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(台湾)専利審査・無効審判、訴願中の第三者による閲覧について

2013年06月11日

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■概要
(本記事は、2019/1/22に更新しています。)
 URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/judgment/16444/

第三者が専利審査・無効審判に関するファイルを閲覧しようとする場合、原則として公開された資料しか閲覧することができず、利害関係人であれば公開されていない資料を閲覧できる。行政不服(中国語「訴願」)については、訴願請求人の同意・訴願受理機関の許可を得た者、又は利害関係人が、関連ファイルを閲覧することができる。なお、第三者が既に開示された専利出願案の情報を検索したいときは、台湾特許庁の「E網通」ウェブサイトで検索することができる。
■詳細及び留意点

【詳細】

(1)第三者による専利審査あるいは無効審判のファイルの閲覧について

(i)請求人と閲覧できる資料

(a)  一般的な第三者(専利閲覧規則(中国語「専利閲覧作業要點」)第2点)

誰でも閲覧できる情報は下記の通りである。

・  開示された特許出願案件。

・  公告された特許、実用新案又は意匠の案件。

・  取下げられた案件、受理されなかった案件、審決済みの異議申立案件、無効審判案件、訂正請求案件、特許権期間延長案件又は強制実施案件。

・  取下げられた実用新案技術評価書の案件、受理されなかった実用新案技術評価書の案件、又はすでに作成された実用新案技術評価書。

 

(b)  利害関係のある第三者(専利閲覧規則第4点)

係争専利権に対し、その権利あるいは法律上の利益を有する関係者(例えば専利の出願人が実際の発明者でなく、真正の発明者が閲覧請求をする場合)が閲覧できる資料は、上述のような一般的な第三者が閲覧できる資料の他、以下の資料がある。

・  審査中の訂正請求案件、無効審判案、特許権期間延長案件、強制実施案件、又は実用新案技術評価書請求案件。

・  無効審判請求人は当該無効審判案件のすべてのファイルを閲覧請求することができる。

・  利害関係者は鑑定人又は代理人(専利師及び専利代理人に限らない)に依頼して閲覧請求することができる。

 

(ii)請求手続き(専利閲覧規則第8点)

(a)  一般的な第三者

一般的な手続き:閲覧を請求する際に、閲覧請求書に閲覧内容及び趣旨を記載しなければならない。

・  特許庁E網通ウェブサイト(http://tiponet.tipo.gov.tw/TipoMenu/)で検索する。検索できる範囲は、2011年3月1日以降に公開され、第1回目の審査意見書(審査意見通知書及び核特許査定通知を含む)が出されていないすべての特許出願案件。

(特許庁のお知らせ:

http://www.tipo.gov.tw/ch/News_NewsContent.aspx?NewsID=5106

・  オンラインで閲覧できる具体的な項目

請求書の電子ファイル、明細書の補正、図面、補正請求理由書、応答意見書、訂正請求理由書、再審査請求理由書、分割請求理由書、変更理由書、最初の外国語明細書、特許庁公文書の控え又は添付された映像ファイル(検索報告なども含まれる)。

・  開示された専利情報を日本語で検索できる(閲覧できるデータは中国語)。

特許庁E網通、開示された専利情報の検索(https://tiponet.tipo.gov.tw/S090/UC090-C06/InquiryPatentCaseCensorInfo.do

(b)  利害関係のある第三者(専利閲覧規則第8点)

・ 利害関係者は、閲覧請求書に閲覧請求できる法律上の利益を釈明し、関連証明資料のコピーを添付しなければならない。

・  現在、特許庁のE網通ウェブサイトで提供されている情報は、一般の第三者が閲覧できるものであり、これには応答意見書等がある。利害関係を有する第三者が、非公開の書類、即ち一般の第三者に開放されていない書類を取り寄せたいときは、書面をもって台湾特許庁に請求しなければならない。

(c)  閲覧請求時に注意すべき事項及び閲覧規則(専利閲覧規則第8、9、10点)

・ 閲覧請求に形式的なフォームに該当しない場合、または不備がある場合、特許庁は7日内に補正するよう請求人に通知しなければならない。補正できない場合や、期限を過ぎても補正しない場合は直ちに却下することができる。

・  特許庁は閲覧請求を受理後10日内に決定を下し、請求人に通知しなければならない。なお、必要である場合はこれを延長することができるが、延長期間は10日を過ぎてはならない。特許庁が閲覧を許可したときは、合わせて閲覧の期日及び場所を指定する。

・  閲覧は指定された場所でしなければならず、閲覧場所からファイルを持ち出すことはできない。

・  専利案件が電子ファイルによって保存されている場合、原則として映像ファイルまたは複製品を閲覧させる。

 

(iii)閲覧できないもの(専利閲覧規則第7点、行政手続法(中国語「行政程序法」)第46条)

  • 他人の営業秘密又はプライバシーに関係するもの。
  • 特許庁内部文書、内部の稟議書、書簡の原稿、意見あるいはその他の下準備における文書。但し特許庁の同意を得て提供する場合は、この限りでない。
  • 国防上、軍事上、外交及び一般的な公務上の機密に係わり、法律により機密保持しなくてはならない事項。
  • 行政手続法第46条第2項(処分が下される前のドラフト又はその他の下準備における文書、プライバシー、職務上の秘密、営業秘密、法律により機密保持の必要のある事項、第三者の権利を侵害する恐れがあるもの等)、政府情報公開法(中国語「政府資訊公開法」)第18条第1項、あるいはファイル法(中国語「檔案法」)第18条各号規定の状況。

 

(iv)請求に要する期間(専利閲覧規則第9点)

特許庁は、閲覧請求の受理後10日以内に決定を下す。必要である場合これを延長できるが、遅くとも請求後20日以内には決定がなされる。

 

(2)専利案の訴願手続きにおける第三者の閲覧について

(i)請求人の資格と閲覧できる資料(経済部訴願案件閲覧規則(中国語「經濟部訴願案件閲覧作業要點」)第3点)

(a)  一般第三者

訴願請求人の同意を得て、且つ訴願受理機関の許可を得た者は、訴願受理機関に閲覧、謄写、コピー又はファイルの文書を撮影することができ、政府料金を先に納付した場合は副本、控えまたは謄本を請求することができる。

 

(b)  利益利害関係のある第三者

・ 第三者は閲覧請求できる法律上の利益を釈明し、訴願受理機関の許可を得た場合、訴願受理機関に閲覧、謄写、コピー又はファイルの文書の撮影をすることができ、政府料金を先に納付した場合は副本、控えまたは謄本を請求することができる。

・  第三者である無効審判請求人が訴願委員会により訴願参加人とされ、その通知を受けたものは、訴願参加人として申請することができ、訴願受理機関の許可を得た場合は、訴願受理機関に閲覧、謄写、コピー又はファイルの文書の撮影をすることができ、政府料金を先に納付した場合は副本、控えまたは謄本を請求することができる。

 

(ii)請求のプロセス及び留意事項(經済部訴願案件閲覧規則第4、5点)

  • 閲覧請求する際は請求書をもって、案件毎に經済部に請求しなければならない。請求書には、請求事項、請求人の氏名、住所、電話番号、本件との関係、訴願人の氏名、要旨、案件番号等事項を記載しなければならない。
  • 第三者が請求する際は、訴願人の同意を得た証明、あるいは法律上利害関係があることを釈明する文書を添付しなければならない。
  • 經済部は、閲覧請求の受理後10日内に閲覧期日及び場所を指定し、請求人及びと案件の担当者に通知する。ファイルと証拠の準備が整っていないとき、又はその他正当な理由があるときは、ファイルと証拠の準備が整った後に改めて期日を指定し、当該事由を請求人に通知するものとする。

 

(iii)閲覧できないもの(經済部訴願案件閲覧規則第8点)

  • 訴願裁決のドラフト。
  • 訴願裁決の準備あるいは審議の資料。
  • 第三者の正当な権益を守るために機密保持される必要があるもの。
  • 法律または公益により,機密保持される必要があるもの。

 

(iv)請求に要する期間(經済部訴願案件閲覧規則第5点)

經済部は、閲覧請求の受理後10日以内に許可するか否かの決定を下す。但しファイルと証拠の準備が整っていないとき、又はその他正当な理由があるときは、改めて新たな場所と期日を指定するものとする。

 

【留意事項】

(1)  台湾の特許出願又は実用新案登録出願の審査手続きにおける往復書類を閲覧したい場合は(特許の場合は、2011年3月以降に公開されたもので、第1回目の審査意見書が出 されないものに限られる。実用新案の場合は、2012年5月以降に公告されたものに限られる)、台湾特許庁E網通で検索することが可能である。

現在、日本語バージョンも提供されている。

台湾特許庁E網通

https://tiponet.tipo.gov.tw/S090/UC090-C06/InquiryPatentCaseCensorInfo.do

 にアクセス後、下記画面の赤丸部分において日本語を選択すると、日本語で検索することができる。

検索画面

(2)  上記のウェブサイトで閲覧できない書類、例えば2011年3月以降に公開され、既に第1回目の審査意見書が出された特許出願については、書面をもって台湾特許庁に閲覧の請求をしなければならない。

■本文書の作成者
聖島国際特許法律事務所
■協力
一般財団法人比較法研究センター
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