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台湾における判決の調べ方―台湾司法院ウェブサイト

2020年11月26日

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■概要
(本記事は、2023/11/2に更新しています。)
 URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/judgment/37630/

台湾司法院のウェブサイトで、以下の裁判所が出した知的財産事件の判決書および決定書(以下、合わせて「判決」とする。)を検索することができる。(1)地方裁判所(中国語:「地方法院」)(2)知的財産裁判所(中国語:「智慧財産法院」)(3)最高裁判所/最高行政裁判所(中国語:「最高法院/最高行政法院」)台湾において、判例(先例となる最高裁判所もしくは最高行政裁判所の法的判断を指す。有効な判例の法的効力は、最高裁判所もしくは最高行政裁判所が下した裁判と同等である。)のみならず、判決も原則として公開されている。同サイトは、誰でも無料でアクセス可能である。
■詳細及び留意点

(1)台湾司法院法学資料検索システム(中国語:「司法院法學資料檢索系統」)のウェブサイト(https://law.judicial.gov.tw/FJUD/default_AD.aspx)にアクセスする(図1)。

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図1

 

(2)図1の画面に表示されている第一列目は事件の類型であり、「民事」、「刑事」、「行政」と「公懲(公務員懲戒)」という順番で分類されている。

(i)民事:専利(特許、意匠および実用新案を含む)、商標及び著作権等の権利侵害の損害賠償事件はここに含まれる。

(ii)刑事:商標、著作権等の権利侵害事件はここに含まれる。

(iii)行政:例えば台湾知的財産局が行った専利と商標の無効審判に関する行政訴訟事件はここに含まれる。

(iv)公懲:知的財産事件とは関係ない。

 

(3)次に図1の画面の左側で裁判所の名称を選択する。

(i)全ての事件を検索する場合、「所有法院」を選択する。

(ii)民事事件:第一審事件を検索する場合、「智慧財産法院」を選択する。第二審事件を検索する場合も「智慧財産法院」を選択する。第三審事件を検索する場合、「最高法院」を選択する。

(iii)刑事事件:第一審事件を検索する場合、各管轄地区の「地方法院」を選択する。第二審事件を検索する場合、「智慧財産法院」を選択する。第三審事件を検索する場合、「最高法院」を選択する。

(iv)行政事件:第一審事件を検索する場合、「智慧財産法院」を選択する。第二審事件を検索する場合、「最高行政法院」を選択する。

(v)同時に複数の「法院」を選択することが可能である(図2)。

※連続しない項目を選択する場合:Ctrlキーを押しながら、選択したい複数の裁判所の項目をクリックする。

※連続する項目を選択する場合(その1):選択したい裁判所のうち最上部に表示されている裁判所の項目を左クリックし、Shiftキーを押しながら、最下部に表示されている裁判所の項目をクリックする。

※連続する項目を選択する場合(その2):選択したい裁判所のうち最上部に表示されている裁判所の項目をクリックしながら最下部に表示されている裁判所の項目までカーソルを移動させる。

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図2 裁判所名選択画面

 

(4)第二列目以降は、「裁判字號(裁判番号)」、「裁判期間(裁判日)」、「裁判案由」、「裁判主文(裁判の主文)」、「全文内容」である。なお、入力は中国語(繁体字)で行う必要がある(図3)。

(i)裁判字號:事件の裁判番号

(ii)裁判期間:裁判日の範囲を限定して検索することができる。年、月と日の3つの欄に分けられているが、年度の箇所は台湾の年号「民国」で入力しなければならない。その変換式は、「西暦-1911=民国の年度」である。

(iii)裁判案由:事件の類型(例えば、「專利権損害賠償等」と入力すると、典型的な専利権利侵害事件の判決が出てくる。)

(iv)裁判主文:原告、被告の氏名等を入力することで裁判の主文の内容について検索することができる。

(v)全文内容:検索したい判決のキーワードを入力することで検索することができる。例えば、原告、裁判官または被告の弁護士の氏名をキーワードとすることが可能である。

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図3 判決の検索画面

 

(5)キーワード等を入力し、「送出査詢」ボタンをクリックすると判決の検索が開始される(図4)。

01TW15_4図4 判決の検索画面

 

(6)例えば、裁判所として「智慧財產法院」を選択し、案件類別に「行政」を選択し、裁判字號に「98」年度「行專訴」字第「8」號と入力して検索すると、図5に示す検索結果画面が表示される。判決番号をクリックすると、判決全文を閲覧することができる(図5)。

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図5 検索結果

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図6 判決文

 

(7)図6の画面右上の「歷審裁判」の欄には、各段階の裁判の判決と事件番号が一覧表示される。一覧表から一審、二審、三審の判決にリンクして閲覧することもできる(図7)。

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図7

 

(a)マーク(灰色)が裁判番号の後ろに付いている場合、当該事件は係属中または事件番号もしくは判決書がアップロードされていないことを意味する。

(s)マーク(赤)が裁判番号の後ろに付いている場合、当該事件は最高裁判所で審理されていることを意味する。

 

(8)図8の画面右上の「轉存PDF」という文字をクリックすると、判決原文のPDFファイルをダウンロードすることができる(図9)。

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図8

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図9

 

(9)図10の画面右側の「附件圖表」欄では、その事件の図面または表等の添付書類を閲覧することができる。例えば、新型専利(実用新案)事件の場合、添付図面として明細書の図面が(図11)、添付表として新型専利の各要件と被疑侵害品の対比表が添付されることが多くみられる。一方、商標事件の場合、係争商標の図が添付されることが多い。

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図10

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図11

 

■ソース
台湾司法院
https://law.judicial.gov.tw/FJUD/default_AD.aspx
■本文書の作成者
理律法律事務所(Lee and Li, Attorneys-at-Law)
■協力
日本国際知的財産保護協会
■本文書の作成時期

2020.01.08

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