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(中国)図形商標の類似について

2013年01月15日

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■概要
本件はローマ文字の「D」のロゴの外観類否が争点となった事案である。北京第一中級人民法院は、出願商標は英文字「D」に似た図案で構成され、その図形と引用商標中の英文字「D」部分は、「D」文字の左端の筆を運んだ延伸部分において少し違いがあるが、その他の部分には明らかな区別がないと認定し、類似すると判断した。
■詳細及び留意点

 本願商標は、右上から左下に向けて直線的な線を引き、やや水平に角度を変えた上で鋭角的に方向を変えて時計回りの円を描き、方向を変えた下あたりでとぐろを巻くような構成の図形商標である。一方の引用商標は、水平方向に長く伸びた帯状の形状に、水平方向に伸びる黒い帯を中央部に配置し、その黒帯に重ねて、筆記体のローマ文字「D」を表示した角が丸い長方形をやや右側に配置している図形商標である。

 

 これらの商標について、北京第一中級人民法院は、「引用商標は英文字「D」と影付き長方形の枠から構成され、その中の英文字「D」は同商標の主要な識別部分であり、容易に発音できる」とし、「その構成中で影付き長方形の識別力は比較的弱い」、「出願商標は英文字「D」に似た図案で構成され、その図形と引用商標中の英文字「D」部分は、「D」文字の左端の筆を運んだ延伸部分において少し違いがあるが、その他の部分には明らかな区別がない」と認定し、「出願商標と引用商標は両者の全体外観、その視覚的効果において類似しており、類似商標(中国語「近似商标」)に該当する」とした。

 なお、出願人は商標審判部(中国語「商标评审委员会」)の審査段階で提出しなかった証拠を本裁判で提出したが、商標審判部が当該証拠の証拠調べに同意せず、裁判所も当該証拠を採用しなかった。

 

参考(北京市第一中级人民法院行政判決书2008年11月27日付(2008)一中行初字第460号より抜粋):

 根据我国商标法第二十八条的规定,申请注册的商标同他人在同一种商品或者类似商品上已经注册的或者初步审定的商标相同或者近似的,由商标局驳回申请,不予公告。

 基于查明的事实,双方当事人对引证商标核定使用的商品类别与申请商标申请使用的商品类别均包括化妆品类商品并无异议,因此本案争议的焦点问题仅在于申请商标与引证商标是否相同或近似。本院认为,引证商标由英文字母“D”和带阴影的矩形框体组成,其中的英文字母“D”为该商标的主要识别部分,亦便于呼叫。而其中的带阴影的矩形框体的识别作用较弱。申请商标亦由近似于英文字母“D”的图案构成,其图形与引证商标中的英文字母“D”部分,除了在“D”字左端运笔的延伸部分略有差异外,其他部分并无明显区别。因此,申请商标与引证商标两者的整体外观、视觉效果相近似,属于近似商标。此外,都彭公司在本案中提交的第二组至第五组证据并未在商标评审阶段提交,商标评审委员会不同意质证,本院认为,上述证据并非商标评审委员会作出〔2007〕第10684号决定书的依据,本院对上述证据亦不予采信。商标评审委员会依照商标法第二十八条的规定,作出驳回申请商标在化妆品商品类别申请注册的决定是正确的,原告都彭公司的诉讼请求没有事实与法律依据,本院不予支持。

(参考訳)

 我が国商標法第28条の規定によれば、登録出願にかかる商標が他人の同一商品又は類似商品について既に登録され、又は予備的査定を受けた商標と同一又は類似するものであれば、商標局は出願を拒絶し、公告しない。

 明らかになった事実に因れば、双方当事者に、引用商標で承認された商品の所属区分と出願商標の指定商品の所属区分は共に化粧品類の商品が含まれることについて争いはないことから、本案で論争の争点となるのは、出願商標と引用商標が同一又は類似するか否かということである。当裁判所は、引用商標は英文字「D」と影付き長方形の枠から構成され、その中の英文字「D」は同商標の主要な識別のある部分であり、容易に発音できる。また、その中にある影付き長方形の識別力は比較的弱い。出願商標は英文字「D」に似た図案で構成され、その図形と引用商標中の英文字「D」部分は、「D」文字の左端の筆を運んだ延伸部分において少し違いがあるが、その他の部分には明らかな区別がない。これにより、出願商標と引用商標は、両者の全体外観、視覚的効果において類似しており、類似商標に該当する。その他、都彭公司は本案において提出した第二組から第五組までの証拠は商標審判部の審理の段階で提出しておらず、商標審判部はこれらの証拠について証拠調べに同意していない。当裁判所は、上記証拠は商標審判部が発行した〔2007〕第10684号決定書の根拠ではないので、上記証拠を採用しない。商標審判部が商標法第28条の規定に基づいて発行された、化粧品類の所属区分における出願商標の登録出願を拒絶する審決は適切であり、原告都彭公司の訴訟請求は、事実にも法律にも依拠しておらず、当裁判所は支持しない。

 

【留意事項】

 中国の図形商標の類似範囲は広いという話を聞くが、本案もその印象が強い。当然のことであるが、類否判断基準は国によって異なることから、日本では非類似だという主張は必ずしも受け入れられないと考える方が賢明であろう。

■ソース
・北京市第一中級人民法院行政判決書2008年11月27日付(2008)一中行初字第460号
・中国商標法
■本文書の作成者
特許庁総務部企画調査課 根本雅成
■協力
北京林達劉知識産権代理事務所
■本文書の作成時期
2012.10.22
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