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中国最高人民法院の判決の調べ方
2020年06月30日
■概要
(本記事は、2024/2/29に更新しています。)URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/precedent/38358/
中国最高人民法院の判決を調べるにはいくつかの方法がある。以下に比較的よく利用されている代表的なサイトを紹介する。いずれのサイトも検索範囲に限りがあるため、様々な方法により調査する必要がある。
■詳細及び留意点
中国最高人民法院の判決を調べるにはいくつかの方法がある。以下に比較的よく利用されている代表的なサイトを紹介する。
(1)「中国裁判文書(中国裁判文书网)」サイト(図1)(https://wenshu.court.gov.cn/)
このサイトは最高人民法院が管理している無料のサイトで、最高人民法院の判決だけでなく、地方人民法院が出した知的財産に関する事件の判決も掲載されている。ただし、知的財産に関する全ての事件の判決が掲載されているわけではない。
サイトへアクセスして「民事案件」をクリックする。図2に示す画面の左側の「事由(案由)」欄で「知的財産権と競争紛争(知识产权与竞争纠纷)」を、「裁判所の級別(法院层级)」欄で「最高法院」を選択すると、最高人民法院の知的財産に関する判決を検索することができる。
図1
図2
(2)「無訟(无讼)」サイト(図3)(https://www.itslaw.com/bj)
無訟サイトは無訟網絡科技(北京)有限公司が運営する法律、判決検索専門サイトである。含まれている判決は最高人民法院のものに限らず、検索条件の設定により、希望する判決を検索することができ、よく利用されている無料サイトである。
サイトにアクセスして、検索欄に中国語(簡体字)でキーワード(例えば、訴訟当事者名等)を入力した後、「検索開始(开始检索)」をクリックすると、キーワードを含んだ判決が検出される。図4に示すキーワードの検出結果画面の左側に「事由(案由)」、「地域」、「裁判年度(裁判年份)」、「裁判所級別(法院层级)」等のガイド欄が表示される。「事由(案由)」欄で、「民事」をクリックし、さらにその中の「知識産権と競争紛争(知识产权与竞争纠纷)」を選択し、「裁判所級別(法院层级)」で「最高裁判所(最高人民法院)」を選択すると、最高人民法院の知的財産に関する判決を検索することができる。なお、個別の判決文の詳細をダウンロードするためにはあらかじめ利用者登録が必要である。
図3
図4
(3)法律図書館「裁判文書」サイト(図5)(http://www.law-lib.com/cpws/)
サイトにアクセスして、右側の「裁判文書タイトル(裁判文书题目)」にキーワードを入力し、「裁判文書単位(裁判文书单位)」に「最高人民法院」を入力した後、「検索」ボタンをクリックすると、最高人民法院の判決を検索することができる。
法律図書館は杭州法図網絡科技有限公司が運営する総合的法律専門サイトである。最高人民法院を含む人民法院が出した判決の検索が可能であるが、最高人民法院の知的財産に関する判決に絞った検索ができない。また、キーワードの検索対象がタイトルに限られるため、十分な検索ができないことがある。
図5
(4)その他
最高人民法院を含む人民法院が出した判決の検索が可能な有料のサービスとして、北大英華公司と北大法制信息中心が共同創立したサイトの、北大法律信息網「司法案例」サイト(https://www.pkulaw.com/case/)、北京汇法正信科技有限公司が運営する汇法網(http://www.lawxp.com/)、北京大学が出資する北京法意科技有限公司が運営する北大法意(http://www.lawyee.org/)等のサイトがある。
また、中国における重要な判決を調べる場合は、最高人民法院が毎年4月頃に発表する「知的財産権に関する10の重大案件及び50の典型的案件」(https://www.court.gov.cn/zixun-xiangqing-153252.html)に掲載された判決番号を参考に検索することができる。
■ソース
・北大法律信息網「司法案件」サイトの使い方http://vip.chinalawinfo.com/Case/Help/index.htm ・「汇法網」サイトの使い方
http://www.lawxp.com/wl/help/ProductIntroduction.aspx ・「2018年知的財産権に関する10の重大案件及び50の典型的案件」(中国語「2018年中国法院10大知识产权案件和50件典型知识产权案例」)
http://www.court.gov.cn/zixun-xiangqing-153252.html
■本文書の作成者
北京林達劉知識産権代理事務所■協力
日本国際知的財産保護協会■本文書の作成時期
2020.01.20