アジア / その他参考情報
台湾における商標公報のアクセス方法
2020年11月17日
■概要
(2024年6月7日訂正:本記事のソースの「台湾経済部智慧財産局」のURLを修正いたしました。)
台湾の商標公報へのアクセスは、台湾経済部智慧財産局(Taiwan Intellectual Property Office:TIPO、日本特許庁に相当)が構築しているデーターベース(商標検索システム)を利用することができ、誰でも無料で利用可能である。TIPOは2017年7月14日から、ユーザーフレンドリーなより使いやすいインターフェースを導入し、新しい商標検索システムを公開した。
■詳細及び留意点
(1)台湾経済部智慧財産局のウェブサイトhttps://www.tipo.gov.tw/tw/mp-1.htmlにアクセスすると図1の画面が表示される。
図1
(2)図2の画面の右上方のインデックス記号をクリックする。
図2
(3)図3の画面の「検索系統」をクリックする。
図3
(4)図4の画面の「商標資料検索」をクリックすると図5に示す「商標検索系統トップページ」が表示される。
図4
(5)図5の画面には「文字近似検索(類似する文字商標の検索)」の画面が表示される。「申請人及案號查詢(出願人および案件番号照会)」をクリックする。
図5
なお、台湾の商標審査実務では、出願の際、電子出願および書面(紙)による出願(持参または郵送)のどちらも認められている。電子出願の場合、出願日から約4営業日以降に、当該出願の出願日、出願番号を検索することができるが、詳細(指定商品、役務など)は、出願日から約14営業日以降に検索可能となる。
一方、書面(紙)による出願の場合、出願日から約10営業日以降に、当該出願の出願日、出願番号を検索することができるが、詳細(指定商品、役務など)は、出願日から約40営業日以降に検索可能となる。
(6)図6の画面にテキストボックスに出願人の名称や案件番号を入力すると、検索結果が表示される。
入力項目および検索結果の表示項目は、次のとおりである。
図6の画面上方、入力項目の黄色い線で囲まれている箇所「商標種類(商標の種類)」は、左から「全部」、「商標」、「證明標章(証明標章)」、「團體標章(団体標章)」、「團體商標(団体商標)」である。
図6の画面下方、検索結果の表示項目において、「申請案號(出願番号)」、「註冊/審定號(登録/査定番号)」、「商標種類(商標の種類)」、「商品類別(商品区分)」、「註冊公告日期(巻期)(登録公告日(公報のシリアルナンバー))」、「商標名稱(商標名称)」、「商標圖樣(商標図面)」、「専用期限(存続期間満了日)」、「申請人中文名稱(出願人の中文名)」が初期設定でチェックされているが、表示したい項目を選択することができる。
図6
検索結果の表示項目は左から、
<1列目>「申請案號(出願番号)」、「註冊/審定號(登録/査定番号)」、「正註冊/審定號(正登録/査定番号)」、「原分割申請號(分割の親出願番号)」、「申請日(出願日)」、
<2列目>「優先權日/首次申請國(地區)(優先権日/基礎出願国)」、「展覽會優先權日/展覽會名稱(展覧会優先権日/展覧会名称)」、「商標種類(商標の種類)」、
<3列目>「商品類別(商品区分)」、「註冊公告日(卷期)(登録公告日(公報のシリアルナンバー))」、「審定公告日(卷期)(査定公告日(公報のシリアルナンバー))」、「商標名稱(商標名称)」、「商標圖樣(商標図面)」、
<4列目>「專用期限(含無效撤銷原因)(権利存続期間満了日(無効となる原因を含む))」、「專用期間(含無效撤銷原因)(権利存続期間(無効となる原因を含む))」、「撤銷公告日(卷期)(取り消し公告日(公報のシリアルナンバー))」、
<5列目>「申請人中文名稱(出願人の中文名)」、「國籍(国籍)」、「申請人中文地址(出願人の中文住所)」、「代理人」である。
(7)入力例として検索項目および検索条件として➊➋を入力して、検索した場合を説明する(図7)。
図7
商標種類(商標の種類):検索システムにおいて、「全部」(商標、証明標章、団体標章、団体商標を含む)が初期設定で選択されている。
➊入力項目:「申請人中文名稱(出願人の中文名)」のテキストボックスに「理律」と入力する。
➋検索條件:「字串相同(中間一致)」を選択する。
※検索條件のプルダウンメニューを開くと、「完全相同(完全一致)」、「字首相同(前方一致)」、「字串相同(中間一致)」、「字尾相同(後方一致)」という選択肢が表示される。
➌検索開始:メニュー最下部の「査詢(検索)」ボタンをクリックする。
※入力を取り消したい場合は、「清除條件(条件クリア)」をクリックする。
(8)図8の画面に既に登録されている商標の一覧「結果簡表(結果一覧表)」が表示される。
結果表示のメニュー(画面上方の黄色い線で囲まれている箇所)には、左から「匯出Excel(Excel形式で保存)」、「結果簡表(結果一覧表)」、「結果詳表(詳細を表示)」、「影像顯示(画像表示)」、「註記簡表(概要チェック)」、「註記詳表(詳細チェック)」、「預覽列印(印刷プレビュー)」、「列印說明(印刷の説明)」という選択肢がある。検索システムの初期設定では、「結果簡表(結果一覧表)」が選択されている。
なお、一覧表(画面上方の赤い線で囲まれている箇所)は、左から、「註記*1(チェックボックス)」、「次序(検索順)」、「申請案號(出願番号)」、「註冊/審定號(登録番号)」、「商標圖樣(商標図面)」、「商標名稱(商標名称)」、「商品類別(商品区分)」、「商標種類(商標の種類)」、「申請人中文名稱(出願人の中文名)」、「註冊公告日期(登録公告日)」、「專用期限(存続期間満了日)」となっている。
*1:チェックボックスを利用して、チェックしたものだけのリストや詳細を表示させることができる。
図8に示すように、検索結果として4件の登録商標が検出されたことが分かる。
「顯示案由(検索結果の表示)」は「新申請案(有效)(新規出願(有効))」、「新申請案(無效)(新規出願(無効))」、「註冊案(有效)(登録商標(有効))」、「註冊案(無效)(登録商標(無効))」、「核駁案(拒絶査定案件)」が初期設定で選択されている。
図8
また、各商標の背景の色から現状が分かる。図9の画面のように、(A)出願中の商標(分割された子出願を含む)はブルーで、(B)分割の商標(親出願)はグリーンで、(C)登録済の商標はピンクで、(D)拒絶確定の商標はオレンジで表示される。
図9
(9)一覧の中から商標公報を取得したい場合、以下(a)(b)のいずれかの手順で公報を入手することができる。例として登録第1317232号の商標公報を取得する。
(a)ステップ1
図10の画面の商標の「商標圖樣」(商標図案)をクリックすると、別ウィンドウで商標公報のページが表示される。
図10
(a)ステップ2
図11の画面は商標公報ページである。図12に公報の詳細を示す。
図11
図12
商標公報に示される情報の項目
(A)上から「註冊/審定號(登録/査定番号)」、「申請案號(出願番号)」、「註冊日期(登録日)」、註冊公告日期(巻期)(登録公告日(公報のシリアルナンバー))、「優先権日及首次申請國(優先日及び基礎出願国)」
(B)上から「正商標註冊/査定號(基本登録/査定番号)」、「申請日期(出願日)」、「専用期限(権利存続満了日)」、「審定公告日期(卷期)(査定公告日(公報のシリアルナンバー))」、「展覽會優先権日及展覽會名稱(展覧会優先日および展覽會名称)」
(C)※日付/時間:2020年1月8日PM 05:25
(D)上から「商標/標章權人(商標権者)※代理人がある場合、代理人情報も表示される)」、「商標名稱(商標名称)」、「商標態樣/圖樣顏色(商標図面/色)」、「圖樣中文(図面にある中国語)」、「圖樣英文(図面にある英語)」、「圖樣日文(図面にある日本語)」、「圖樣記號(図面にある記号)」、「聲明不專用(権利不要求)」、「商標圖樣描述(商標図形に関する記述)」、「説明文字内容(文字に関する説明)」
(E)「商標図面」
(F)「類別(区分)」、「商品/服務名稱(商品/役務名称)」、「類似組群(類似群コード)」
(G)左から「目前在案狀況(現在の案件状況)」、「評定(無効審判)」、「異議(異議申立)」、「報撤(職権による取消)」、「提評(職権による商標の無効審判の提起)」、「撤銷廢止(取消)」、「再授權(再使用許諾)」、「授權(使用許諾)」、「延展(更新登録)」、「移轉(譲渡)」、「禁止處分(禁止処分)」、「設定質權(質権設定)」、「變更(変更)」「舉發*2(専利の無効審判)」
*2:専利に関するもので、商標には関係ない。
(b)ステップ1
「商標圖樣」(商標図面)以外の項目をクリックする場合、例えば図13のように「註冊/審定號(登録/査定番号)」をクリックする。
図13
(b)ステップ2
別ウィンドウで「商標單筆詳細報表」(個別案件の詳細表示)が表示される。出願からのタイムラインが表示され、現在のステータス・更新登録期間・案件履歴などを一目で確認することができる。図14は「商標單筆詳細報表」(個別案件の詳細表示)のスクリーンショットである。
図14
(b)ステップ3
図15に示す「商標單筆詳細報表(個別案件の詳細表示)」画面の右上方の「報表列印(公報のプリントアウト)」をクリックする。
図15
(b)ステップ4
商標公報のページが表示される(上記(a)ステップ2と同様の図11の画面が表示される)。
■ソース
・台湾経済部智慧財産局https://www.tipo.gov.tw/tw/mp-1.html
■本文書の作成者
理律法律事務所(Lee and Li, Attorneys-at-Law)■協力
日本国際知的財産保護協会■本文書の作成時期
2020.1.10