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インドネシアにおける特許・簡易特許(実用新案)公報のアクセス方法
2021年01月19日
■概要
(本記事は、2021/4/27、2023/2/28に更新しています。)URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/etc/19759/(2021.4.27)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/etc/33844/(2023.2.28)
インドネシア知的財産総局(Director General of Intellectual Property: DGIP)が提供するデータベースにおいて、インドネシア特許・簡易特許の検索が可能である。特許公報は、DGIPのウェブサイトから入手可能である。なお、簡易特許とは、実体審査を経ずに登録される実用新案のような権利である。出願日から権利満了までの期間は10年である。
■詳細及び留意点
- DGIPの提供するデータベースでの特許検索
(1) DGIPのウェブサイト(http://www.dgip.go.id/)へアクセスし(図1)、上部中央の「e-PENELUSURAN KI」という表示からプルダウンメニューの最上部の「Pangkalan Data KI Indonesia」をクリックすると、データベース(PDKI)のトップページに移動する。右上の「ENGLISH」を選択してウェブサイト表記を英語に変更後、「IPR e-SEARCHING」からプルダウンメニューの「Indonesia IP Database」を選択してもよい。
図1:DGIPのウェブサイト(トップページ)
(2) データベース(https://pdki-indonesia.dgip.go.id/)に移動すると、Google ChromeまたはMicrosoft Edgeを用いてアクセスしている場合、図2のトップページが表示される。
Internet Explorerを用いてアクセスしている場合、Paten(特許)、Merek(商標)、Desain Industri(意匠)、Hak Cipta(著作権)およびIndikasi Geografis(地理的表示)の5種類の詳細検索画面が上から並び、下までウェブページをスクロールすると最後に以下のページが表示されるため、検索の度にウェブページを下までスクロールする必要がある。
以下では、Google ChromeまたはMicrosoft Edgeを用いた場合について説明する。
図2:PDKIウェブサイト(トップページ)
(3) 簡易検索
出願番号(完全一致)或いは発明の名称または要約書中の文字列に含まれる単語は簡易検索可能である。中央右の「▼」のプルダウンメニューが「Paten」(特許)となっていることを確認し、左横の空欄に番号または文字列を入力すると検索結果が得られる。AND検索も可能である。発明の名称はインドネシア語だが、要約書は大半の案件でインドネシア語に加えて英語が存在し、英語入力で要約書中の文字列が検索可能である。
(4) 詳細検索
トップページの簡易検索欄の下に、黄色でハイライトされた矢印とともに「Pencarian Terstruktur Paten」と表示されることを確認後、クリックすると、詳細検索画面がポップアップ表示される(図3)。
図3:特許詳細検索画面
検索条件を指定可能な項目は、次のとおりである。①~④のうち複数を組み合わせた検索も概ね可能である。黄色く示されたクリアボタンは作動しないため、入力内容を手作業で削除し、新たな検索項目を入力する必要がある。
①番号検索:いずれもデータベースに登録されている番号と完全一致の場合にのみ検索可能である。先頭のアルファベット、複数続くゼロやハイフンの省略も不可である。
1-1: 出願番号
1-2: 登録番号
1-3: 公開番号
1-4: IPC
1-5: 優先権の基礎となる出願番号
②日付検索:出願年以外は期間検索が可能である。期間の終了日(または開始日)を入力せずとも結果が得られる場合と、両方を入力しないと結果が得られない場合がある。
2-1: 出願年
2-2: 公開日
2-3: 権利開始日
2-4: 出願日
2-5: 付与日
2-6: 登録日
2-7: 権利満了日
③特許情報検索:
3-1: 発明の名称
3-2: 代理人名
3-3: 出願人名
3-4: 発明者名
3-5: 要約書
3-6: 請求項の数
④権利者地域情報検索:いずれもプルダウンで選択する形式である。
4-1: 出願人に関するインドネシアの地域選択
4-2:発明者国籍選択
4-3: 出願人国籍選択
例えば、3-3の出願人名に「Pfizer」と入力し、下記図4の②に示したステータスフィルターで登録案件(「DIBERI」)に絞り込むと以下の結果が得られる。
図4:検索結果(例)
①には、各特許の出願番号、発明の名称(青字)、要約、権利のステータス(グレー部分)が表示される。
②は、ステータスフィルターであり、権利のステータスによる検索結果の絞り込みが可能である。各ステータスは以下のとおりである。
– DIBERI: 登録
– DITARIK KEMBALI: 取下
– DALAM PROSES: 審査中
– BERAKHIR: 権利満了
– DITOLAK: 拒絶
– HAPUS: 取消
③には、検索結果の総数(最上部の「Semua」)、出願人の国籍別の件数が表示される。絞り込みはできない。
④には、特許、商標、意匠、著作権および地理的表示について、データベース内の収録全件数が示される。検索結果とは無関係である。
(5)各特許出願の詳細情報
検索結果のリスト中、特許の部分(図4中①の青字)をクリックすると、各特許出願の詳細を見ることができる。
図5:特許出願情報
表示情報は以下のとおりである。
①登録番号および登録日(日付け欄が黄色の場合、出願番号と出願日)
②発明の名称
③ステータス
④公開番号
⑤公開日
⑥出願番号
⑦出願日
⑧権利開始日
⑨権利満了日
⑩請求項の数
⑪審査官名
⑫公報へのリンクのように見えるが、作動しない。
⑬要約書
⑭優先権情報(優先権の基礎となる出願番号、出願日、優先権主張国)
⑮IPC
⑯出願人情報(出願人名、住所、国籍)
⑰発明者情報(発明者名、住所、国籍)
⑱年金情報(最終納付年、納付日、金額)
⑲代理人情報(代理人名、住所、国籍)
- 特許公報の入手
DGIPウェブサイトトップページ(英語表記)(図6)から、「Gazette of Intellectual Property」をクリックすると、知財公報入手画面が表示される(図7)。
図6: DGIPの英語版ウェブサイト(トップページ)
図7: 知財公報入手画面(トップページ)
「Patent Gazette/Simple Patent Gazette(特許/簡易特許公報)」をクリックすると特許公報入手画面(図8)が表示され、2016年からの特許公報が入手可能である。
図8: 特許公報入手画面
公報は、特許公報(「Berita Resmi Paten」)と、簡易特許公報(「Berita Resmi Paten Sederhana」)に分かれている。
■ソース
・DGIPhttp://www.dgip.go.id/ ・DGIPが提供するPDKI
https://pdki-indonesia.dgip.go.id/
■本文書の作成者
TMI Associates (Singapore) LLP■協力
日本国際知的財産保護協会■本文書の作成時期
2019.11.20