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台湾における商標審判手続概要——異議申立

2013年05月02日

  • アジア
  • 審判・訴訟実務
  • 商標

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■概要
拒絶理由が見つからない商標出願は、登録商標として公告される。この公告日から3ヶ月以内であれば、所定の登録要件に反する(異議理由がある)として、誰でも台湾特許庁(中国語「智慧財産局」)に異議を申し立てることができる。商標異議申立制度の目的は、公衆審査により台湾特許庁の登録査定の正確性を高めることにある。
■詳細及び留意点

 

(1)異議申立手続

(ⅰ)異議申立ができる者

誰でも可能(商標法第48条第1項)。

(ⅱ)異議申立期間

登録公告日から3ヶ月以内(商標法第48条第1項)。

(ⅲ)異議申立の対象

異議申立は指定商品や役務の全てに対して行うことも、指定商品役務単位で行うこともできる。例えば、登録商標が5つの指定商品を有する場合、全ての指定商品を異議の対象にすることも、特定の商品を幾つか選んで対象にすることもできる(商標法第48条第2項)。

(ⅳ)異議理由

異議申立をするには、公告された登録商標が以下のいずれか1つに該当する必要がある。

・商標が識別性を有しないもの(商標法第29条)。

・商標が他人の先願商標と同一又は類似で、同一又は類似の商品役務を指定するもの(商標法第30条第1項第10号)。

・他人の著名商標(登録の有無は不問)と同一又は類似で、公衆に出所混同を誤認させるか、同著名商標の信用と名誉を損なうおそれがあるもの(商標法第30条第1項第11号)。

・商標権者が、契約・地縁等の関係により、他人が先に使用している商標の存在を知っていながら、自分のものとして利用する意図で、その先に使用している他人の商標と同一又は類似の商標を出願するもの(商標法第30条第1項第12号)。

(ⅴ)異議申立書

異議申立書には事実及び理由を明記し、副本を用意する。方式審査後、副本は商標権者に送達される。

(ⅵ)答弁書

副本の送達を受けた被申立人(商標権者)は、反論するために答弁書を提出する(商標法第49条)。

 

(2)異議決定

(ⅰ)決定の内容

異議申立に理由があると、商標登録を取り消す決定が出される。異議理由は指定商品役務単位で判断され、異議理由のある商品役務のみが取り消され、異議理由がない商品役務の登録は維持される(商標法第55条)。

(ⅱ)決定の効果

異議決定が確定した後、同一事実に基づいて、同一の証拠や理由で、異議対象となった登録商標に対して無効審判を請求することができなくなる(商標法第56条)。この効果は異議申立人のみならず、第三者にも及ぶ。

 

(3)その他

(ⅰ)取下げ

異議決定前であれば、いつでも取下げができる。取り下げた場合、同一の事実に基づいて、同一の証拠及び同一の理由で、再び異議申立を行うことや無効審判を請求することはできなくなる(商標法第53条)。

(ⅱ)商標権の移転

異議申立の審理中に商標権の移転があっても、異議申立の審理に影響はない。譲受人は被申立人の地位を引き継ぐことで、異議申立手続に関与できる(商標法第52条)。

(ⅲ)不服申立

異議理由はないとする異議決定を受けた異議申立人や、異議理由有りとして商標登録を全部又は一部を取り消す異議決定を受けた商標権者にとって、何れの異議決定も自分に不利益な行政処分である。この不利益処分に対し、上記の異議申立人又は商標権者は、訴願法に基づいて、異議決定書の送達後30日以内に、経済部の訴願審議委員会に対して行政不服を申立てることができる(訴願法第4条第7号)。

 

【留意事項】

商標登録への異議申立で登録維持決定を受けた場合、日本では、その維持決定に対して不服申立をすることができないが、同一事実と同一証拠に基づいて無効審判で争うことができる。これに対し、台湾では、その維持決定に対して不服申立ができる反面、同一事実と同一証拠に基づいて無効審判を請求することはできないため、注意が必要である。

■ソース
台湾商標法
■本文書の作成者
聖島国際特許法律事務所(作成:2012年8月3日)
特許庁総務部企画調査課 根本雅成(改訂:2013年5月2日)
■協力
一般財団法人比較法研究センター 木下孝彦
特許庁総務部企画調査課 山中隆幸
■本文書の作成時期
2013.05.02
■関連キーワード
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