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トルコにおける商号の保護

2019年11月28日

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  • 商標

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■概要
トルコでは、商号の保護は、2012年7月1日に施行されたトルコ商法第6102号(以下、「商法」)で規定されている。
産業財産法(法律第6769号。以下、「産業財産法」)によると、商号の権利保有者が商号を商標登録していなくても、登録出願が行われた商標が他人の商号を含む場合、権利所有者の異議申立により、出願は拒絶される。
■詳細及び留意点

<商法における商号>

 トルコの法律において、商号は商法で規定されている。

 

 商法によれば、本社がある場所の商業登記に登記されている者が商号保有者としての保護を受ける。商号は、ある事業を他の事業から識別するのに役立つものであり、商法第39条第1項によると、各商人は、事業に関する業務を商号により行い、事業に関する証書その他の書類には、商号とともに署名する必要がある。

 

 各商人は、事業が開始された日から15日以内に、事業および選択した商号を本社所在地の商業登記に登記および公告する(商法第40条第1項)。

 

 商号は本社所在地の商業登記に登記および公告され、適法に登記および公告された商号の使用権は、その登記された商人に属する(商法第50条)。

 

 登記された商号が、商業上の公正さに反して他人に使用された場合、権利所有者は、使用中止、将来の使用の禁止、不当な商号登記についてはその登記の変更または削除、侵害の結果である重大な状況の除去、設備および関連商品の破棄が必要な場合にはそれらの破棄、損害がある場合は、過失の重さにより金銭的および非金銭的損害賠償を請求することができる(商法第52条)。

 金銭的損害賠償として裁判所は、侵害の結果、新会社が取得することが可能であると考えられる利益相当額を決定することができる。また、裁判所は勝訴した当事者の要求により、不利な判決が下された者の費用で、判決を新聞に掲載することを決定することもできる。

 

 本社所在地の商業登記に登記されていない商号は、商法第54条から第63条で規定されている不正競争に関する規定によって保護されうる。しかし、不正競争に関する規定が商号所有者に認められる保護範囲は、より狭いものとなっている。

 

<産業財産法における商号>

 商号は、商人が事業に関する仕事および業務を行う際に使用する名称である一方で、商標は、事業の商品および役務を他の事業の商品および役務から識別するのに役立つ識別子といえ、商号と商標は異なる識別性を有する。しかし、商号の商業的使用も問題となりえ、この二分野が相互に関連し、または調整が必要となる状況もありえる。

 

 商標としての登録要件を満たす限りは、商号を商標として登録することは可能である。しかし、商標として登録された商号の商標保護は、基本的に登録された商品または役務に制限される。つまり、商標として登録された商号は、登録された商品および役務の区分ならびにその範囲に含まれる商品または役務について保護される。ただし、これに対する例外として、識別性の高い商標についての保護がある。

 

 さらに、産業財産法第6条第6項によると、登録出願が行われた商標が、他人の有する商号を含む場合、商号の権利保有者の異議申立により出願は拒絶される。これに従って、他人の商号を含むことを理由として商標の登録に異議申立が行われた場合には、その商号が登録された登記簿における事業活動内容と、商標出願が含む指定商品および役務を比較し、商標出願内容が、先行する商号の権利の範囲内に入るかどうかが調査されるものと解される。

 また、産業財産法第7条第3号eによると、商標権者は、登録された商標権を、他人が商号として使用することを禁止することができる。すなわち、商標登録より後の日付で、その商標を含む商号を登記し使用することは商標権の侵害を形成しうる。

■ソース
・トルコ特許商標庁ウェブサイト
http://www.turkpatent.gov.tr/TURKPATENT/
■本文書の作成者
ベーカー&マッケンジー法律事務所
■協力
日本国際知的財産保護協会
■本文書の作成時期
2019.02.18
■関連キーワード
商標   商号   商標法   産業財産権   実務者向け   商法   TR-lm-9999   TR:トルコ   TR-dm-2001  

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