付与された特許請求の範囲が、当初の明細書および特許請求の範囲に出願日時点で存在しなかった特徴を含んでいる場合。 
(c) 特許が、同一の優先日を有する同一の発明に対する複数の出願に対して付与された場合。 
(d) 発明者または特許権者の表示を誤ったまま特許が付与された場合。 

 (a)、(b)、(c)を理由とする無効の提起は、ロシア特許庁に提出する。 
 (d)の無効の提起は、知的財産権裁判所に提出する。 

 当事者(特許権者、無効申立人)および特許付与決定を行った審査官もヒアリングに参加する。 
 ロシア特許庁は、無効の申立を検討した結果、以下の決定を下すことができる。 
– 無効申立を不成立とし、特許を全て有効なまま残す。 
– 無効申立を認容し、特許を全て無効とする。 
– 無効申立を一部認容し、特許を一部無効とする。特許が一部無効となった場合、新たな特許が付与される。 

 このような無効関連の審理期間の目安は、4~6月である。 
 無効に関するロシア特許庁の決定に対して不服がある場合には、知的財産権裁判所に出訴することができる。審理の結果、知的財産権裁判所は決定を支持するか、破棄することができる。破棄する場合、知的財産権裁判所は通常、ロシア特許庁に申立事由について再度審理するよう命ずる。 
(連邦民法第4法典第1398条) 

関連記事: 
「ロシアにおける権利無効手続の統計データ」(2018.02.15) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/statistics/14554/

12. 権利設定後の権利範囲の修正 
 無効申立の審理中(上記11.参照)、特許権者は、請求項により定義された範囲を拡張することなく、請求項を訂正する権利を有する。訂正された請求項が認容されると確認された場合、無効の申立がされた特許の代わりに、上記請求項を有する新たな特許が付与されたものとする。 
(ロシア特許庁による紛争の検討および解決のための規則、パラグラフ40)。 

関連記事: 
「ロシアにおける特許のクレームの変更」(2014.06.27) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/6179/

13. その他の制度 
 ロシアで技術的解決策に対して得ることができるもう一つのタイプの法的保護は、実用新案特許(UM)である。この実用新案の有効期間は10年であり、延長することはできない。実用新案として保護されるのは、デバイス/装置のみである(空間的に分散したシステム(例:構造的に一体でない装置)は、実用新案として保護されるデバイス/装置とはならないことに留意されたい)。すべての実用新案登録出願のクレームは、1つの実用新案にのみ関係するものでなければならない(すなわち、代替語句のない1つの独立請求項のみが認められる)。一般的に、実用新案登録の要件は、基本的には特許に関する要件と同様であり、その詳細はすでに述べたとおりである。両者の基本的な違いは、実用新案の審査事項には、進歩性の要件が含まれないことである。 

 ロシアの現行法は以下のようなオプションを提供しており、これらは柔軟に利用することができる。 
– 発明の進歩性に不安がある場合などには、特許出願を実用新案登録出願に変更することができる。 
– ロシア特許庁において特許に対する無効審判請求が審理されている間に、特許権者は所定の基準を満たせば、その特許を実用新案に変更するよう請求することができる。 

 ロシアはユーラシア特許条約(EAPC)およびユーラシア特許条約の工業意匠の保護に関する議定書に加盟しており、ユーラシア特許庁(EAPO)が発行するユーラシア特許およびユーラシア意匠は、国内(RU)の特許および意匠と同様にロシアで有効である。 
(連邦民法第4法典第1351条、第1363条、第1376条、第1379条) 

関連記事: 
「ロシアにおける実用新案制度の運用実態」(2016.01.21) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/10212/
「ロシアにおける特許取得-ユーラシア特許制度」(2017.07.11) 
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/statistics/13889/

インドネシアにおける模倣品流通動向調査

「インドネシアにおける模倣品流通動向調査」(2023年3月、日本貿易振興機構 ジャカルタ事務所)

目次

1. 目的 P.4

2. 調査結果 P.4
(ジャカルタの地区別に衣類、バッグ、装身具、化粧品、スペアパーツ、電子機器等の市場の模倣品販売の調査結果を紹介している。また、大手Eコマースプラットフォーム(Tokopedia、Shopee、LazadaおよびBukalapak)における模倣品流通の調査結果を紹介している。)

 2.1 物理的市場の調査 P.4
 2.1.2 序論 P.4
 2.1.3 業界特有の課題 P.4
 2.1.4 模倣品市場に関する情報 – 実地調査 P.5
 2.2 オンライン調査 P.20
 2.2.1 序論 P.20
 2.2.2 模倣品のオンライン市場調査 P.21

3. 最近の政策と主な法改正 P.23
(インドネシアの税関制度の概要、2018年から2023年の間の知的財産に関する法令の改正情報、2022年の知的財産権総局(DGIP)の取組みなどを紹介している。)  

 3.1 税関 P.23
 3.2 IPに関する法令 P.23
 3.2.1 オムニバス法 P.23
 3.2.3 知的財産権総局による最新情報 P.23
 3.3 インドネシアの法規制および関連するテイクダウン規定 P.25
 3.4 IPの啓蒙活動と教育プログラム P.26

4. 模倣品取り締まり機関に関する報告 P.27
(2018年から2021までの知的財産侵害事件の件数、2019年から2022年の商標侵害訴訟、著作権訴訟、特許訴訟、工業意匠訴訟の統計情報および訴訟概要(一部案件)を紹介している。)  

 4.1. 模倣品取り締まりの関連機関およびそれぞれの管轄と権限 P.27
 4.2. 過去5年の模倣品事件 P.28

5. インドネシアの市場における模倣品の実態に関する報告 P.34
(インドネシアの主要港湾の位置、入港船舶数、取り扱う貨物の内容や量などを紹介している。また、中国税関が公表した2016年から2021年までの模倣品差押え件数やインドネシア国内での模倣品の組立ての実態を説明している。INTAの2019年報告書によるインドネシアの模倣品の消費者についての分析した内容を解説している。)  

 5.1 模倣品の流通 P.34
 5.2.2 税関チェックポイントでの模倣品の流通量 P.35
 5.2 インドネシアにおける模造製品の製造と組立て P.37
 5.3 模倣品の消費 P.37

6. インドネシアにおける企業の模倣品対策に関する報告 P.38
(インドネシアにおける模倣品対策(刑事訴訟、民事訴訟、交渉、模倣品防止戦略)について解説している。また、模倣品対策を積極的に実施している企業4社の事例を紹介している。)

 6.1 模倣品が発見された際の対策、対策に要する時間とコスト、対策の成否の理由を説明する。また、模倣品が流通している場合の企業に対する助言も紹介する。 P.38

付属書1B:著作権刑事訴訟のフローチャート P.42
付属書1A:商標刑事訴訟のフローチャート P.43

 6.2 オンラインの模倣品対策を含め、模倣品対策を積極的に実施している日本、欧州、米国の企業の事例 P.44
付属書 P.45
A. DGIP との会議
B. インドネシア国家警察との会議
C. DGCE との会議

フィリピンにおける新規性の審査基準に関する一般的な留意点(前編)

1. 記載個所
 発明の新規性については、フィリピン知的財産法第23条に、先行技術については、フィリピン知的財産法第24条に規定されている。

フィリピン知的財産法 
第23条 新規性 
発明は、それが先行技術の一部である場合は新規であるとはみなさない。 
 
第24条 先行技術  
先行技術は、次のものからなる。 
24.1 発明を請求する出願の出願日又は優先日の前に世界の何れかの場所において公衆が利用することができるようにされているすべてのもの 
24.2 本法の規定に従って公開され、フィリピンにおいて出願され又は効力を有し、かつ、当該出願の出願日又は優先日より前の出願日又は優先日を有する特許出願、実用新案登録又は意匠登録の全内容。ただし、第31条の規定に従って先の出願の出願日を有効に請求する出願は、当該先の出願の出願日において有効な先行技術であるものとし、かつ、その両方の出願の出願人又は発明者が同一ではないことを条件とする。 

 新規性に関する審査基準については、フィリピン特許審査マニュアル(以下、「フィリピン特許審査基準」という。)の第II部第7章実体審査第4節特許要件の第5項-第8項に規定があり、その概要(目次)は、以下のとおりである。

フィリピン特許審査基準 
第II部 
 第7章 実体審査 
  第4節 特許要件 
   第5項 新規性;先行技術(5.1-5.5) 
   第6項 他のフィリピン出願との抵触(6.1-6.4) 
   第7項 新規性テスト(7.1-7.6) 
   第8項 不利益とならない開示(8.1-8.4) 

2. 基本的な考え方
 日本の特許・実用新案審査基準の第III部第2章第1節「2. 新規性の判断」に対応するフィリピン特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 対応する記載はない。

(2) 異なる事項または留意点
 フィリピン特許審査基準には、日本の審査基準のように、クレームされた発明と引用した先行技術を比較して、相違点があるか否かを判断する手順については、明確には記載されていないが、審査官による実務としては、同一性テストを採用することが規定されており(第II部第7章第4節第5項5.5)、日本における実務と違いはないと考えられる。

 新規性の評価には、厳格な同一性テストが要求される。新規性を否定するためには、先行技術を開示した一つの文献が、クレームされた発明の各要素を開示していなければならない。均等物は、進歩性の評価においてのみ考慮される。

3. 請求項に記載された発明の認定
3-1. 請求項に記載された発明の認定
 日本の特許・実用新案審査基準の第III部第2章第3節「2. 請求項に係る発明の認定」第一段落に対応するフィリピン特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 フィリピン特許審査基準第II部第7章第3節第4項4.2

(2) 異なる事項または留意点
 フィリピン特許審査基準では、日本の審査基準のように、クレームされた発明の認定について、クレームの記載どおりに認定することが規定されており、日本と同じ考え方がフィリピンの審査にも適用されると考えられる。

 各請求項は、明細書において明示的な定義等により特別な意味を付与している場合を除き、関連技術分野において通常有している意味とその意味する範囲内において読むべきである。さらに、そのような特別な意味が適用される場合、審査官は可能な限り、クレームの文言のみからその意味が明確になるよう、クレームの補正を要求すべきである。また、クレームは、技術的な意味を理解するように試みながら読むべきである。このような読み方には、クレームの文言の厳密な字義通りの意味から逸脱することが含まれる場合もあり得る。特許請求の範囲と明細書で使用される用語は、互いに整合していなければならない。

3-2. 請求項に記載された発明の認定における留意点
 日本の特許・実用新案審査基準の第III部第2章第3節「2. 請求項に係る発明の認定」第二段落に対応するフィリピン特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 対応する記載はない。

(2) 異なる事項または留意点
 フィリピン知的財産法第75条第1項の「クレームは、明細書及び図面を考慮して解釈する」という規定を考慮すると、特許請求の範囲と明細書の記載の間の矛盾は避けなければならない。フィリピン特許審査基準には、クレームの記載と明細書が一致しない場合として次の3つの場合が記載されている(第II部第7章第3節第4項4.3)。

(i) 単なる文言上の不一致がある場合
 明細書には、クレームに記載された発明が特定の特徴に限定されることを示唆する記載があるにもかかわらず、特許請求の範囲ではそのように限定がされていない場合がこれに該当する。

(ii) 明らかに本質的な特徴に関する矛盾がある場合
 一般的な技術知識から、あるいは明細書に記載または暗示されている事項から、独立請求項に記載されていないある技術的特徴が発明の実施に不可欠である、言い換えれば発明が関連する課題の解決に必須である、と思われる場合がこれに該当する。

(iii) 明細書および/または図面の主題の一部が、特許請求の範囲に属さない場合
 クレームでは、半導体デバイスを使用した電気回路が規定されているが、明細書および図面の実施形態の一つでは真空管が使用されている場合がこれに該当する。

4. 引用発明の認定
4-1. 先行技術
4-1-1. 先行技術になるか
 日本の特許・実用新案審査基準の第III部第2章第3節「3.1 先行技術」に対応するフィリピン特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 フィリピン特許審査基準第II部第7章第4節第5項5.1

(2) 異なる事項または留意点
 先行技術とは、フィリピン知的財産法第24条第1項において、「世界の何れかの場所において公衆が利用することができるようにされているすべてのもの」と定義されており、この定義の幅の広さには注意が必要である。関連する情報が、公衆に提供された地理的場所、言語または方法(書面または口頭による説明、使用またはその他の方法によるもの等)については、何ら制限はない。ただし、外国での先行使用は、印刷文書または有形の形態で開示されなければならない。

 情報が公衆に利用可能であるとみなされるのは、それが秘密情報でない場合、または特定のグループによる利用に限定されていない場合である。フィリピン国内外を問わず、先行使用および口頭開示は、相当な証拠をもって証明されなければならない。

4-1-2. 頒布された刊行物に記載された発明
 日本の特許・実用新案審査基準の第III部第2章第3節3.1.1「(1)刊行物に記載された発明」に対応するフィリピン特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 フィリピン特許審査基準第II部第7章4節第5項5.2

(2) 異なる事項または留意点
 フィリピン特許審査基準では、頒布された刊行物(書面に記載されたもの、すなわち先行文献)については、該当する日付において公衆がその文献の内容を知ることが可能であり、そのような知識の使用または普及を制限する秘密保持の禁止がなかった場合、公開されたとみなされるべきであるとされている。例えば、ドイツの実用新案は、実用新案登録簿に登録された日に既に公的に利用可能であり、これは特許公報に公表された日に先立つ。

4-1-3. 刊行物の頒布時期の推定
 日本の特許・実用新案審査基準の第III部第2章第3節3.1.1「(2) 頒布された時期の取扱い」に対応するフィリピン特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 対応する記載はない。

(2) 異なる事項または留意点
 フィリピン特許審査基準には、日本の審査基準のように刊行物の頒布時期の推定については規定がないが、審査における審査官の公開日の推定については以下の規定がある(第II部第7章4節第5項5.2)。

 審査官は、審査において、公開の事実に関する疑念や文献の正確な公開日の真偽に関する疑念が、完全に解消されていない場合であっても、先行文献として引用することがあり得る。この場合に、出願人が、文献の公開可能性または推定される公開日について異議を唱える場合、審査官はその問題をさらに調査するかどうかを検討する必要がある。出願人が、その文献が、「先行技術」の一部となることを疑問とする正当な理由を示し、それ以上の調査によってその疑念を取り除くのに十分な証拠が得られない場合、審査官はその問題をそれ以上追及すべきではない。

4-1-4. 電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明
 日本の特許・実用新案審査基準の第III部第2章第3節「3.1.2 電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明(第29条第1項第3号)」に対応するフィリピン特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 フィリピン特許審査基準第II部第7章第4節第5項5.1

(2) 異なる事項または留意点
 4-1-1.に記載したように、関連する情報が、公衆に提供された地理的場所、言語または方法(書面または口頭による説明、使用またはその他の方法によるもの等)については、何ら制限はないから、インターネット等で公開された情報も先行技術に含まれる。

4-1-5. 公然知られた発明
 日本の特許・実用新案審査基準の第III部第2章第3節「3.1.3 公然知られた発明(第29条第1項第1号)」に対応するフィリピン特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 対応する記載はない。

(2) 異なる事項または留意点
 フィリピン特許審査基準では、日本の審査基準のような「公然知られた発明」と「公然実施された発明」の区別はなく、「文献以外の方法による先行技術」として、以下の規定がある(第II部第7章4節第5項5.4a、5.4b、5.4c)

 使用またはその他の方法で公衆に利用可能となった先行技術または情報は、機密でない場合や使用が制限されていない場合に、公衆に利用可能とされたとみなされ、先行技術とされる。フィリピン国内外を問わず、先行使用および口頭による開示は、相当な証拠をもって証明されなければならない。

 その他の方法で利用可能となった先行技術の使用としては、対象物の生産、提供、販売、その他の方法による利用、またはプロセスもしくはその使用法の提供、販売、プロセスの使用が該当する。マーケティングは、例えば、販売や交換によって行われる。また、先行技術は、例えば、専門家養成やテレビにおいて対象物やプロセスを実演することによって、また、他の方法で公衆に提供されることもある。その他の方法による公衆への利用可能化には、技術の進歩がその後、当該先行技術の態様を利用可能にするために提供し得るすべての可能性も含まれる。

 また、例えば、対象物が公衆に無条件で販売される場合、購入者は製品から得られる知識を無制限に所有することになるため、先行技術となる場合があり得る。このような場合、対象物の具体的な特徴が、外見からではなく、さらなる分析によってのみ判明する可能性があるとしても、そのような特徴は、公衆の利用に供されたものとみなすことができる。

 他方で、対象物が所定の場所(例えば、工場)で見ることができ、その場所には、対象物の具体的な特徴を確認するのに十分な技術的知識を有する者を含め、秘密に拘束されない公衆が出入りすることができる場合、専門家が純粋に外部からの検査によって得ることができたすべての知識は、公衆に提供されたとみなされる。ただし、そのような場合、対象物を解体または破壊することによってのみ確認できる隠された特徴は、公衆に利用可能になったとはみなされない。

 採用されるべき基本原則は、秘密保持に関する明示的または黙示的な合意があり、それが破られていない場合、またはそのような秘密保持が善意もしくは信頼関係に由来するような事情がある場合には、対象物は使用またはその他の方法によって公衆に提供されたことにはならないということである。善意または信頼は、契約上または商業上の関係において生じうる条件である。

4-1-6. 公然実施をされた発明
 日本の特許・実用新案審査基準の第III部第2章第3節「3.1.4 公然実施をされた発明(第29条第1項第2号)」に対応するフィリピン特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 対応する記載はない。

(2) 異なる事項または留意点
 4-1-5.を参照されたい。

(後編に続く)

メキシコにおける指令書への応答期間と期間延長

 すべてのメキシコ特許出願は、方式審査と実体審査を受ける(メキシコ産業財産法第106条、第110条)。 

 最初に受ける方式審査は、出願書類の方式的な面、例えば、譲渡証、翻訳文、優先権証明書、委任状等の出願に必要な書類の有無、ならびに、余白、書体、文字の大きさおよび図面等の書面の書式・体裁に関わる。方式要件が満たされていない場合には、出願人に対し指令書によりその不備が通知される(メキシコ産業財産法第106条、メキシコ産業財産規則第5条、特許、実用新案ガイドライン4.2)。

 方式審査段階においては、メキシコ産業財産庁により指摘された方式に関する拒絶理由のすべてを解消するために、出願人には、最大で2回の指令書が送付される。ただし、2回目の指令書への応答においても、方式要件を満さないと判断された場合、その出願は、さらなる応答の機会を与えられることなく、放棄されたものとみなされる(メキシコ産業財産法第106条、第117条、特許、実用新案ガイドライン4.2.13)。

 方式審査指令書に対する応答書の提出には、出願人に、その指令書の通知日の翌就業日から通常2か月の応答期間が与えられる。その応答期間は、さらに2か月の期間延長が可能である。その2か月の追加期間は自動的に与えられ、延長取得について事前の申請は必要としない(メキシコ産業財産法第106条、第117条、メキシコ産業財産規則第5条)。なお、その延長に関する庁費用は、実務上、応答書を提出する際に納付することになる。

 すなわち、メキシコにおいては、方式審査指令書に対する応答書を提出することができる期間は、最大で、指令書の通知日の翌就業日からから4か月である。

 出願が方式的な要件をすべて満たし、出願日から18か月が経過した後、その出願は官報において公開される。公開から2か月以内の第三者からの情報提供期間の満了後、出願は実体審査に入る。(メキシコ産業財産法第107条、第109条、メキシコ産業財産規則第39条)。

 実体審査においては、メキシコ産業財産庁により指摘される拒絶理由すべてを解消するために、出願人には、最大で4回の指令書が送付される。第4回の最後の指令書への応答においても、特許要件を満たさないと判断された場合には、拒絶査定が発行される。拒絶査定に対して不服の場合、更なる手続は、連邦行政裁判所(TFJA)に対して行うこととなる(特許、実用新案ガイドライン4.2.13、メキシコ産業財産法第111条および第407条、連邦行政手続法第83条から第86条)。

 方式審査指令書と同様、実体審査指令書に対する応答書の提出には、出願人に対し、その指令書の通知日の翌就業日から通常2か月の応答期間が与えられる。さらに、その応答書を提出するため、1回のみ2か月の期間延長が可能である。その2か月の延長期間は、自動的に与えられ、その延長取得について事前の申請は不要である(メキシコ産業財産法第111条、第117条、メキシコ産業財産規則第5条、第45条)。なお、その延長に関する庁費用は、実務上、応答書を提出する際に納付することになる。

 方式審査指令書と同様、実体審査指令書に対する応答書を提出することができる期間は最大でその指令書の通知日の翌就業日から4か月であり、これ以上は延長することができない。応答最終期限日が、祝日あるいは休日であった場合には、応答期限日は、次の開庁日とみなされる(メキシコ産業財産法第21条、メキシコ産業財産規則第4条)。

 出願人からの応答書の提出に対して、メキシコ産業財産庁は、次の指令書(次の実体審査指令書、特許査定あるいは拒絶査定)を、その応答書の受領から4か月以内に発行する(メキシコ産業財産庁に対する諸手続の回答期限を定める覚書第12条)。したがって、通常、出願人は、応答書を提出してから4か月以内に次の指令書を受領するものと想定することができる。ただし、世界5大特許庁(日本、米国、欧州、中国、韓国)の審査手順に準じるメキシコ産業財産庁の審査基準に基づいて、審査官は、対応する外国出願の審査経過を参照することができ、対応外国出願でのさらなる審査結果を待って、次の指令書を発行することもできる。したがって、上記の4か月以内という期間は、対応外国出願の審査状況によって延びる場合もある。

 方式審査指令書および実体審査指令書と同様、特許査定を受領すると、認可費用の納付を行うため、出願人は、その通知の日の翌就業日から通常2か月の納付期間が与えられる。さらに、認可費用の納付のため、1回のみ2か月の期間延長が可能である。その2か月の延長期間は自動的に与えられ、延長取得について事前の申請は不要である(メキシコ産業財産法第111条、第117条、メキシコ産業財産規則第5条)。なお、その延長に関する庁費用は、実務上、認可費用を納付する際に同時に納付することになる。

 上述のとおり、現在の応答期間に関連する規定によれば、出願人は、延長費用を前もって負担する必要がなく、最終期限日まで指令書への対応の是非を決定することができる。