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ベトナムにおける登録商標の不使用取消請求

2014年07月25日

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■概要
ベトナムでは、正当な理由なく連続して5年間使用されていない登録商標は、第三者の請求による不使用取消の対象となる。
■詳細及び留意点

【詳細】

(1) 不使用による取消請求の概要

 ベトナムでは、商標権者は登録商標について使用義務を負う(知的財産法第136条第2項)。登録商標が登録後に、正当な理由なく連続して5年間使用されていない場合、第三者の請求による不使用取消が可能となる(同条第1項d)。従って、取消の対象とならないためには登録商標の「使用」が要求される。

 ベトナム国家知的財産庁(NOIP)は、登録商標が、登録後を起算点として取消請求前まで連続して5年間、正当な理由なく使用されておらず(登録後使用の実績があっても、使用を中止してから5年以上経過した場合を含む)、商標権者が取消請求日から少なくとも3カ月前までに使用を開始又は再開しなかった場合に、第三者の取消請求に基づき、登録を取消すことができる。

 

(2) 不使用による取消請求の流れ

(i) 取消請求(不使用の立証)

 最初に、第三者(請求人)によって登録商標の「不使用」が立証される必要がある。第三者は、自ら調査した資料を関係当局(商務省(Ministry of Trade)の管轄下にあるInformation Center)に提出して、問題の商標の使用又は不使用についての当局の見解を求める必要がある。不使用取消の請求には、この見解書を不使用の証拠として提出しなければならない。

 当該見解書が使用を肯定する場合、実際的には、不使用取消請求はなされないものとなるであろうが、請求が禁止されるものではない。関係当局の見解に反論することはできないが、使用が商標法上の使用に該当しない等、何らかの理由があれば、不使用取消は請求することができる。

 なお、後述の通り、NOIPは、不使用取消請求時に提出された証拠資料に基づき審査を行うが、関係当局の見解が肯定的なものであろうと否定的なものであろうと、拘束されない。

 

(ii) 商標権者への通知、答弁

 取消請求を受領したNOIPは、商標権者にその旨を通知して答弁の機会を与える。商標権者は、取消を免れるために商標を使用していることを証明する必要がある。

 商標権者の答弁に対して、請求人は弁駁することができる。

 

(iii) NOIPによる決定

 NOIPは、提出された資料、両者の主張を審理し、取消すか否かの決定を行う。

 登録商標の取消決定は、決定日から2カ月以内に公報に公告される(知的財産法施行規則第28条第1項)。

 不使用を理由として登録が取り消された場合、取消は、5年の不使用期間が経過した翌日から効力を生じる(同第2項(c))。

 NOIPの決定に不服の場合は、上告することができる。

 

(3) 登録商標の「使用」について

 広告における商標の使用は、それが取引を目的とし、単に登録取消を回避する目的でなければ、適正な「使用」とみなされる(知的財産法124条5項(b))。

 関連会社による使用も、適正な「使用」とみなされる。

 「使用」は必ずしも相当な量の使用である必要はなく、使用の事実があれば良い。

 さらに、使用商標が登録商標と異なるものでも、商標の同一性を保っており、登録商標の特徴を実質的に変更するものでなければ、登録商標の使用と認められる。

 

【留意事項】

  • 5年以上商標が使用されていない場合であっても、取消請求日の少なくとも3カ月前の時点までに商標の使用を開始又は再開すれば、取消原因は解消される。
  • 商標の一部取消も可能である。
■ソース
・ベトナム知的財産法
・ベトナム知的財産法施行規則
■本文書の作成者
辻本法律特許事務所
INVENCO Vietnam International Law Firm
■協力
一般財団法人比較法研究センター 不藤真麻
■本文書の作成時期

2014.01.16

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