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シンガポールにおける意匠の存続期間とその延長

2014年09月19日

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  • その他参考情報
  • 意匠

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■概要
シンガポールにおける意匠権の存続期間は出願日から5年であるが、2度の延長申請(各5年ずつ)によって、最長で出願日から(優先権主張を伴う出願の場合には優先日から)15年間有効に存続することが可能である。
■詳細及び留意点

【詳細】

(1) 意匠の存続期間とその延長(シンガポール意匠法第21条、意匠規則34、35)

 シンガポールにおける意匠出願は方式審査のみを経て登録され、登録日は出願日(優先権主張がある場合は優先日)とされる結果、意匠権の存続期間は出願日から5年となる。登録期間満了日6ヵ月前から1ヵ月前までに、登録期間満了日が近づいている旨が登録官より通知される(既に延長申請がなされている場合は除く)。

 意匠権の5年の存続期間は2回延長することができる。1回の延長申請で5年延長されるため、2回の延長申請で合計10年延長される。その結果、意匠権の存続期間は最長で出願日から15年となる。

 延長申請は、登録期間満了日前6ヵ月以内に、シンガポール知財庁(IPOS)へ所定のフォーマット(様式D8)で作成した申請書を提出し、手数料を納付することにより行う。申請書は英語で作成する必要があり、意匠の登録番号、意匠の分類、登録者名・住所、代理人名・住所等を記載する。複数の登録意匠の延長を行う場合には、登録意匠ごとに申請する。

 なお、延長申請に不備があった場合は、IPOSよりその旨が通知される。その通知において指定された期間内に、書面で応答するか、通知における登録官からの求めに応じなければならない。所定の期間内にこれらを行わなかった場合、延長申請は取下げられたものとされ得るので注意を要する。なお、通知において定められた期間の延長を申請したい場合は、様式D16により申請を行う必要がある(同規則35A)。

 

(2) 延長申請の手数料

 延長申請の手数料は、次のとおりである。

 

(i) 1回目の延長申請

 オンライン申請の場合   登録ごとに220シンガポールドル

 オンライン申請でない場合 登録ごとに242シンガポールドル

 

(ii) 2回目の延長申請

 オンライン申請の場合   登録ごとに330シンガポールドル

 オンライン申請でない場合 登録ごとに363シンガポールドル

 

(iii) 登録期間満了前に延長申請・手数料の納付が行われなかった場合(シンガポール意匠法第21条(4)、(5))

 登録期間満了前に延長申請・手数料の納付が行われなかった場合、当該意匠はその登録期間満了により失効する。

 ただし、登録期間満了後6ヵ月以内に所定の延長手数料と遅延手数料の納付と登録期間の延長申請書が提出されれば、当該意匠は失効しなかったものとされる。この場合、この6ヵ月の間に、意匠権者/意匠権者から同意を得た者により、意匠権に基づき又はこれに関連してなされた事項(ライセンス付与等)は有効なものとされる。

 また、この6か月の間になされた、登録が失効していなければ意匠権侵害を構成したであろう行為は、意匠権侵害とされる。

 

(3) 登録期間が延長されたことの確認

 登録期間延長の申請書を提出しても、知的財産庁(IPOS)から受領連絡等は行われない。そのため、意匠の登録期間が延長されているかどうかを確認したい場合には、申請から2週間以内にIPOSウェブサイトのeDesigns Search(http://designsearch.ipos.gov.sg/eDSearch/Search.jsp)で確認する必要がある。

意匠公報の画面

意匠公報の画面

 

 なお、eDesigns Searchの利用方法については、本データベース掲載コンテンツ「シンガポールにおける特許・意匠・商標のオンライン検索方法」のeDesingsの「登録内容による検索」をご参照いただきたい。

 

【留意事項】

  • シンガポールの代理人を通じて延長申請を行う場合でも、延長申請書と併せて委任状を提出する必要はない。
  • シンガポールでは、芸術作品の著作権者により、又は、著作権者の同意を得て、その作品を含む意匠につき出願がなされた場合、その芸術作品が出願前に先行して使用されたことのみを理由として当該意匠は新規性を喪失せず、登録が認められ得る(シンガポール意匠法9条(1))。但し、著作権者により、又は、著作権者の同意を得て、その意匠(細部を変形したに過ぎないものを含む)を産業上利用した物品の販売等がなされた場合は、新規性を喪失する(シンガポール意匠法9条(2))。このような意匠に該当すること、当該作品の先行使用によって意匠法第9条(1)の規定がなければ意匠登録が可能ではなかったであろうことが示された場合、登録意匠の存続期間よりも芸術作品の著作権の存続期間が先に満了するのであれば、当該意匠権の存続期間は著作権の満了をもって満了となり、意匠の登録期間の延長は認められない(同法第22条(1))。
■ソース
・シンガポール意匠法
・シンガポール意匠規則
・意匠の存続期間延長申請フォーム(様式D8)
http://www.ipos.gov.sg/Portals/0/Forms%20and%20fees%20desgins/Forms-V5-01-13/D8%20-%20V060113.pdf ・延長申請の不備に関する通知への対応期間の延長申請フォーム(様式D16)
http://www.ipos.gov.sg/Portals/0/Forms%20and%20fees/design/D16time5.pdf ・シンガポール知的財産庁(IPOS)ウェブサイト
http://www.ipos.gov.sg/Services/FilingandRegistration/FormsandFees/RegisteredDesigns.aspx http://designsearch.ipos.gov.sg/eDSearch/Search.jsp
■本文書の作成者
辻本法律特許事務所
Donaldson & Burkinshaw LLP
■協力
一般財団法人比較法研究センター 不藤真麻
■本文書の作成時期
2014.01.30
■関連キーワード
意匠   延長   存続期間   手数料   更新   SG-cm-9999   著作権に基づく意匠登録   追加   実務者向け   SG:シンガポール   2001  

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