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韓国における知的財産訴訟の管轄権と問題点

2015年03月18日

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■概要
韓国では、1998年3月に知的財産訴訟を専門に扱う特許法院が設置されたが、現行の韓国法院組織法では、審決取消訴訟についてのみ特許法院に管轄権を認めており、知的財産権侵害訴訟は一般民事法院に、一般行政訴訟は行政法院の管轄となっている。このため、訴訟の性質により、管轄法院が異なり、その判決が矛盾・相反するという問題が生じており、特許法院に知財に関する管轄権を集中することを求める声が上がっている。
■詳細及び留意点

【詳細】

 知的財産訴訟は、特許、実用新案、商標、意匠等に係る権利の設定、消滅、侵害等に関する訴訟をいう。このような知的財産に関する訴訟は、i)審決取消訴訟、ii)知的財産権侵害(救済)訴訟、ⅲ)知的財産関連の一般行政訴訟、の3種類に大きく分けることができる。

 

 韓国では、1998年3月に技術的領域と法律的領域の双方を含む知的財産司法制度の効率的な運営と権利者保護の観点から、専門法院として特許法院が設置されたが、現在の知的財産訴訟の管轄は、現行の韓国法院組織法に基づき、i)審決取消訴訟についてのみ特許法院に裁判権が認められており、ii)知的財産権侵害訴訟は一般民事法院に、iii)知的財産関連の一般行政訴訟は行政法院の管轄となっている。

 

 現行の法体制下では、同じ知的財産権であっても訴訟の性質により管轄法院が異なり、判決が矛盾・相反していることが問題となっている。これにより、知的財産訴訟の管轄権を特許法院に集中することを求める声が上がっている。

 

(1)管轄制度

 管轄とは、裁判権を行使する様々な法院間において、どの法院がどういう種類の事件を担当し、処理するかという裁判権の分担を決めておく制度をいう。原告の立場から見れば、どの法院に訴訟を提起しなければならないか、被告の立場から見ると、どの法院で訴訟に対応しなければならないかがわかる。

 

(2)知的財産訴訟の管轄

 前述の管轄について、知的財産訴訟の管轄は法院組織法によるが、現行の法院組織法第28条の4では、特許法院が審理できる事件として、特許法第186条第1項(実用新案法第55条、デザイン保護法(日本における意匠法に相当。)第75条、および商標法第86条第2項)が定める第1審事件と、関連する法律によって定められている特許法院の権限に属する事件とに制限されている。

 

 つまり、この法規に規定されていない知的財産関連訴訟は、一般民事法院の管轄権に従わなければならないという意味で、法院組織法第28条の4は、特許法院の管轄の制限を規定している。特許法第126条以下の特許権の侵害は、同法第186条第1項で定める審理の対象ではないために、特許権侵害訴訟は特許法院ではなく一般民事法院の管轄となる。そして、特許関連の一般行政訴訟の場合は、法院組織法第40条の4によって行政法院の管轄となる。

 

(3)知的財産訴訟の管轄の集中

 近年、多様な技術分野の特許権、実用新案権、意匠権、商標権、植物新品種の保護等の知的財産権に関する訴訟の増加に伴い、侵害訴訟に対する権利保護の実効性を向上するため、より専門的で効率的な紛争解決が求められている。

 

 現行の知的財産権に関する侵害訴訟は、現在全国58か所の地方民事法院と支院、23か所の高等民事法院と地方民事法院の合議部が管轄し、権利の有効性に対する審決取消訴訟は特許法院が管轄しているため二元化されており、判決の専門性、一貫性および効率性の観点から、訴訟当事者である企業や国民の権利保護が不十分であるという指摘がなされてきた。

 

 知的財産権侵害訴訟について、特許権、実用新案権、意匠権、商標権に関する第一審は全国の各高等法院所在の5つの地方法院で、第二審は特許法院の専属管轄で集中化することを骨子とした法案が提出されている状況であるが、法案通過の目途は立っていない。

■ソース
・韓国法院組織法
・韓国民事訴訟法
・韓国特許法
・韓国実用新案法
・韓国意匠保護法
・韓国商標法
■本文書の作成者
河合同特許法律事務所
■協力
日本技術貿易株式会社 IP総研
■本文書の作成時期
2015.01.20
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