アジア / 審判・訴訟実務 | 審決例・判例
(中国)無効理由の提出期限超過の例外
2012年12月21日
■概要
無効審判請求の無効理由は法定期間内に提出しなければならない。本件は、意匠権が無効審判で特許庁審判部によって維持決定がなされ、それを不服とした無効審判請求人が審決取消訴訟を起こしたもので、証拠補充期間経過後に提出した無効理由の扱いについて争った事案である。■詳細及び留意点
中国で無効審判請求(中国語「无效宣告请求」)を行った場合、請求後1月以内に理由補正が可能であり、それ以降の新規無効理由を追加することは、2つの例外を除いて許されない。本件では、請求日が2006年8月15日である無効審判において、2007年7月3日に審判請求人は無効理由(中国語「无效宣告理由」)を追加したが、特許庁審判部(中国語「专利复审委员会」)は(1)権利者により合併方式で訂正されたクレームについて、特許庁審判部が指定した期間内に無効理由を追加する場合、又は、同期間内に追加した無効理由の具体的な説明を行う場合、(2)提出した証拠と明らかに対応しない無効理由を変更する場合には、例外的に1ヶ月経過後の無効理由の追加が可能とし、本件の無効理由追加は当該2つの例外に該当しないとした。北京中級人民法院も、特許庁審判部の認定を支持した。
参考(北京市第一級中級人民法院民事判決2008年9月4日付(2008)中行初字第718号より抜粋):
超人公司认可无效宣告请求的提起时间为2006年8月15日,新增无效宣告理由的时间为2007年7月3日的事实,但不同意专利复审委员会的裁决意见,认为专利法实施细则第六十六条规定“逾期增加的理由或补充的证据可以不予考虑”,没有规定不应当予以考虑。专利复审委员会表示,其不予考虑的裁决是正确的,根据《审查指南》第四部分第三章4.2节的要求,可以在1个月后增加的无效宣告理由只有以下两种例外情况,一是针对专利权人以合并方式修改的权利要求,在专利复审委员会指定期限内增加无效宣告理由,并在该期限内对所增加的无效宣告理由具体说明的;二是对明显与提交的证据不相对应的无效宣告理由进行变更的。超人公司的情况均与之不符。
本院认为:超人公司要求增加的无效宣告理由,不符合可予增加的例外情况,专利复审委员会不准其逾期增加理由,符合专利法实施细则第六十六条规定,本院予以确认。
(参考訳)
超人公司は、無効審判の請求日は2006年8月15日であり、新規無効理由の提出は2007年7月3日であるという事実を認めているが、特許庁審判部の審決の判断には同意せず、専利法実施細則第66条が「期限超過の追加又は補充した証拠は考慮しなくてもよい」と規定しているが、「考慮すべきではない」という規定は存在しないと主張した。特許庁審判部は、考慮しないという判断は正しいと述べ、《審査指南》第4部第3章4.2の規定によれば、2つの例外の場合、すなわち、(1)権利者により合併方式で訂正されたクレームについて、特許庁審判部が指定した期間内に無効理由を追加する場合、又は、同期間内に追加した無効理由の具体的な説明を行う場合、(2)提出した証拠と明らかに対応しない無効理由を変更する場合には、1ヶ月経過後の無効理由の追加は可能であるが、超人公司の状況はこの2つの例外のいずれにも該当しないとした。
超人公司が追加したい無効理由は、追加が可能である例外の場合に該当せず、特許庁審判部が同期限超過の新規無効理由の追加を認めなかったことは、専利法実施細則第66条の規定に合致することを、当裁判所は認定する。
【留意事項】
無効審判における無効理由の補正は請求後1月以内であり、1月経過後の無効理由の補正の例外は限られる点に留意が必要である。
■ソース
・北京市第一級中級人民法院民事判決2008年9月4日(2008)中行初字第718号・専利法実施細則
■本文書の作成者
特許庁総務部企画調査課 根本雅成■協力
北京林達劉知識産権代理事務所■本文書の作成時期
2012.10.22