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韓国におけるトレードドレスに基づく権利行使の留意点

2015年03月17日

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■概要
韓国におけるトレードドレスは、商標法、デザイン保護法(日本における意匠法に相当。)、不正競争防止および営業秘密保護に関する法律(日本における不正競争防止法に相当。)により保護を受けることができる。権利行使を考える際、各法律の保護法益、保護要件、保護範囲などの実益をよく考慮し、どのような法域の保護を受けようとするのか決定しなければならない。
■詳細及び留意点

【詳細】

 米国においては、各州の判例法や連邦商標法(Lanham Act)第43(a)、不正競争防止法で保護要件、保護対象を明確化し、体系的に保護している。韓国においては、トレードドレスを保護する主な法律としては、商標法、意匠法、不正競争防止および営業秘密保護に関する法律(以下、「不正競争防止法」)があるが、韓国においては未だトレードドレスに対する判決や法理が確立していない状況である。

 

(1)韓国商標法による保護

 トレードドレスは、商標法に明文化されていないが、自他商品識別力と出所表示機能を持ちうるため、商標法では商標法第2条第1項第1号の「標章」の定義に、立体的形状、他のものと結合しない色彩または色彩の組合せおよび音、匂いなどの視覚的に認識することができないものなどを含ませることで、表面的な標章だけではないトレードドレスを保護している。

 

(2)韓国意匠法による保護

 意匠は、物品の形状、模様、色彩、またはこれらを結合したものであって、視覚を通じて美感を起こさせるものと定義されている(意匠法第2条第1号)ため、トレードドレスも意匠法上の登録要件を満たす場合、意匠権で保護が可能である。ただし、意匠法において、意匠は物品と離れることができない不可分の関係にあり、よってデザインのコンセプトをコピーされ、意匠登録された物品とは異なる、他の物品に無断で使用された場合、これに対応することは難しい。

 

 上記の様な状況は製品の総体的なイメージ、すなわちコンセプトが幅広く保護できなくなる結果を生じることになるため、実際の意匠法によるトレードドレスの保護の水準は脆弱であるといえる。また、トレードドレスの属性上、意匠法の登録要件である新規性を備えることは難しく、現実的に意匠法によってトレードドレスを保護するのは難しい。

 

(3)韓国不正競争防止法による保護

(i)商品主体及び営業主体の混同行為(不正競争防止および営業秘密保護に関する法律 第2条第1号イ及びロ)

 トレードドレスが不正競争防止法上の保護を受けるためには、商品標識または営業標識として、韓国国内に広く知られていなければならず、判例においても、商標法上の保護を受けることができなくても、長期間にわたり、独占的、排他的に使用され、需要者に特定の出所の商品であることを連想させるほど顕著に個別化されている場合には、不正競争防止法上の保護を受けることができると判示されている(大法院1994.12.2.宣告、94DO1947判決)

 

(ii)商品形態の模倣行為(不正競争防止および営業秘密保護に関する法律 第2条第1号リ)

 2004年の改正不正競争防止法で新設されたもので、韓国国内で周知の商品形態であるか否かに関係なく、商品形態が整った日から3年が経過する前に、他人が製作した商品形態を模倣した商品を譲渡、貸与、またはこのための展示、輸入、輸出する行為は、本号の不正競争行為に該当し、不正競争防止法上の保護を受けることができる。

 

 トレードドレスに対する保護は、競業秩序の維持を目的とする商標法、不正競争防止法に限定されず、意匠法など複数の法律で重複的な保護が可能であり、各法律の保護法益、保護要件、保護範囲などの実益をよく考慮して、どのような法域の保護を受けようとするのか決定しなければならない。

 

(4)権利行使および留意点

 上述の通り、トレードドレスは商標法、意匠法、不正競争防止法などの該当する法律要件を満たす場合、その法律にもとづき権利行使が可能である。

 

 ただし、商標法は、標章が自他商品識別力および出所表示機能を有することを求めているため、トレードドレスが商標法により保護を受けるためには、自他商品識別力と出所表示機能の要件を満たさなければならず、トレードドレスが意匠法による保護を受けるためには、新規性、創作性などの要件を満たさなければならない。

 

 また、不正競争防止法による保護を受けるためには、商品の形態が長期間に継続的、独占的、排他的に使用されたり、持続的な宣伝広告などに使用されたりすることによってその形態が持つ顕著な特徴を、取引者または需要者が、その商品について特定の品質を持ち、特定の出所の商品であることを連想させるほどに、識別されていなければならないという要件を満たさなければならない。

■ソース
・韓国商標法
・韓国意匠法(デザイン保護法)
・不正競争防止および営業秘密保護に関する法律
・不正競争防止法関連の判例
http://www.law.go.kr/precInfoP.do?precSeq=111247
■本文書の作成者
河合同特許法律事務所
■協力
日本技術貿易株式会社 IP総研
■本文書の作成時期

2015.01.20

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