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インドネシアにおける商標登録手続の概要と商標の使用義務

2018年09月18日

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■概要
インドネシアにおける商標登録は、方式審査、異議申立期間、実体審査を経て、出願から約3年半で登録される。存続期間は出願日から10年で、更新登録出願により10年間ごとに更新することができる。登録日からまたはその後の継続する3年間にわたり商業的に商標を使用することが義務付けられており、これを怠ると不使用取消請求の対象となる。製品に商標を付する際には登録番号を表示することが商標法に基づき要求されるが、実務上はこうした表示は行われおらず、番号の不表示に対する罰則も設けられていない。
■詳細及び留意点

 インドネシアにおける商標登録については、以下の法律により規定されている。

 

・商標および地理的表示に関する法律(2016年法律第20号改正 2016年11月25日施行)

・商標登録に関する法務人権大臣規則(2016年第67号 2017年2月1日施行)

 

○商標登録証発行までの流れ

 2016年11月25日施行の商標および地理的表示に関する法律(2016年法律第20号)により、新たに三次元商標、ホログラム商標、音声商標、香り商標などの非伝統的商標の保護とマドリッドプロトコルに基づく国際商標の登録出願が採用されている。また、出願日から認可までの審査期間は9か月と規定されているが、大量の滞貨案件があり実行できてない。

 

 出願はインドネシア知的財産権総局(Directorate General of Intellectual Property Rights : DGPR)商標局のウェブサイトでの電子出願もしくは書面による提出ができる。

 

 出願後、商標局は出願日から15日以内に方式審査を行い、方式に不備があった場合は、30日以内に出願人に出願を差し戻す。これに対し、出願人は2か月以内に応答ができるが、応答しない場合には取下げされたとみなされる。出願が方式審査を通過すると異議申立の為に2か月間公告される。公告から2ヶ月以内であれば、何人も、先行商標との類似や著名商標などの様々な理由に基づき、異議申立を行うことができる。異議申立がない場合、類似商標の有無などに関する実体審査を行う。異議申立があった場合には、出願人は商標局から送付された異議申立書の写しの送達日から2ヵ月以内に、異議申立に対する答弁書を提出することができる。商標局は、答弁書の提出期限から1ヵ月以内に、当該出願の実体審査において、異議申立書および答弁書を審査資料として検討する。

 

 商標局は公告期間の満了日もしくは答弁書提出期限から150日以内に実体審査および登録証の発行または拒絶の通知を行う。

 

 商標権の存続期間は、出願日から10年間で、更新登録出願により10年間ごとに更新することができる。更新登録出願は、存続期間満了の6ヶ月前から、もしくは、割増登録料の納付を条件に満了後6か月以内で行うことができる。更新登録出願は方式審査終了後2か月以内に登録される。

 

○商標登録の使用

 商標は、登録日からまたはその後の継続する3年間にわたり商業的に使用されない場合、当該登録は、第三者による不使用取消請求の対象となる。ただし、商標権者に以下の様な正当な不使用理由がある場合はこの限りでない。

 

・当該商標を付した商品の輸入禁止

・当該商標を付した商品の販売認可に関する禁止

・政府規制による暫定的規制やその他の禁止規制

 

 インドネシアでは、Rマーク「®」やTMマーク等の使用は要求されない。一方、製品上(包装やカタログ等)で商標とともに登録番号を表示することが商標法に基づき要求される。しかし、実務上こうした表示は行われておらず、商標権者に対する法的措置が講じられた事例もない。さらに、この規定に違反した場合の罰則規定も設けられていない。

■ソース
・インドネシア商標法
・インドネシア商標規則
■本文書の作成者
Rouse & Co. International (Indonesia)
■協力
日本技術貿易株式会社
■本文書の作成時期

2018.02.22

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