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中国における知的財産の基礎的情報(全体マップ)-実体編

1. 出願ルート
 中国では、専利権(特許権、実用新案権、意匠権)、商標権を取得するために、以下のルートにより出願することができる。

[中国における出願ルート]

直接出願国際出願から広域出願
特許不可
実用新案不可
意匠不可
商標不可

<諸外国の制度概要>
・一覧表URL
(特許)https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/1tokkyo.pdf
(実用新案)https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/2jitsuyou.pdf
(意匠)https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/3isyou.pdf
(商標)https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/4syouhyou.pdf
・諸外国の法令・条約等https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/mokuji.html
  (国・地域のリンクをクリックすると各国・地域・機関の制度概要が表示される。)

2. 法令・制度等
(1) 主な法律

法域法律・規則(公用語)/(英語)
a: 法律・規則等の名称
b: 主な改正内容
URL:
改正年
(YYYY)
施行日
(DD/MM/
YYYY)
専利(中国語)
a:中华人民共和国专利法(2020年修正)
b: 部分意匠制度の創設、新規性喪失の例外事項の追加、非特許事由の追加、意匠の国内優先権の創設、優先権書類の提出期限の緩和、意匠の存続期間の延長、発明専利権の期間の補償制度の増加、専利出願と専利権の行使において信義誠実の原則の追加、専利開放的許諾制度の創設、専利権侵害の懲罰性賠償の創設等
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2020/11/23/art_97_155167.html

関連記事:「中国における過去10年間(2006年~2015年)の法改正の経緯」(2018.1.11)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/14401/

関連記事:「中国における専利行政取締りに関する法制度」(2017.12.21)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/judgment/14336/

関連記事:「中国の特許・実用新案、意匠関連の法律、規則、審査基準等」(2018.7.31)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/15571/

(英語)
a: Patent Law of the People’s Republic of China (amended up to October 17, 2020)
URL: https://www.wipo.int/wipolex/en/text/585084

(日本語)
a:中華人民共和国専利法(改正)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/20210601_jp.pdf

2020

01/06/2021
(中国語)
a:中华人民共和国专利法实施细则(2010年修订)
b: 専利法改正に伴う改正。
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2015/9/2/art_98_28203.html

(英語)
a: Implementing Regulations of the Patent Law of the People’s Republic of China (promulgated by Decree No. 306 of the State Council of China on June 15, 2001, and revised by the Decision of January 9, 2010, of the State Council on Amending the Implementation Regulations of the Patent Law of the People’s Republic of China)
URL:https://www.wipo.int/wipolex/en/text/182267

(日本語)
a:中華人民共和国専利法実施細則
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/admin/20100201.pdf

(2024年4月注:上記URL(日本語)は現在つながりません。下記ご参照ください。
中華人民共和国専利法実施細則(2010年2月1日改正)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/admin/20100201_rev.pdf(日本語)
中華人民共和国専利法実施細則(2024年1月20日施行)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/admin/20240120_1.pdf(日本語)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/origin/admin20240120_1.pdf(中国語))

2010

01/02/2010
商標(中国語)
a:中华人民共和国商标法(2019年修正)
b:使用目的欠如の商標出願を拒絶事由、無効事由に追加,使用目的欠如商標の代理に関する代理機構の制限,法定賠償額の引き上げ,模倣品製造用具の廃棄など。
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2019/7/30/art_95_28179.html

関連記事:「中国における商標法改正」(2020.03.03)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/18328/  

(英語)
a: Trademark Law of the People’s Republic of China (amended up to April 23, 2019)
URL: https://www.wipo.int/wipolex/en/text/579988

(日本語)
a:中華人民共和国商標法
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/20191101law_2_jp.pdf

関連情報:中華人民共和国商標法新旧法対照表(2019年4月23日改正 2019年11月1日施行:日本貿易振興機構(ジェトロ)北京事務所)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/20191101_jp.pdf

関連記事:「中国改正商標法及び実施条例の主な改正点」(2016.01.12)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/10201/

関連記事:「中国改正商標法関連規定の主な改正点」(2016.01.19)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/10203/

関連記事:「中国改正商標法について留意すべき点」(2016.02.02)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/10238/

関連記事:「中国における商標法改正に伴う「馳名商標の認定と保護規定」への影響」(2015.03.11)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/8036/

関連記事:「中国改正商標法と現行制度の審査業務フローの比較および改正後の法執行の概要」(2016.01.22)
URL: https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/10234/

2019

01/11/2019
(中国語)
a:中华人民共和国商标法实施条例(2014年)
b: 商標法改正に伴う改正。
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2015/9/14/art_96_28188.html

(英語)
a: Regulations for the Implementation of the Trademark Law of the People’s Republic of China (promulgated by Decree No. 358 of the State Council of the People’s Republic of China on August 3, 2002; revised and promulgated by Decree No. 651 of the State Council of the People’s Republic of China on April 29, 2014) of the Trademark Law of the People’s Republic of China
URL:https://wipolex.wipo.int/zh/text/425590

(日本語)
a:中華人民共和国商標法実施条例(2013年8月30日改正) 日本貿易振興機構(ジェトロ)北京事務所)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/admin/20140501_rev.pdf

2013

01/05/2014
著作権法(中国語)
a:中华人民共和国著作权法(2020年修正)
b: 以下の6点
(1)第四条は「著作権者および著作隣接権者は著作権を行使するときは、憲法及び法律に違反してはならず、公共の利益を害してはならない。国家は法律に基づき、作品の出版、伝達に対して監督管理を行う。」と改正された。
(2)第二十八条として「著作権の中の財産権を質入する場合、質権設定者と質権者は法によって、質入登記手続きを行わなければならない」の規定が追加された。
(3)「映画著作物及び映画の制作に類似する方法によって創作された著作物」を「視聴覚著作物」に改正された。
(4)懲罰性の賠償制度が創設された。
(5)共同創作された作品の権利所属と権利行使の規則が明確された。
(6)第十六条には、「既存の著作物を翻案、翻訳、注釈、整理、編集することにより生じた著作物を使用して出版・実演、録音録画製品の作成を行う場合、当該著作物の著作権者及び原著作物の著作権者の許諾を得た上で、報酬を支払わなければならない。」の規定が追加された。
URL:https://flk.npc.gov.cn/detail2.html?ZmY4MDgwODE3NTJiN2Q0MzAxNzVlNDc2NmJhYjE1NTc%3D

(英語)
a: Copyright Law of the People’s Republic of China (amended up to November 11, 2020)
URL:https://www.wipo.int/wipolex/en/legislation/details/21065

(日本語)
a:中華人民共和国著作権法(2020年11月11日改正) 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/biz/seminar/2021/61ca6c4dedfdde2c/copyright2020.pdf

2020

01/06/2021
反不正当竞争法(中国語)
a: 中华人民共和国反不正当竞争法
b: 今回の改正は営業秘密に集中して行われていた。
(1)営業秘密の定義が改正され、「電子的手段による侵入」手段をもって権利者の営業秘密を獲得する行為が追加され、営業秘密の保護範囲が拡大された。
(2)悪意をもって営業秘密に係る侵害行為に対する懲罰的賠償が追加された。
(3)監督検査部門の違法行為に対する過料の上限が、500万元に引き上げられた。
(4)「営業秘密に係る侵害に関する民事裁判手続きにおいて、営業秘密の権利者が初歩的な証拠を提示し、主張する営業秘密に対して秘密保持措置を講じたことを証明し、且つ営業秘密が侵害されたことの適正な証明を行った場合は、侵害被疑者は権利者が出張した営業秘密が本法にいう営業秘密に属されないことを証明しなければならない。」の規定が追加された。
URL:https://flk.npc.gov.cn/detail2.html?ZmY4MDgwODE2ZjEzNWY0NjAxNmYyMTY5ZGU5YjFhY2U%3D

(英語)
a:なし

(日本語)
a:なし
※関連情報1の2017年改正法を関連情報2の新旧法対照表を用いて読み替える必要がある。

関連情報1: 中華人民共和国反不正競争法(2017年改正)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/20171104-1_2.pdf

関連情報2:不正競争防止法新旧法対照表(2019年4月23日改正) 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/20190423_jp.pdf

関連記事「中国における反不正当競争法改正」(2020.4.7)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/18430/

2019

23/04/2019

(2) 審査基準等

法域審査基準、ガイドライン、マニュアル等
a:審査基準等の名称
URL:
最終更新
(DD/MM/YYYY)
専利(中国語)
a:专利审查指南2010 中华人民共和国国家知识产权局
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2015/1/9/art_99_28237.html

関連情報1:国家知识产权局关于修改《专利审查指南》的公告(第391号)
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2020/12/14/art_74_155606.html

関連情報2: 关于《专利审查指南》修改的公告(第328号)
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2020/6/5/art_1567_93048.html

関連情報3:国家知识产权局令(74号)
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2017/3/6/art_99_28208.html

(英語)
a: Guidelines for Patent Examination
URL:https://wipolex.wipo.int/en/text/298963

(日本語)
a:専利審査指南2010(2010年2月1日) 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20100201.pdf

関連情報1:「専利審査指南」の改正に関する国家知識産権局の決定(局公告)第391号 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20210115.pdf

関連情報2:「専利審査指南」の改正に関する国家知識産権局の決定(第74号)(2017) 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20170302-1.pdf

(2024年4月注:上記URL(日本語)は現在つながりません。 下記ご参照ください。
専利審査指南(2024年1月20日施行)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20240120_1.pdf(日本語)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20240120_2.pdf(中国語)
関連情報1:
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20210115_rev.pdf
関連情報2:
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20170302-1_rev.pdf

01/02/2010



15/01/2021




01/11/2019



01/04/2017




01/02/2010



01/02/2010




15/01/2021





01/04/2017
商標(中国語)
a:商标审查审理指南(2021)
URL:https://sbj.cnipa.gov.cn/sbj/zcwj/202112/t20211203_6495.html

(日本語)
商標審査審理指南(上編) 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20220101_1.pdf

商標審査審理指南(下編) 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20220101_2.pdf

01/01/2022




01/01/2022

(3) 主な条約・協定(加盟状況)

条約名加盟加盟予定 (YYYY)未加盟
(1) パリ条約  
 (工業所有権の保護に関するパリ条約)

(     )
(2) PCT
 (特許協力条約)

(     )
(3) TRIPs
 (知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)

(     )
(4) PLT
 (特許法条約)

(     )
(5) IPC
 (国際特許分類に関するストラスブール協定)

(     )
(6) ハーグ協定
 (意匠の国際登録に関するハーグ協定)

(     )
(7) ロカルノ協定
 (意匠の国際分類を定めるロカルノ協定)

(     )
(8) マドリッド協定
 (標章の国際登録に関するマドリッド協定議定書)

(     )
(9) TLT
 (商標法条約)

(     )
(10) STLT
 (商標法に関するシンガポール条約)

(     )
(11) ニース協定
 (標章の登録のため商品及びサービスの国際分類に関するニース協定)

(     )
(12) ベルヌ条約
 (文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約)

(     )
(13) WCT
 (著作権に関する世界知的所有権機関条約)

(     )
(14) WPPT
 (実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約)

(     )

3. 料金表

[情報1]

(中国語)
Title: 专利收费、集成电路布图设计收费标准(専利、集積回路レイアウト設計申請費用)(2019年11月22日)
URL:https://www.cnipa.gov.cn/module/download/down.jsp?i_ID=155983&colID=1518

関連情報:国家知識産権局料金一覧(2017.7.1)独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/gov/20170701000_1.pdf

関連記事:「中国における専利(特許、実用新案、意匠を含む)出願関連の料金表」(2022.11.17)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/27104/

関連記事:「中国における追加手数料に関する運用」(2018.12.18)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/16336/

[情報2]

(中国語)
Title: 规费清单(料金表)(2023.12.05)
URL:https://sbj.cnipa.gov.cn/sbj/sbsq/sfbz/

関連記事:「中国における商標関連の料金表」(2023.10.12)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/37462/

タイにおける商品・役務の類否判断について(前編)

1. はじめに 
 日本では先行商標と出願商標は非類似とされているケースで、タイでは、同じ商標の出願について、同じ先行商標と類似と判断され、拒絶査定を受けることがある。この相違は、両国の指定商品・役務に関する審査実務の違いによって生じる場合がある。例えば、日本は「類似群」と呼ばれるグループ分けを採用しており、商品・役務が同じグループに属さない限り、原則として非類似とみなされる。しかし、タイの審査基準では、商品・役務を事前にグループ分けしていないため、判断が異なる可能性がある。そこで本稿では、タイの審査基準に基づく商品・役務の類似・非類似の判断について紹介し、日本の審査基準との相違点を明らかにし、日本の実務家が、タイの商品・役務の類否判断について理解を深めることを目的とする。
 具体的には、①商品・役務の類似・非類似を判断する基本原則、②商品間の類似・非類似、③役務間の類似・非類似、④商品・役務間の類似・非類似、の4点について比較・検討する。

2. 基本原則 
2-1. タイにおける商標登録要件 
 タイ商標法B.E.2534(以下「法」という)第6条によると、商品商標/役務商標は、以下の3つの要件をすべて満たさなければ登録とならない: 
 (1)識別力を有すること 
 (2)法に基づいて登録が禁止されていないこと 
 (3) 他人の登録済み商品商標/役務商標と類似・同一でないこと。 

 タイ知的財産局(以下「DIP」という)は、上記3つの拒絶理由を同時に審査し、すべての拒絶理由を1通の通知に記載する慣行を有する。 

2-2. 各商標登録要件についての説明 

1) 識別力を有すること 
 法第7条第1項により、一般公衆が、その商標が使用されている商品・役務が他の商品・役務とは異なることを識別できる場合、当該商標は固有の識別力を有するとみなされる。また、その商標が法第7条第2項に規定する基準を満たす場合、固有の識別力を有するとみなされる。例えば、語句は、適用される商品・役務の性質または品質を直接描写するものであってはならず(法第7条第2項第2号)、文字または数字は、様式化されたものでなければならない(法第7条第2項第4号)等である。 
 法第7条第2項の基準を満たさず、識別力がないとされる商標であっても、商標が識別力を獲得する程度にタイで広く使用されていることを出願人が証明できれば、登録可能である(法第7条第3項)。使用による識別力の証明要件に関する通知(https://www.ipthailand.go.th/images/781/criteria_for_accreditation.pdf)によると、出願人は、一般公衆または関連公衆が出願人の商標であると認識できることを証明するために、合理的な期間、出願商標と全く同じ形態で商標が使用されていることを示す証拠を提出する必要がある。証拠には、請求書や販促資料のコピーが含まれるが、これらに限定されない。 
 また、複数の要素から構成される商標の場合、識別力を有さない要素が特徴的(顕著)でないと審査官が判断した場合は、法第17条に基づき、当該要素の識別力を否認した上で登録を認める。一方、識別力を有さない要素が商標の特徴的な部分を構成していると審査官が判断した場合、その商標は識別力を有さないとして完全に拒絶される。 
 DIPは、全審査官間の効率的で調和のとれた審査を確立するため、商標審査部および裁判所の関連事例とともに、審査手続および審査の流れを詳述した商標審査基準を発行している。本稿作成時の最新の審査基準は2022年1月に導入されている(https://www.ipthailand.go.th/images/3534/2565/TM/TM_2565.pdf)。

2)法に基づいて登録が禁止されていないこと 
 商標は、法第8条に規定された特徴を含んでいる場合、例えば、国または国際組織の紋章等を含む場合(ただし、外国の管轄官庁または国際機関が許可する場合を除く。)(法第8条第1項第6号)、公序良俗に反する標章(法第8条第1項第9号)、法律により保護されている地理的表示からなる標章(法第8条第1項第12号)等を含む場合は、その商標全体が禁止され、登録することはできない。

3) 他人の登録済み商品商標/役務商標と類似・同一でないこと 
 旧法下では、同法第13条(https://www.ipthailand.go.th/images/633/ActTrademark-2-edit.pdf)に基づき、出願商標が他人の先行商標と同一または類似し、かつ、指定商品・役務が同一区分であるか、または(区分が異なる場合)同じ性質である場合、拒絶されていた。 
 つまり、商標が同一または類似する場合、同一区分であれば、指定商品・役務の種類に拘らず、拒絶され、区分が異なる場合のみ指定商品・役務の性質が考慮された。 
 2016年に改正された法第13条では、出願商標が他人の先行商標と同一または類似し、かつ、指定商品・役務について他人の先行商標と同一の性質である場合、区分に関係なく、拒絶されると規定された。つまり、指定商品・役務については、区分が同じである場合も異なる場合も、その性質が常に考慮されることとなった。 
 新審査基準では、需要者が商品・役務の由来または商標所有者に関して混同する可能性を審査官が判断する際に、関連する商標の(A)全体的な外観、(B)称呼、および(C)指定商品・役務を考慮しなければならないと規定されている。(新審査基準84頁参照)。 
 実務上、審査官は、まず、(A)全体的な外観および(B)称呼を考慮する。同一または類似する先行商標が(A)および(B)に基づいて特定された場合、審査官はそれと出願商標の(C)指定商品・役務を検討する。

(A) 全体的な外観 
 商標の類似性は、特定の要素を個別に評価するのではなく、商標全体の外観から評価する必要がある。ただし、出願商標の特徴的部分は、先行商標と同一または類似であってはならない(新審査基準84頁参照)。つまり、異なる要素が十分に特徴的でない場合、出願商標は先行商標と類似または同一であると見なされる。 
 新審査基準から以下を例示する。

外観類似 例1 
は、と類似。
理由:商標の特徴的部分は楕円形の中の「MDS」の文字であり、類似。よって商標全体の外観は類似。

 外観類似 例2 

は、と類似。
理由:馬は反対方向に向いているものの、基本的には翼を生やした馬が同じ姿勢で足を挙げている構成の商標であり、外観は類似。よって商標全体の外観は類似。

外観非類似 例1
は、と非類似。 
(商標審決番号82/2551(2008)) 
理由:どちらも鷲の図を含むが、図は異なる様式で表示されている。さらに、「INC」と「KINGJO」の異なる要素から構成されている。よって商標全体の外観は異なる。

(B) 称呼 
 商標の全体的な外観とは別に、称呼も同様に重要である。新審査基準では、外観に関係なく、称呼が先行商標と同一または類似していることのみを理由に拒絶することができることが記載された(新審査基準84頁(2)参照)。類似性の判断は、例えば、音節の数、最初の音節の音、最後の音節の音などを比較することにより行う。 
 新審査基準から以下を例示する(称呼は英文字で示す)。

称呼類似 例1 
“STRIDE”は(称呼:“strive”)と類似。(商標審決番号169/2551(2008)) 
理由:両商標は異なる言語で表記されているが、称呼は同じ頭子音と母音で類似している。従って、両商標は紛らわしいほど類似している。

称呼非類似 例1 
”(称呼:“BOFTEX”)は“”と非類似 
(商標審決番号840/2559(2016)) 
理由:主な理由に、両商標の最初の音節、すなわち「BOFT」と「BON」の発音が異なることを挙げ、両商標は非類似とされた。

(C) 商品・役務の関連性・非関連性の検討  
 最後に、(A)および(B)により商標が同一または類似すると判断された場合、審査官は当該商標の商品・役務の関連性を評価する。一般的には、特定の商品および役務に関連する分類およびその他の関連要素が考慮される。 
 区分の適用上、商品および役務は、同一区分の他、異なる区分に属する商品および役務と類似または関連していると見なされる場合がある。DIPは、区分間のクロスチェックの目的で、事前に関連性があるとみなされる区分のリストを提供している(https://search.ipthailand.go.th/)が、これによれば、区分25(被服等)は区分9、24、35、40、45と関連する可能性があるとされている(中編の第3-1項、後編の第5項参照)。 
 しかし、同サイトで指定されている以外の区分とクロスチェックを行う例も見られる。 
 上記のリストとは別に、新審査基準は、その他の関連する要素を考慮するためのアプローチを以下のように示している(新審査基準89~90頁参照)。

ⅰ) 商品または役務が同一の需要者グループを対象としているかどうか。 
 審査官は、出願商標と先行商標の商品または役務の需要者を特定し、それらが同一のグループに属するかどうかを検討する。例えば、出願商標の商品が航空車両であるのに対し、先行商標の商品が陸上車両である場合、商品が同じ区分12に分類される車両であっても、想定される需要者グループは全く異なる。このことから、関連する公衆の間で混同が生じる可能性はない。(商標審決番号1136/2565(2022)) 

ⅱ) 意図する需要者が専門家または知識のある者かどうか。 
 商品または役務が、専門家または知識を有する者が使用する場合またはその監督下で使用することを意図している場合には、混同のおそれは生じない。例えば、両商標の商品が処方箋を必要とする医薬品である場合、意図される需要者は、医薬品または医療用品に関する特定の知識を有する者、または医師若しくは薬剤師によって処方される患者であろう。したがって、混同のおそれはない。(商標審決番号713/2553(2010)) 

ⅲ) 商品または役務の目的が同じかどうか。 
 このアプローチでは、商品または役務が同じ性質のものであっても、意図する目的が異なれば、関連性がないものとすることができる。例えば、出願商標の商品は色やカラーコーティングの製造に使用する化学品であるのに対し、引用商標の商品はプラスチック接着剤の製造に使用する化学品である場合、同じ区分1に分類される化学品であっても、その使用目的は全く異なる。このことから、関係公衆の間に混同のおそれは生じないというべきである。(商標審決番号43/2560(2017)) 

ⅳ) 商品または役務が同一の流通経路を通じて販売または提供されているかどうか。 
 審査官は、両商標の商品または役務が同一の場所または同一の流通経路で販売または提供されているか否かを検討しなければならない。例えば、出願商標の商品が機械およびその部品または産業用機械であるのに対し、引用商標の商品が電気ドリルである場合、同じ区分7であっても、流通経路は異なる。具体的には、出願人の商品は販売業者からのみ購入できるのに対し、先行商標権者の商品は一般の工具店で購入できる。このことから、関係公衆の混同の可能性は生じないはずである。(商標審決番号41/2560号(2017)) 

ⅴ) 商品または役務が高価格であるかどうか。 
 商品または役務の価格の相違は、需要者が商品または役務を選択する際に払う注意の程度に対応する。具体的には、需要者が高額な商品・役務を衝動的に購入することは考えにくい。商品や役務の価格が高ければ高いほど、消費者はより高度な注意を払うことになる。このような行動を考えれば、価格が大きく異なる場合、混同を生じない、とされる。 

ⅵ) その他の考慮事項 
 上記(A)、(B)、(C)のアプローチとは別に、特徴的要素と非特徴的要素の両方から構成される商標の場合、識別力を考慮しなければならない。現行の実務では、DIPは非特徴的要素を商標の非主要部分とみなし、ある商標を他の商標と区別することができないものとする。その結果、これらの要素は無視され、残りの識別力を有する特徴的要素のみが比較の対象となる。新審査基準では、このような実務に沿い、前述の第17条により権利不要求とされる要素は、非特徴的部分とみなされ、無視されることが規定されている(新審査基準88頁参照)。 
 以下を例示する。

称呼類似 例1 
“BILLY EIGHT”(“EIGHT”は権利不要求)は、“”と類似。 
(商標審決番号803/2559(2016)) 
理由:出願商標の“EIGHT”は権利不要求であるため、特徴的要素は“BILLY”とみなされる。両商標の特徴的部分は共通しているので、混同を生じるほど類似している。

称呼非類似 例1 
”は、“”と非類似。 
(商標審決番号 368/2564(2021)) 
理由:両商標の共通する“BANGKOK DRINKING WATER”は非特徴的部分とみなされ、残りの図形が特徴的部分とみなされる。これらの図形は外観が異なるので、一般公衆および関連公衆の混同の可能性は生じない。 

(中編に続く) 

タイにおける商品・役務の類否判断について(中編)

(前編から続く)

3. 商品の類似性または非類似性
3-1. 商品の類似・非類似の判断方法
 審査官は、出願商標と同一区分および商品・役務が関連すると予備的に考えられる他の区分において、先行商標を調査する。前記「前編2-2.3)(C)商品・役務の関連性・非関連性の検討」で述べたとおり、DIPは、各区分においてクロスチェックの対象となる関連区分のリストをウェブサイトで提供している*1。下表は、商品の各区分に関連する商品区分をDIPのウェブサイトから抜粋したものである。例えば、区分1は区分5をクロスチェックする可能性が高いことを示している。出願前調査の指定区分以外の区分とのクロスチェックに活用されたい。なお、このリストで指定されている以外の区分についてもクロスチェックが行われる例もあることに留意されたい。

区分1234567
関連区分511, 51188,11,12
区分891011121314
関連区分6117,97
区分15161718192021
関連区分9
区分22232425262728
関連区分22259,2424,2524
区分293031323334
関連区分30,3229,3229,30,3332

*1 DIPのウェブサイトを閲覧する方法を後編【クロスチェックリストの閲覧方法】に示した。

審査官は、区分とは別に、新審査基準の「前編2-2.3)(C)商品・役務の関連性・非関連性の検討」に沿って、特定の商品間の関連性を検討する。具体的には、以下の点を評価する:

 (i) 商品または役務が同一の需要者グループを対象としているかどうか。
 (ii) 意図する需要者が専門家か知識ある者かどうか。
 (iii) 商品または役務の目的が同じかどうか。
 (iv) 商品または役務が同一の流通経路を通じて販売または提供されているかどうか。
 (v) 商品または役務が高価格であるかどうか。

 しかし、審決・判決例によれば、上記以外の観点も存在すると思われる。例えば、商品が生産段階で関連するかどうか、商品が完成品と部品の関係にあるかどうか等が挙げられる。
 商品間の関連性の判断に関する審判部の審決例および裁判所の判決例は、以下のとおり。

(A) 商品が関連しているとみなされた例
① 商標審決番号479/2564(2021)
出願商標:
区分33:ぶどう酒

引用商標:
区分32:果実ジュース、野菜ジュース、果実風味水

理由:引用商標の指定商品は、出願人のぶどう酒製造に使用できることから、両商標の商品は同じ性質を有している。

注目点:商品は生産段階において関連する、と判断された。

② 商標審決番号746/2565(2022)
出願商標:
区分7:ゴルフコース用土圧縮ローラー、ゴルフコースなどで使用する芝生用土壌改良用機械

引用商標:
区分7:道路ローラー用シート、道路ローラー用シート懸架装置、道路ローラー用コンソールボックス、クレーンシート、クレーンシート用懸架装置等

理由:両商標の商品は、同一区分であるだけでなく、同じ性質のものであると判断する。具体的には、機械である出願商標の商品と機械の部品である引用商標の商品は、一緒に使用できるとした。さらに、対象となる需要者グループも同一である。

注目点:区分とは別に、商品の関連要素、すなわち、完成品と部品の関係、需要者の対象グループも考慮して判断された。

(B) 商品が関連していないとみなされた例
① 商標審決番号1136/2565(2022)
出願商標:ELIMINATOR
区分12:航空機

引用商標:ELIMINATOR
区分12:オートバイ、オートバイの泥除け、オートバイのフレーム等

理由:両商標の商品は、同一区分にもかかわらず、使用目的、対象とする需要者グループ、流通経路が異なる。出願商標の商品は航空機であるのに対し、引用商標の商品は陸上車両である。また、需要者は、使用目的に応じて、商品を購入する前にある程度の調査を行うと考えられる。したがって、両商標の商品は、同じ性質のものではない。

注目点:本審決は、審判部が商品に関する様々な要素を考慮していることを示している。具体的な使用目的を考慮し、その結果、異なるタイプである車両に関連性はないと判断している。さらに、車両の特別な特性を考慮し、需要者は通常、注意して購入すると判断している。以上の理由により、混同が生じる可能性は低いとされた。

② 商標審決番号964/2564(2021)
出願商標:
区分25:スポーツに関連する全ての被服

引用商標:
区分25:上着(下着およびスポーツ用衣料は除く。)

理由:同一区分ではあるが同一商品ではなく、また、引用商標は「スポーツ用衣料」を明確に除外している。したがって、両者の商品は、同じ性質のものではない。

注目点:審判部は、商品の特定の使用目的を検討する。本審決例では、具体的な使用目的が重複していないことから、両者の商品は関連性がないとされた。

③ 商標審決番号87/2564(2021)
出願商標:
区分7:卵ベースの食品を精製するために使用される機械、卵食品加工機械、卵食品の包装に使用される機械
引用商標:
区分7:ホイールローダー(訳注:ブルドーザーの足回りがタイヤで受器が比較的大きい運搬車両)、ロードホールダンプ機械(訳注:坑内採掘に使用され比較的大きいホイールローダーの1種)、コンクリート舗装機、採掘機など

理由:出願商標の商品は、卵から食品を加工するための特別なものであるのに対し、引用商標の商品は、様々な使用目的を意図した機械であり、広範な産業に関連するものであると説明している。これらの事実を踏まえると、両商標の商品は、同じ性質のものではない。さらに、これらの商品は、高価格であり、仕様も様々である。対象となる需要者は、知識が豊富で、混乱することなく、目的に従って商品を正しく選択できる人である。

注目点:審判部は商品の種類(本審決例は、どちらも機械)とその使用目的を考慮する。特定目的の商品は、一般目的の同じ商品とは関連が生じない。また、商品が高価格で仕様が多様である場合は、対象需要者は通常、かかる商品についての知識を有しており、混同の可能性はない。

④ 商標審決番号246/2563(2020)
出願商標:VELSAN
区分1:化粧産業用化学品

引用商標:VALSAN
区分1:無菌包装用途等に使用される過酸化水素溶液

理由:両商標の商品は同一区分であっても、商品の性質は、需要者が商品の出所や所有者について混同したり誤認したりしない程度に異なっている。

注目点:本審決においては、商品間の関連性/非関連性を判断するために何を考慮したかについて明示していない。しかし、「化粧品産業用」と「無菌包装用」という使用目的は異なると考えていると思われる。

⑤ 商標審決番号 41/2560(2017)
出願商標:SANDEX
区分7:機械用精密減速機、機械用割出駆動装置、ピックアンドプレース装置(訳注:機械部品の搬送装置の1種)、シート材を他の機械に順次供給する供給装置など

引用商標:SUNDEX
区分7:電気ドリル

理由:両商標の商品が同一区分であっても、両者の商品に関連性がない。出願商標の商品が工場で使用する機械であるのに対し、引用商標の商品は電気ドリルである。両者は使用目的も形状も明らかに異なる。さらに、出願商標の機械は、特定の販売代理店を通じて販売されるのに対し、引用商標のドリルは、通常の商店で販売される。このように、想定される需要者層と流通経路が異なる。最後に、出願商標の商品は高価格であるため、購入者は使用目的に応じて慎重に商品を選択する。その結果、商品の出所や所有者に関して社会的混乱は生じない。

注目点:審判部は、対象とする需要者の相違および流通経路の相違がもたらす使用目的を検討する。本審決では、商品の外観の相違も考慮し、さらに、商品を選択する際の注意の程度に影響する商品の価格も考慮した。

⑥ 商標審決番号43/2560(2017)
出願商標:NATOROSOL PERFORMAX
区分1:塗料製造用セルロースエーテル、ワニス製造用セルロースエーテル、ステイン製造用セルロースエーテルなど

引用商標:
区分1:工業用膠(にかわ)

理由:両商標の商品は、同一区分であっても、両者の商品は関連性がない。出願商標の商品が、塗料やコーティング剤の製造に使用されるのに対し、引用商標の商品は、工業用接着剤である。使用目的も産業グループも明らかに異なる。また、出願商標の商品は一般店ではなく、特定の販売店を通じて販売されているのに対し、引用商標の商品は一般的な接着剤や貼付器具の販売店で販売されるものである。また、工業用接着剤は高価格帯の商品であるため、需要者は用途に応じて慎重に購入を検討する必要がある。

注目点:審判部では、区分だけでなく、使用目的、業界、流通経路および商品価格も考慮する。

⑦ 商標審決番号4325/2561(2018)
出願商標:
区分9:ICカード(スマートカード);暗号化されたIDカード;スマートカード読取装置
引用商標:
区分9:ワイヤレスアダプター、コンピュータデータ・信号変換装置

 審査官も審判部も、出願商標と引用商標とは、商品が同一区分であり同じ性質であるため、関連性があると判断したが、出願人はこの案件を中央知的財産権国際貿易裁判所に提訴した。同裁判所は、「当事者の両商品が第9類という同一の類に属するとしても、この類には広範な商品が分類されている。その上で、当事者の特定商品間の関連性を検討し、引用商標権者の商品が人と人との間の通信に使用されるモバイル機器であるのに対し、出願人の商品は電子カードとセキュリティ目的のカードリーダーまたはレコーダーとの間の非接触データ通信に使用されると認定する。このように、両当事者の具体的な商品は異なり、異なる消費者グループを対象としている。その結果、商品が同じ区分であるにもかかわらず、公衆が商品の出所や所有者について混乱したり誤解したりすることはないと考えられる。」との判決を下した。
 本件は最高裁判所(終審裁判所)に上告され、最高裁判所は次のような判決を下した。「出願人の商品はセキュリティ目的で使用されるため、需要者は商品の品質を検査し、需要者の使用目的を満たすかどうかを判断しなければならない。つまり、需要者はセキュリティシステムに関する知識を持ち、両当事者の商標を区別できるはずである。さらに、両当事者の商品の使用方法は異なる。結論として、公衆が商品の出所や所有者について混乱したり誤解したりすることはないと思われる。」

注目点:審判部は、単に商品の区分と性質のみを考慮した。一方、中央知的財産権国際貿易裁判所および最高裁判所は、その他の関連要素、すなわち、対象需要者、使用目的および使用方法を検討した。
 上記の判決例によれば、商品の類似性が判断される際には、様々な要素が考慮される。例えば、生産段階における商品の関連性、販売段階における商品の流通方法(取引経路)、使用目的が同一か重複するか、商品が同一需要者グループを対象としているか、商品が完成品と部品の関係で関連しているかなど、日本やタイでも同様の要素が考慮される。

3-2. ニース分類の活用
 法第9条は、欧州連合理事会規則第33条(2)および(6)と同様に、指定商品・役務の分類および明確化に関する要件を規定している。商品および役務の分類に関する告示により、商品および役務はニース分類に沿った45の区分に分類される。一方、指定商品および指定役務が十分に明確化されているかどうかを判断するため、DIPは認容する商品・役務を以下の一覧に公開している。(「タイで商標登録出願された商品・役務一覧」https://tmsearch.ipthailand.go.th/

3-3. 参照のための商品名一覧(類見出しのみの名称を含む)
 前項に示した一覧は、単なる例であり、出願時に、この一覧から商品・役務の名称を選択することは必須ではない。これは、電子システムを通じて出願する場合にも、DIPに紙で提出する場合にも適用される。
 ただし、「商標使用を緊急とする必要性についての商標審査結果の第一次通知に関する告示」および「緊急の場合における商標審査結果の第一次通知に関する告示」により導入された「早期審査」の対象となる出願については、その他の要件のうち、商品および役務は前記一覧から選択しなければならない。
 類見出しについては、一般的に広すぎて受け入れられないと考えられている。この問題については、「3-4. 商品を指定する際の留意点」で詳述する。

3-4. 商品を指定する際の留意点
 タイで商品・役務を指定する場合、出願人は以下の点に留意する必要がある。
 DIPは、指定商品・役務の記載について、かなり厳格である。一般に、出願人は、意図する商品・役務を項目ごとに明確に指定する必要がある。例えば、区分 5の「医薬品用薬剤“pharmaceutical preparations”」という記載は広すぎると考えられる。例えば、アレルギー用錠剤、循環器疾患治療用製剤のように、具体的な医薬品の種類や治療目的を特定する必要がある。
 また、通常、類見出しは広すぎるとみなされる。例えば、「被服、履物、帽子 “Clothing, footwear, headwear”」は区分25の類見出しであるが、認容されない。また、「すなわち」、「本区分に含まれるものすべて」、「前述のものすべて」のような広い範囲を示す表現も認められない。
 タイ語で記載された商品・役務の名称と英訳の一覧がDIPウェブサイトに掲載されている。(前記、「タイで商標登録出願された商品・役務一覧」)。ただし、適切な保護を確保するため、タイ語の名称と英訳の整合性を確認することが推奨される。
 なお、上記の一覧は、事前の通知なしに頻繁に更新される。審査官は、出願時ではなく、審査時に入手可能なリストに依拠する。したがって、出願時に許容された商品・役務記載が後に拒絶される可能性がある。

(後編に続く)

タイにおける商品・役務の類否判断について(後編)

(中編から続く)

4. 役務の類似性または非類似性
4-1. 役務の類似・非類似の判断方法
 前編および中編で述べたとおり、DIPは、各区分においてクロスチェックの対象となる関連区分のリストをウェブサイトで提供している*1。下表は、役務の各区分に関連する役務区分をDIPのウェブサイトから抜粋したものである。出願前調査の指定区分以外の区分とのクロスチェックに活用されたい。なお、このリストで指定されている以外の区分についてもクロスチェックが行われる例もあることに留意されたい。

区分3536373839
関連区分36354041,42
区分404142434445
関連区分373838

*1 DIPのウェブサイトを閲覧する方法を稿末【クロスチェックリストの閲覧方法】に示した。

 役務の類似・非類似の判断については、前記「前編2-2.3)(C) 商品・役務の関連性・非関連性の検討」における5つの評価点に加え、その他の関連する要素も考慮する。主な考慮点としては、役務の性質並びに特質、事業分野および需要者グループが挙げられる。

(A) 役務が関連しているとみなされた例
① 商標審決番号366/2561(2018)
出願商標:
区分36:土地・建物の鑑定評価・管理

引用商標:, COURTARD, および
区分43:ホテル・レストランにおけるサービスの提供

 出願商標の指定役務は、ホテル、リゾート、キャンプを含む広範な不動産の開発および管理であると説明している。従って、両当事者の役務は区分が異なるにも拘わらず、同じ種類の不動産に関連する同じ性質のものである。従って混同の可能性がある。

注目点:役務が提供される事業分野の関連性を考慮する。

② 商標審決番号634/2559(2016)
出願商標:
区分35:メディアに関する包括的な広告制作

引用商標:
区分38:有線テレビ放送、区分41:ラジオ・テレビ番組の企画、娯楽目的のファッションショーの企画、コンサートの企画
引用商標:
区分41:テレビおよびラジオの番組制作

 出願商標の役務が「総合的な広報媒体の制作」であるのに対し、引用商標の役務は「有線テレビ放送、ラジオおよびテレビ番組の制作、企画、娯楽目的のファッションショーの企画、コンサートの企画」であり、両商標の役務は異なる区分ではあるが関連性がある、とされた。

注目点:本審決において、役務間の関連性/非関連性を判断するために、どのような考慮事項を用いるかについて明示していない。しかし、著者は、両商標の役務が、同じ事業分野、すなわちエンターテインメント産業とメディア産業で提供されていることから、両商標の役務は、関連性があると判断されたと理解している。

③ 商標審決番号628/2563(2022)
出願商標:
区分41:不動産・不動産に関連する時事・トレンド・経済分野のオンライン・ニュースレターの提供、不動産・不動産に関連する時事・トレンド・経済分野の電子メールによるオンライン電子ニュースレターの配信等

引用商標:
区分35:インターネット上の動画再生前後の広告、モバイルメッセンジャーを通じた広告、インターネットを通じた広告、オンライン上の広告スペースのレンタル、広告資料の作成および更新、商業情報代理店、経営管理に関する助言サービス、経営管理コンサルタントなど

 両商標の役務は、異なる区分ではあるが、同じ性質、すなわち、すべて情報の提供および配布であり、両商標間には混同の可能性がある、とされた。

注目点:上記②の審決(634/2559(2016))とは異なり、本件では、両商標の役務が全く異なる分野(出願商標が不動産分野であるのに対し、引用商標は広告および経営管理分野)であるにも拘わらず、両商標の役務の性質に注目し、両商標が本質的に情報の提供と配布である点で関連している、と判断した。

(B) 役務が関連していないとみなされた例
① 商標審決番号148/2559(2016)
出願商標:
区分35:ビタミン剤等の栄養補助食品に関する小売・卸売業経営、ミネラルエキス等の小売・卸売業経営

引用商標:
区分44:医療研究センターサービス

 両商標の役務は異なる区分であり、同じ性質のものではないと説明している。

注目点:両商標の役務の関連性/非関連性の判断に考慮点は明示されていない。著者は、異なる事業分野、異なる需要者グループに対して提供される役務であることが考慮されたと理解している。特に、出願商標は一般消費者を対象とした商業分野であり、引用商標は医療関係者を対象とした医療研究産業分野であると解される。

② 商標審決番号1341/2559(2016)
出願商標:
区分43:食品・飲料の小売サービス、カクテルラウンジ、コーヒーショップ、食品・飲料のケータリング等

引用商標:
区分35:ホテルの経営管理、ホテルに関する宣伝・販売促進サービス等
区分36:不動産管理、不動産の賃貸等

 両商標の役務は異なる区分であり、同じ性質のものではないと説明している。

注目点:両商標の役務の関連性/非関連性の判断に考慮点は明示されていない。著者は、両商標の役務は異なる事業分野で提供される役務であることが考慮されたと理解している。特に、出願商標は飲食業において提供され、引用商標は不動産業および一時宿泊業において提供されている点が考慮されたと考えられる。

③ 商標審決番号805/2563(2020)
出願商標:
区分42:補聴器に関する科学研究サービス、補聴器に関する技術研究サービス等

引用商標:
区分42:農業科学研究サービス、農業に関するコンピュータプログラム作成サービス、農業に関する科学研究サービス等

 両商標の役務は異なる区分であり、同じ性質のものではないと説明している。

注目点:両商標の役務の関連性/非関連性の判断に、考慮点は明示されていない。著者は、両商標の役務は異なる事業分野および異なる需要者グループに提供される役務であることが考慮された、と理解している。特に、出願商標は、聴覚障碍者を対象とする補聴器に特定された科学分野であり、引用商標は、農業従事者を対象とする農業に特定された科学分野である点が考慮された、と考えられる。

 上記の審決例に基づけば、タイでは、例えば、対象としている需要者の範囲や需要者グループが一致しているか、事業分野のカテゴリーが一致しているかなど、日本と同様の要素が考慮されている。ただし、対象役務や対象事業分野が同一の法律で規制されている点を考慮する日本とは異なり、これらのアプローチは、タイでは採用されていない。
 また、上記の審決例から、EUIPOの商標審査基準(https://guidelines.euipo.europa.eu/1803468/1786759/trade-mark-guidelines/3-1-1-similarity-factors)における役務の非類似性・類似性を検討する際の基準(役務の性質、役務の目的、関連する公衆や需要者)をEUと共有していると思われる。

4-2. 小売役務
 前記「(中編)3-2 ニース分類の活用」で述べたように、指定役務は明確に記載しなければならず、広範であってはならない。現行の実務に基づけば、「小売」という役務表記は広範すぎて受け入れられないと考えられる。例えば、「バッグの小売店サービス」、「宝飾品の小売サービス」のように、出願人はどの商品を提供するのかを明確に特定しなければならない。
 とはいえ、DIPは現在、「小売役務」よりもさらに広範な役務記載、すなわち、役務の名称「他人の利益のために、輸送を除く様々な商品を集め、消費者がそれらの商品を便利に見て購入できるようにすること」を認めている。このことは、商標審決番号2484/2562(2019)においても採用されている。
 小売役務と商品との関連性を評価する際のアプローチを説明するため、商標審決番号2484/2562(2019)および商標審決番号1013/2564(2021)を示す。

① 商標審決番号 2484/2562(2019)
出願商標:
区分35:他人のために、様々な商品を集めること、消費者が便利に商品を見たり購入したりできるようにすること、食品の販売管理、商品の輸出入管理、他の事業者のための購買サービスなど
[重要:本出願は「小売」というサービス自体を対象とするものではない。]

引用商標:
区分30:チューインガム

引用商標:
区分30:ゼリー

理由:出願商標の役務は、商品と同じ性質を有さないビジネスの一種であるとした。したがって、混同の可能性は生じないとした。
 本審決は、出願商標の役務から保護される事業の範囲が引用商標に使用する商品と重複するか否かを検討することなく、単に事業が商品と同一性質のものではないと判断しているように思われる。
 しかし、その2年後、審判部は、対象商標の具体的な商品と役務との関連性をより詳細に検討した審決を下したので以下に紹介する。

② 商標審決番号1013/2564(2021)
出願商標:
区分35:顧客が便利に商品を見たり購入したりできるように、他人の利益のために様々な商品を集めること、化粧品の小売・卸売、トイレタリー製品の小売・卸売、歯科用品の小売・卸売、飲料などのオンライン小売

引用商標:
区分29:牛肉缶詰、魚缶詰、果物缶詰、野菜缶詰、魚介類缶詰など

理由:両商標の商品と役務とは異なる区分である。さらに、出願商標の役務は、他人の利益のために、顧客が便利にそれらの商品を見たり購入したりできるように、様々な商品をまとめることであり、引用商標の商品と同じ性質のものではない特定の商品の小売や卸売を行うことである。その結果、混同のおそれはない、とした。

注目点:上記2つの審決例から得られるポイントは以下の通りである:
・「小売」という役務よりも、「他人の利益のために、消費者が便利に商品を見たり購入したりできるようにするために、様々な商品を集めること」という役務の方が広範であるため、これらの審決から、提供される商品が表示されていない「小売役務」や「卸売役務」、「販売役務」などは(DIPによって認められる場合)、商品と同じ性質のものではないと結論づけることができると思われる。換言すれば、「小売」という広範な役務を指定する先行登録商標は、区分 1から区分 34までのいずれかに属する商品を指定する後行商標出願の登録を妨げるものであってはならない。このことは、区分35の「消費者の便宜のために種々の商品を一緒にすること」、「販売管理」および「商品のオンライン販売サービス」は、区分25の「シャツ」および「ズボン」と同一性質のものではないとする新審査基準でも確認されている(新審査基準90頁参照)。詳細は「5.商品・役務間の類似性または非類似性」で後述する。
・「小売役務“retail services”」、「卸売役務“wholesale services”」、「販売役務“sale services”」に使用する提供商品が具体的に表示されている場合は、当該商標の商品とは性質が異なる商品を提供する他の商標とは無関係とみなされる。
 例えば、「バッグの小売店舗サービス」と「化粧品の小売店舗サービス」のように、提供する商品が異なる小売サービス間の関連性を検討した前例はない。しかし、「3.商品の類似性・非類似性」に記載したようなアプローチにより、販売する特定の商品間の関連性を検討すべきであると考える。特に、商品が同じ性質のものでない場合、または同じ需要者グループを対象としていない場合は、関連性がなく、混同の可能性は生じない。同様に、関連性のない商品を提供する小売サービスも、需要者に混同を生じさせるものではないと考えられる。例えば、「化粧品産業で使用する化学薬剤の小売サービス」と「無菌包装で使用する過酸化水素水溶液の小売サービス」は、商標審決番号246/2563(2020)に基づくと、特定商品の使用目的により関連性が認められない、と考えられる。

4-3. 不使用取消
 法第63条によれば、3年間使用されていない商標登録は、不使用を理由に取消される可能性がある。しかし、実際には、不使用取消は、不使用の立証責任を申立人が負うため、非常に困難である。審判部は、商標権者が使用を証明する証拠を全く提出せず、反駁しない場合であっても、不使用の証明が不十分であるという理由で申立を却下するケースもある。不使用の場合であっても、商標権者は、不使用が特別な事情によるものであり、商標を放棄する意図によるものではないことを証明することにより、防御することができる。例えば、商標権者が特定の商品または役務に関して商標を使用している場合、商標権者に商標を放棄する意思がないと解釈することができる。法律は、特定の商品および役務に対する部分的取消の可能性も明示していない。

4-4. 役務を指定する際の考慮事項
 審査官は、指定役務記載の可否を判断する際に、中編「3-4. 商品を指定する際の留意点」で説明した基準を同様に適用する。また、出願人は、意図する役務を項目ごとに明確に指定しなければならない。しかし、区分1~34では認められない広範な商品が、役務の説明では含まれることがある。例えば、「区分5:食品サプリメント」および「区分25:衣料品」という商品は認められないが、「食品サプリメントに関する小売サービス」および「衣料品の小売サービス」というサービスの指定は、区分35で認められる。したがって、出願人は、サービスの範囲を不必要に限定しないよう、前記「タイで商標登録出願された商品・サービス一覧」に掲載されている最新の商品・役務許容リストを常に入手する必要がある。

5. 商品・役務間の類似性または非類似性
 DIPは、各区分においてクロスチェックの対象となる関連区分のリストをウェブサイトで提供している。下表は、区分1から34までの商品に対する区分35から45までの役務との関連区分と、役務に対する商品との関連区分とのリストをDIPのウェブサイトから抜粋したものである。なお、このリストで指定されている以外の区分についてもクロスチェックが行われる例もあることに留意されたい。

区分12345
関連区分353535,42,443535,42,44
区分678910
関連区分3535,373535,37,38,41,4235,44
区分1112131415
関連区分35,3735,37,393535,3735
区分1617181920
関連区分35,37,41353535,37,4235,37,43
区分2122232425
関連区分3535353535,40,45
区分2627282930
関連区分35,403535,4135,42,4335,42,43
区分3132333435
関連区分35,42,4335,42,4335,42,4335
区分3637383940
関連区分912
区分4142434445
関連区分99

 クロスチェックとは別に、審査官は、「前編2-2.3)(C)商品・役務の関連性・非関連性の検討」に記載されたアプローチに沿って、特定の商品・役務の関連性を検討する。
 上記のアプローチに加え、新審査基準では、広範な役務の記載は、狭義の商品の記載と同じ性質を有するとはみなされないことが具体的に規定されている(新審査基準90頁参照)。その例は以下の通り:
・区分35の「消費者の便宜のために各種の商品を集めること」、「販売管理」、「商品のオンライン販売サービス」は、区分25の「ワイシャツ」、「ズボン」と性質が異なる。
・区分43の「飲食店サービス」は、区分30の「茶、コーヒー、ココア」、区分32の「飲料、水(飲料)」、区分33の「酒類、蒸留アルコール飲料」と性質が異なる。
・区分44の「美容サービス」は、区分3の「皮膚栄養クリーム」と性質が異なる。

 商品と役務の関連性を判断する際のアプローチを示す商標審決例を以下に示す。

(A) 商品と役務とが関連しているとみなされた例
① 商標審決番号1617/2560(2017)
出願商標:
区分19:非金属建材、建築用硬質非金属パイプ、建築用非金属材料シート、建築用非金属板、建築用非金属ポータブル構造部品

引用商標:
区分43:倉庫の建設、工場の建設、店舗の建設、家屋の建設、倉庫の建設、工場の建設、店舗の建設、家屋の建設、建設に関するコンサルタント業など

理由:引用商標の役務は建設サービスに関するものであるため、両者の商品/役務は同じ性質のものであるとした。

注目点:建築材料である出願商標の商品が引用商標の建築サービスの提供に使用できることから、両商標の商品と役務とは同じ性質であると考えることができる。

② 商標審決番号106/2559(2016)
出願商標:
区分42:個人用電子機器に関するオンライン問題の処理、個人用電子機器の技術サポート

引用商標:
区分9:オーディオテープレコーダー、スピーカ、コンピュータ等

理由:両商標は異なる区分に属するが、両商標の商品とサービスは同じ性質であり、混同の可能性がある、とした。

注目点:両商標の商品および役務が、電子機器という同じ分野に関するものであることから、両商標の商品および役務が同じ性質のものであると考えることができる。

(B) 商品と役務が無関係とみなされた例
① 商標審決番号921/2564(2021)
出願商標:
区分11:空気濾過媒体、空気濾過装置、空気濾過装置用フィルター、音響媒体

引用商標:
区分37:車両注油、車両保守、車両整備、車両修理、車両洗浄

理由:両商標の商品と役務は異なる区分であり、それぞれの使用目的は特定されている。その結果、両商標の商品と役務は同じ性質のものではなく、混同の可能性は生じない。

注目点:両商標の商品・役務の具体的な使用目的または提供目的が重複しているかどうかを検討する。

② 商標審決番号371/2562(2019)
出願商標:
区分44:美容施術に関する助言サービス、美容コンサルタント、美容施術等

引用商標:
区分3:皮膚栄養クリーム

理由:両商標は化粧品に関連するが、異なる需要者グループを対象としており、異なる取引経路を通じて提供されている。その結果、出願商標の商品と引用商標の役務は同じ性質のものではない、とした。

注目点:区分とは別に、商品の関連要素、すなわち、需要者の対象グループと取引経路も考慮した結論となっている。本審決例と新審査基準に基づき、商品と役務の類似性・非類似性を判断する際、例えば、商品と役務の意図された目的が合致しているか、商品と役務が対象とする需要者が一致しているかなど、タイと日本は、その判断方法を共有している。
 さらに、タイは、欧州の商標審査基準に規定されている要因の一部、すなわち、商品・役務の性質や意図する目的を考慮している。

6. まとめ
 DIPおよび裁判所は、商品および役務の類似性を判断するために、商標の国際分類(区分)のみならず、例えば、商品および役務の性質、商品の使用または役務の提供の目的、生産段階における関連性、対象需要者、取引経路、商品または役務の価格等の様々な要素を考慮している。

【クロスチェックリストの閲覧方法】
(1) DIPのウェブサイト https://search.ipthailand.go.th/ に接続する。

(2) クリック

(3) クリック

(4) 何も入力せず、ここをクリック

(5) 区分    ニース分類 Class Heading       関連区分(商品・役務)
46はDIP独自分類で証明商標を、47は団体商標を示し、全区分に関連する。

中国における仮想空間に関する知的財産の保護の状況に関する調査

「仮想空間に関する知的財産の保護の状況に関する調査研究報告書」(令和5年3月、知的財産研究教育財団 知的財産研究所) 

(目次) 
第3部.調査結果 
第1章.公開情報調査 
(仮想事例(仮想事例1(仮想空間の靴)、仮想事例2(仮想空間の椅子))を設定し、中国における仮想空間に関する知的財産について関連する法律(専利法(意匠)、商標法、著作権法、反不正競争法、専利法(特許))で保護される対象、保護が及ばない対象、権利制限/適用除外/効力が及ばないとされる範囲について、分析した結果を示している。) 

第4節.海外調査 
(3)中国 P.68 

第2章.ヒアリング調査
(仮想事例1および2に対するヒアリング項目についての中国の企業や有識者の回答を紹介している。) 

第2節.海外ヒアリング調査 
第3項 中国 P.146 
1.仮想空間を用いたビジネスの現状と展望について 
(1)仮想空間を用いて実用化している又は実用化を想定しているビジネスの内容 
(2)仮想空間を用いたビジネスを実施又は検討する際に発生した、知的財産権に関する課題
(3)仮想空間における知的財産権に関する利用規約や契約の内容 

2.仮想空間における知的財産権の保護の状況・課題・ニーズについての認識について 
①仮想事例1 
②仮想事例2-A、仮想事例2-B 
③仮想事例1、仮想事例2-A、仮想事例2-B以外のビジネス上での知的財産に関する課題および懸念事項 
④中国における法改正又はガイドライン制定等に向けた議論の内容や状況等、議論の状況についての考え 
⑤日本の現行法下でビジネスを行うと仮定した場合のビジネス上の課題や望ましい解決手段の考え方 

3.仮想空間における知的財産権に関する横断的な課題の認識について 
①プラットフォーマー等の責任について 
②越境取引における法の適用について 
③複数の仮想空間に跨った権利やライセンスの効力範囲について 

第4部.まとめ 
(中国における仮想空間に関する知的財産権について、現行の知的財産権各法で保護される対象、保護が及ばない対象の整理、および仮想空間でビジネスを行う企業や有識者等へのヒアリングを行い、法制や議論の状況についての調査結果を総括している。) 

第4章.中国 P.187 
第1節.意匠(専利法) P.187 
第2節.商標法 P.187 
第3節.著作権法 P.188 
第4節.反不正競争防止法 P.188 
第5節.専利法 P.189 

資料編 
資料III 
7.ヒアリング調査の質問票(中国企業) P.260 
8.ヒアリング調査の質問票(中国有識者) P.262 
9.ヒアリング調査の参考資料(中国企業・中国有識者) P.263 

資料IV 
7.中国企業1 P.295 
8.中国企業2 P.299 
9.中国有識者 P.303

韓国における仮想空間に関する知的財産の保護の状況に関する調査

「仮想空間に関する知的財産の保護の状況に関する調査研究報告書」(令和5年3月、知的財産研究教育財団 知的財産研究所)

(目次) 
第3部.調査結果 
第1章.公開情報調査 
(仮想事例(仮想事例1(仮想空間の靴)、仮想事例2(仮想空間の椅子))を設定し、韓国における仮想空間に関する知的財産について関連する法律(デザイン保護法、商標法、著作権法、不正競争防止法、特許法)で保護される対象、保護が及ばない対象、権利制限/適用除外/効力が及ばないとされる範囲について、分析した結果を示している。) 

第4節.海外調査 
(4)韓国 P.75 

第2章.ヒアリング調査
(仮想事例1および2に対するヒアリング項目について、韓国の企業や有識者の回答を紹介している。) 

第2節.海外ヒアリング調査 
第4項 韓国 P.160 
(1)仮想空間を用いたビジネスの現状と展望について 
(2)仮想空間における知的財産権の保護の状況・課題・ニーズについての認識について 
①仮想事例1 
②仮想事例2-A、仮想事例2-B 
③仮想事例1、仮想事例2-A、仮想事例2-B以外のビジネス上での知的財産に関する課題および懸念事項 
④韓国における法改正又はガイドライン制定等に向けた議論の内容や状況等、議論の状況についての有識者の考え 
⑤日本の現行法下でビジネスを行うと仮定した場合のビジネス上の課題や望ましい解決手段の考え方 
(3)仮想空間における知的財産権に関する横断的な課題の認識について 
①プラットフォーマー等の責任について 
②越境取引における法の適用について 
③複数の仮想空間に跨った権利やライセンスの効力範囲について 

第4部.まとめ 
(韓国における仮想空間に関する知的財産権について、現行の知的財産権各法で保護される対象、保護が及ばない対象の整理、および仮想空間でビジネスを行う企業や有識者等へのヒアリングを行い、法制や議論の状況についての調査結果を総括している。) 

第5章.韓国 
第1節.デザイン保護法 P.189 
第2節.商標法 P.190 
第3節.著作権法 P.190 
第4節.不正競争防止法 P.191 
第5節.特許法 P.191 

資料編 
資料III 
10.ヒアリング調査の質問票(韓国有識者) P.266 
11.ヒアリング調査の参考資料(韓国有識者) P.268 

資料IV 
10.韓国有識者 P.307 

インドにおけるEコマースで商標を使用する際の留意点(前編)

記事本文はこちらをご覧ください。

インドにおけるEコマースで商標を使用する際の留意点(後編)

記事本文はこちらをご覧ください。

インドにおける知的財産訴訟の統計データ

1. インドにおける知的財産専門部署の導入による知的財産訴訟の改革 
 2021年4月4日に施行された「2021年審判所改革(合理化および勤務条件)令」により、知的財産審判委員会(IPAB)は廃止された。IPABは、特許庁および商標登録官の決定に対する審判請求を審理するための審判機関として2003年に設立されたが、各種審判所の機能強化および合理化を目的とした広範な改革の一環として解散された。IPABの廃止および2021年審判所改革法の施行により、IPABに継続中の知的財産事件と、1999年商標法、2001年植物品種および農業者の権利保護法、1970年特許法、1957年著作権法および1999年商品の地理的表示(登録および保護)法に基づいてIPABに提起されたであろう新たな知的財産事件のすべてが、IPABの支所が所在していたデリー、ムンバイ、コルカタ、チェンナイ、アーメダバードを所管する各高等裁判所に移管されることとなった。 
 今後、新たに提起される知的財産審判事件については、対象とされる知的財産の出願された特許庁(デリー、ムンバイ、コルカタ、チェンナイ)を管轄する高等裁判所に属することとなった。これは、既存の司法システムの中で知的財産権紛争の専門的な知識を確保し、より効率的な解決を図ることを目的としている。また、2022年にデリー高等裁判所、2023年にマドラス高等裁判所(在チェンナイ)に知的財産部が設置され、最近では、コルカタ高等裁判所においても知的財産を所管するための規則案が通知されており、近いうちにコルカタ高等裁判所にも知的財産部が設置される予定である。なお、知的財産部が設置されていない高等裁判所では、通常の上訴法廷で審理される。

2. 分析方法および分析期間 
 インドの知的財産訴訟に関しては、すべての裁判所の訴訟情報を網羅した単一のデータベースが存在しないため、公開された報告書等により知的財産訴訟の進捗状況を確認するとともに、デリー高等裁判所とボンベイ最高裁判所の公式ウェブサイトで訴訟記録を調査した。両裁判所は、同国の知的財産訴訟の約85%を扱っていると推定されている。 
 なお、各裁判所の公式サイトにおける訴訟情報の公表状況は、全てのデータを考慮したものではなく、データの統計的な正確性を保証するものではない。また、複数の知的財産権が侵害されていると主張されている場合もあり、同一の訴訟が複数回計上されることによって、全体の数値が実際の件数と若干異なる場合がある。 
 データの集計期間は2014年1月から2023年12月までであるが、2021年から2023年までのデータは、デリー高等裁判所のみに関するものである。 
 また、デリー高等裁判所は、「デリー高等裁判所知的財産部門年次報告書2022-23」を公表しており、知的財産部門の導入後の訴訟動向が提供されている。 
 本稿で提供されたデータの分析は、インドにおける知的財産訴訟の成長について楽観的な見通しを与えてくれる。

3. 新たに提起された知的財産訴訟の分析 
3-1. 2014-2016年 
 2014、2015年および2016年に新たに提起された知的財産関連の訴訟件数は、以下のとおりである。

2014年2015年2016年
商標446440495
著作権141167230
特許154054
意匠301015
その他のIP209
合計634657803

 2014年、2015年、2016年には、毎年平均約697件の訴訟が提起され、そのピークは2016年であった。 
 2014年に新たに提起された知的財産に関する訴訟のうち、約7割が商標に関するもの(商標権侵害、詐称通用等)であったが、2015年には67%、2016年には62%となっている。 
 著作権および著作隣接権に関する訴訟の割合は、2014年の22%、2015年の25.4%から2016年には28.6%と大幅に増加している。 
 特許権および意匠権に関する訴訟は、商標および著作権に関する訴訟に比べて圧倒的に少ないが、2014年には7%であった特許権および意匠権に関する訴訟は、2015年には7.6%、2016年には8.6%と増加している。

3-2. 2017-2019年 
 2017、2018年および2019年に新たに提起された知的財産関連の訴訟件数は、以下のとおりである。

2017年2018年2019年
商標316598674
著作権182293368
特許5511844
設計151714
その他のIP974
合計57710331104

 毎年の訴訟件数は、2017年には若干減少したものの、2018年以降急速に増加しており、2019年の訴訟件数は、2014年の634件から1104件に増加している。 
 2017年に提起された知的財産権に関する新規訴訟のうち、商標(商標権侵害・詐称通用等)に関するものは約55%であったが、2018年には58%、2019年には61%と増加している。 
 著作権および著作隣接権に関する訴訟の比率は、2017年には31.5%、2018年には28.4%、2019年には33.3%と引き続き増加傾向にあり、特許および意匠に関する訴訟は、2017年には12%、2018年には13%と一貫して増加傾向にあったが、2019年には5.25%に減少している。

3-3. 2020-2023年 
 2020年以降に新たに提起された知的財産権に関する訴訟件数は、以下のとおりである。

2020年2021年2022年2023年
商標412379347513
著作権215164114227
特許43403855
設計14131228
その他のIP4321
合計688599514824

 毎年の訴訟件数は、2020年から2022年にかけて、世界的なCOVID-19の流行の影響もあり減少したが、2023年には若干ではあるが再び増加しており、今後さらに増加することが予想される。 
 2020年に新たに提起された知的財産権に関する訴訟のうち、商標(商標権侵害・詐称通用等)に関するものは約6割あり、2021年には63.3%、2022年には67.5%、2023年には62.2%となっている。 
 著作権および著作隣接権に係る訴訟の比率は、2020年には31.25%、2021年には27.3%、2022年には22.1%、2023年には27.5%と20~30%台で推移しているが、特許および意匠に係る訴訟の比率は、2020年以降増加傾向にあり、全知的財産訴訟のうち特許権および意匠権に係る訴訟の比率は8.3%であったが、2021年には8.8%に上昇し、2022年には更に増加して10%となり、2023年は横ばいであった。 
 上記の数字は、インドの知的財産環境が、成長過程にあり、かつイノベーションと知的資産の保護に積極的な姿勢であるというダイナミズムを示していることを表している。

4. 提起された知的財産訴訟において認められた仮差止命令の分析 
 2014年から2023年までの仮差止処分の内訳は、以下のとおりである。

仮差止処分命令(%)仮差止命令が認められなかった件数
2014年397(62.6)237
2015年334(50.8)323
2016年312(38.9)491
2017年205(35.5)372
2018年331(34.3)634
2019年306(27.7)798
2020年321(46.7)367
2021年263(23.8)841
2022年153(29.8)361
2023年314(38.1)510

 2014年に提起された知的財産訴訟のうち、裁判所が仮差止命令を発令したのは、62.6%である。 
 2015年には、判決が出るまでの間に、50.8%の事件が原告の権利を保護するために仮差止命令を発令したが、2016年には38.8%に減少し、2017年には35.5%にさらに減少し、2018年には34.3%に減少し、2019年には27.7%とさらに減少した。 
 2020年には、裁判所は46.7%の事件で仮差止命令の発令を支持しているようであるが、2021年には23.8%に、2022年には29.8%に、再び減少している。2023年には、裁判所は38%の事件で差止命令を発令した。 
 インドの裁判所は、知的財産訴訟における仮差止命令の発令には一般的に慎重であるが、権利保有者が一応の根拠に基づいて侵害を証明できる場合には、積極的かつ迅速に仮差止命令を発令し、調査活動を行う地方委員を任命する。調査活動は、当事者による調査、証拠調べ、物件への立ち入りなどの申請に基づいて、裁判所が任命した地方委員によって実施される。

5. 知的財産訴訟の最終処分の分析(2014-2023) 
 2014年から2023年までの裁判所による差止請求に対する最終処分結果を、以下に示す。

裁判所の最終処分和解/取り下げ合計
2014年217436653
2015年260424684
2016年251221472
2017年156334490
2018年149292441
2019年360204564
2020年411440851
2021年213179392
2022年11325138
2023年11473187

 インドの裁判所は、多くの事件において、早期の裁判外の和解を推奨する傾向が見られる。インドに提起された知的財産訴訟の大半は、当事者が望む場合には、調停その他の紛争解決手段に付託されている。2014年から2018年まで、処理された事件全体のおよそ2/3が和解または取り下げとなっている。2019年には、事件の和解または取下げは36%に減少したが、裁判所による事件の処理は増加しているようである。2020年から2023年にかけても同様の傾向が見られるが、事件が係属中であり、多くの事件について最終処分の結果が得られないため、データが正確でない可能性がある。
 しかし、2023年4月の「デリー高等裁判所知的財産部年次報告書2022-23」において、知的財産権問題におけるADRメカニズムの利用が極めて成功していることが報告され、統計によれば、デリー高等裁判所では斡旋・調停センター送致事件の80%から85%が解決されている。

6. まとめ 
 2005年の施策により特許訴訟が増加したが、インドにおける知的財産訴訟に関する統計データによれば、依然として商標権と著作権の行使に関しての知的財産訴訟の提起が多くを占めている。 
 裁判所はまた、長年にわたり、知的財産訴訟における紛争の早期解決のための調停手続を奨励してきており、この手続により、裁判所は、未決の訴訟の多くを解決することができている。 
 立法改革、規制調整、技術の進歩によって推進されたインドの知的財産環境のダイナミックな変化は、進化するグローバルなイノベーション環境に適応するためのインドの積極的な姿勢を示している。迅速な特許審査プログラムの実施と商標出願の合理化は、多様な産業にわたるイノベーションの育成と促進に対するインドの目指す姿勢の明確な表れである。裁判所の枠組みの中に知的財産部門(IPD)を設立することは、知的財産事件を解決する専門の手段を提供し、より強固で効率的な法的手段を確保するための重要な一歩である。インドが知的財産という複雑な分野を進み続ける中で、これらの進歩的なイニシアティブと戦略的発展は、インドを活気に満ちた包括的なイノベーション・エコシステムの育成の最前線に位置付ける。将来、インドが経済的・技術的発展をする上で、必ずや知的財産がより不可欠な役割を果たすことになるであろう。

インドネシアにおける模倣品流通動向調査

「インドネシアにおける模倣品流通動向調査」(2023年3月、日本貿易振興機構 ジャカルタ事務所)

目次

1. 目的 P.4

2. 調査結果 P.4
(ジャカルタの地区別に衣類、バッグ、装身具、化粧品、スペアパーツ、電子機器等の市場の模倣品販売の調査結果を紹介している。また、大手Eコマースプラットフォーム(Tokopedia、Shopee、LazadaおよびBukalapak)における模倣品流通の調査結果を紹介している。)

 2.1 物理的市場の調査 P.4
 2.1.2 序論 P.4
 2.1.3 業界特有の課題 P.4
 2.1.4 模倣品市場に関する情報 – 実地調査 P.5
 2.2 オンライン調査 P.20
 2.2.1 序論 P.20
 2.2.2 模倣品のオンライン市場調査 P.21

3. 最近の政策と主な法改正 P.23
(インドネシアの税関制度の概要、2018年から2023年の間の知的財産に関する法令の改正情報、2022年の知的財産権総局(DGIP)の取組みなどを紹介している。)  

 3.1 税関 P.23
 3.2 IPに関する法令 P.23
 3.2.1 オムニバス法 P.23
 3.2.3 知的財産権総局による最新情報 P.23
 3.3 インドネシアの法規制および関連するテイクダウン規定 P.25
 3.4 IPの啓蒙活動と教育プログラム P.26

4. 模倣品取り締まり機関に関する報告 P.27
(2018年から2021までの知的財産侵害事件の件数、2019年から2022年の商標侵害訴訟、著作権訴訟、特許訴訟、工業意匠訴訟の統計情報および訴訟概要(一部案件)を紹介している。)  

 4.1. 模倣品取り締まりの関連機関およびそれぞれの管轄と権限 P.27
 4.2. 過去5年の模倣品事件 P.28

5. インドネシアの市場における模倣品の実態に関する報告 P.34
(インドネシアの主要港湾の位置、入港船舶数、取り扱う貨物の内容や量などを紹介している。また、中国税関が公表した2016年から2021年までの模倣品差押え件数やインドネシア国内での模倣品の組立ての実態を説明している。INTAの2019年報告書によるインドネシアの模倣品の消費者についての分析した内容を解説している。)  

 5.1 模倣品の流通 P.34
 5.2.2 税関チェックポイントでの模倣品の流通量 P.35
 5.2 インドネシアにおける模造製品の製造と組立て P.37
 5.3 模倣品の消費 P.37

6. インドネシアにおける企業の模倣品対策に関する報告 P.38
(インドネシアにおける模倣品対策(刑事訴訟、民事訴訟、交渉、模倣品防止戦略)について解説している。また、模倣品対策を積極的に実施している企業4社の事例を紹介している。)

 6.1 模倣品が発見された際の対策、対策に要する時間とコスト、対策の成否の理由を説明する。また、模倣品が流通している場合の企業に対する助言も紹介する。 P.38

付属書1B:著作権刑事訴訟のフローチャート P.42
付属書1A:商標刑事訴訟のフローチャート P.43

 6.2 オンラインの模倣品対策を含め、模倣品対策を積極的に実施している日本、欧州、米国の企業の事例 P.44
付属書 P.45
A. DGIP との会議
B. インドネシア国家警察との会議
C. DGCE との会議