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インドネシアにおけるプロダクト・バイ・プロセス・クレームの解釈の実務
2018年09月27日
■概要
インドネシアのプロダクト・バイ・プロセス・クレームの解釈については、実体審査においては、審査ガイドラインのセクション5.2.6の記載に基づき判断されると考えられる。しかし、ガイドラインの記載と審査実務は一致しないことがある。また、権利行使においては、2016年特許法(第13号)第19条および145条(1)にプロダクト・バイ・プロセス・クレームに関連する記載があり、これらの条文に基づき判断されると考えられるが、判例法は存在しない。■詳細及び留意点
実体審査における解釈
「プロダクト・バイ・プロセス・クレーム」は、製造方法の観点で定義された製品をクレームする。
「方法により特徴づけられる製品クレーム(プロダクト・バイ・プロセス)」に関する特許庁の審査ガイドラインのセクション5.2.6において、以下の通り述べられている:
「特定の方法により製品が製造され、かつ当該方法が新規であっても、当該製品が新規であることを必ずしも意味しない。すなわち、当該方法によって製造されることで、必ずしも当該製品が新規な特徴を有するわけではない。」
「例:ペンの製造方法は、より速く、より効率的な新規製造方法へと改良することができる。しかし、当該新規製造方法で製造されたペンは、従来のものと同じペンである。つまり、製品が新規である場合、その製造方法も新規である。しかし、製造方法が新規であっても、当該製造方法によって製造された製品は必ずしも新規ではない。」
権利行使における解釈
1.2016年特許法(第13号)第19条が、プロダクト・バイ・プロセス・クレームに関連すると考えられる。その文章の解釈は曖昧であるが、特許方法から得られる製品の保護に適用される可能性がある。その理由は、第19条(1)aに言及する第19条(1)bの最終部分である(以下に示す下線部を参照)。
インドネシア特許法第19条
(1)特許権者は、自己の特許を実施する排他的権利を有し、かつ、その許諾なしに次に掲げる行為をすることを他の者に禁止する。
(a)製品特許の場合:特許製品を製造し、使用し、販売し、輸入し、賃貸し、配送し、または販売、賃貸または配送を提示すること;
(b)方法特許の場合:製品を製造するため、または上記(a)にいう製造以外の行為をするために特許が付与された製造方法を使用すること
(2)上記(1)(b)にいう特許が付与された製造方法の使用の禁止は、特許により保護された方法のみを利用して製造された輸入製品にのみ適用されるものとする。
(3)教育、研究、試験、または分析を目的とする場合、特許権者が当然受ける利益を損なわず、かつ非営利である場合、上記(1)および(2)にいう禁止の適用から除外される。
また、上記特許法第19条(2)は、特許が付与された製造方法により得られた製品が保護可能であることを示唆するが、この規定を解釈した裁判所判決は見当たらない。
2.特許法第145条(1)もまた、特許が付与された製造方法の使用の立証に際して関連があると考えられる。この条文は製品が新規である場合、または、原告が十分な努力にもかかわらず特許が付与された製造方法の使用を立証することができない場合に関連する。
インドネシア特許法第145条(1)
特許が付与された製造方法に関する訴訟の審理において、以下の場合、立証責任は被告にあるものとする:
(a)特許が付与された製造方法により製造された製品が新規製品である場合、または、
(b)その製品が、特許が付与された製造方法により製造されたと主張され、これを立証するために十分な努力が既になされたにもかかわらず、依然として特許権者が前述の製品を製造するために使用された方法を決定できない場合。
本条を解釈した判例法は見当たらない。
■ソース
・2016年インドネシア特許法(第13号)・インドネシア特許庁審査技術ガイドライン
■本文書の作成者
PT Rouse Consulting International (Indonesia)■協力
日本技術貿易株式会社■本文書の作成時期
2018.02.08