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中国最高人民法院の判決の調べ方
2013年01月08日
■概要
(本記事は、2017/8/10、2020/6/30に更新しています。)URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/precedent/13981/(2017/8/10)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/precedent/19272/(2020/6/30)
中国最高人民法院の判決を調べるにはいくつか方法はあるが、いずれも十分とはいえないので、様々な方法により調査する必要がある。最高人民法院の判決を含め、全国の人民法院が下した判決が掲載されている中国最高人民法院内にある中国知識産権裁判文書ネット(http://ipr.court.gov.cn)や、その他の無料・有料のインターネット・サービスを利用することが考えられる。
■詳細及び留意点
中国最高人民法院の判決を調べるにはいくつか方法があるが、いずれも完全ではないので、様々な方法により調査する必要がある。以下は、比較的よく利用される代表的サイトの一例である。
(1)「中国知識産権裁判文書(中国知识产权裁判文书网)」サイト(http://ipr.court.gov.cn/)
直接http://ipr.court.gov.cn/へアクセスするか、あるいは最高人民法院のトップページ(http://www.court.gov.cn/)から「裁判文书(裁判文書)」の箇所の「更多(続きを見る)」をクリックすると当該サイトが表示される。当該サイトの使い方の詳細な説明は別コンテンツ「判例の調べ方―最高人民法院・中国知識産権裁判文書網」参照。
このサイトは最高人民法院が管理している無料のサイトで、最高人民法院の判決だけでなく、地方人民法院が出した知財事件の判決文も掲載されている。ただ、全ての判決が掲載されるわけではなく、未掲載の判決の方が多いと言われている。
(2)「中国法院網」サイト(http://www.chinacourt.org/paper.shtml)
人民法院報(新聞出版社)により管理・運営されている無料のサイトで、最高人民法院の判決を含む人民法院による知財判決を調査することが可能である。「文書検索」画面の「審理法院」欄にキーワードとして「最高人民法院」と入力すれば、最高人民法院の判決だけが表示される。ただし、対象は知財だけでなく、普通の民事事件、刑事事件、行政事件の判決も含まれている。民事判決を検索する際に、特許、商標、著作権、不正競争どの分類があっても、検索結果は選択した分類に限られないので、多少不便である。
(3)法律図書館「裁判文書」サイト(http://www.law-lib.com/cpws/)
法律図書館は杭州法図網絡科技有限公司が運営する総合的法律専門サイトである。最高人民法院を含む人民法院が出した判決の検索が可能であるが、最高人民法院の知財判決に絞った検索ができないうえ、キーワードの検索対象がタイトルに限られるため、十分な検索ができないことがある。
(4)その他
最高人民法院を含む人民法院が出した判決の検索が可能な有料のサービスとして、北大英華公司と北大法制信息中心が共同創立したサイトの、北大法律信息網「司法案例」サイト(http://vip.chinalawinfo.com/case/)、北京汇法正信科技有限公司が運営する汇法網(http://www.lawxp.com/)、北京大学が出資する北京法意科技有限公司が運営する北大法意(http://www.lawyee.org/)等のサイトがある。
なお、含まれている判決は最高人民法院のものに限られないが、中国における重要な判例の検索に際しては、最高人民法院が毎年3月頃に発表する「知的財産権に関する10の重大案件及び50の典型的案件」に掲載された判決番号を参考にして検索できる。
■ソース
・北大法律信息網「司法案件」サイトの使い方http://vip.chinalawinfo.com/Case/Help/index.htm ・「汇法網」サイトの使い方
http://www.lawxp.com/wl/help/ProductIntroduction.aspx
・知的財産権に関する10の重大案件及び50の典型的案件(中国語「中国法院知识产权司法保护十大案件和五十个典型案例」
2011年版(下記サイトの最下部「1.法办2012-91.doc」をクリック)
http://www.court.gov.cn/xwzx/xwfbh/twzb/201204/t20120417_176016.htm
■本文書の作成者
一般財団法人比較法研究センター 菊本千秋■協力
北京林達劉知識産権代理事務所三協国際特許事務所 中国専利代理人 梁煕艶
■本文書の作成時期
2012.10.22