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中国における特許年金制度の概要

2018年05月15日

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■概要
(本記事は、2022/7/14に更新しています。)
 URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/24077/

中国における専利権(特許権、実用新案権、意匠権)のうち、特許権の権利期間は、出願日(PCT条約に基づく特許出願の場合は国際特許出願日)から20年である。年金は出願が特許査定を受けた時点から発生し、特許登録後の各年の納付期限日は出願応当日である。実用新案権および意匠権の年金制度いずれも、権利期間を除けば特許権のそれとほぼ同様である。権利期間は実用新案権および意匠権はいずれも出願日から10年である。
■詳細及び留意点
  1. 特許権

中国における特許権の権利期間は、出願日(PCT条約に基づく特許出願の場合は国際特許出願日)から20年である。年金は出願が特許査定を受けた時点から発生し、特許登録後の各年の納付期限日は出願応当日である。特許査定が下されると、特許権を登録するための要件として初回の年金納付が求められる。より具体的には、初回年金は特許庁が設定する期限内に登録料および特許証の印刷料と共に納付しなければならず、当該期限内に登録料、印刷料、初回年金のいずれか一つでも納付されなかった場合、特許は登録されない。当該年金は、登録時、すなわち特許権が成立した年の出願応当日から翌年の出願応当日までの1年分の年金として扱われる。なお、出願応当日と特許査定の発行日との関係により、登録時の納付から次回の納付までの期間が異なるが、何年次の年金を登録時に納付するかは特許査定で指定されるため、これに従う必要がある。原則として特許の認可通知発行日が含まれる年次の年金の納付が求められる。

なお、2回目以降の年金は一年ごとに納付される。権利期間を延長できる制度は存在しない。

 

年金の金額は年次が上がるにしたがって増加する。年金は中国国内に在住する者または事業を行う場所を有する者のみが納付することができる。

 

登録後、年金納付期限日までに年金納付がされない場合や納付金額に不足がある場合、中国特許庁よりその旨を知らせる通知が発行される。どちらの場合でも、納付期限日から6ヶ月以内であれば追納が可能である。追納期間中は、所定の年金金額や不足分の金額に加えて、追徴金も同時に納付する必要がある。追徴金は納付期限日から時間が経過するにしたがって増額する。6ヶ月の追納期間を超えて年金納付がされない場合や、追徴金の納付漏れがあった場合、権利は納付すべき期間の最終日から失効とされ、特許庁から失効通知が発行される。ただし、失効通知から2ヶ月以内であれば、権利の回復が可能である。権利回復の際には、当初の年金と追徴金に加え、回復費用も納付する必要がある。回復手続は、失効通知が発行される前であっても可能である。

 

上記の通り、追納期間を超えて年金納付がされなかった場合に特許権は失効するが、権利を放棄したい旨を記した宣誓書を中国特許庁に提出することにより積極的に放棄する手続もある。

 

  1. 実用新案権

実用新案権の年金制度は、権利期間を除けば特許権のそれとほぼ同様である。権利期間は出願日(PCT条約に基づく実用新案登録特許出願の場合は国際実用新案登録出願日)から10年、年金の納付期限日は出願応当日である。年金は実用新案権が査定になってから発生し、登録手続の際に初回の年金納付を行う。特許権と同じく、この初回年金は実用新案権が登録になった年の出願応当日から翌年の出願応当日までの1年分の年金である。当該年金は、中国特許庁が指定する納付期限日までに登録料や実用新案登録証の印刷料と共に納付しなければならない。2回目以降の年金は一年ごとに納付し、権利の延長期間は存在しない。

 

年金は年次が上がるにしたがって増額し、中国国内に在住する者または事業を行う場所を有する者のみが納付することができる。追納制度、回復制度ともに特許権の場合と同様である。

 

  1. 意匠権

意匠権の権利期間は出願日から10年である。年金制度は特許権のそれとほぼ同じであり、年金の納付期限日は出願応当日である。年金は意匠の登録査定時に発生し、意匠登録手続の際に初回の年金を納付する。特許権と同じく、この初回の年金は意匠権が登録された年の出願応当日から翌年の出願応当日までの1年分の年金であり、登録料と意匠登録証の印刷料と共に特許庁が指定する納付期限日までに納付しなければならない。2回目以降の年金は一年ごとに納付し、権利の延長期間は存在しない。

 

年金は年次が上がるにしたがって増額し、中国国内に在住する者または事業を行う場所を有する者のみが納付することができる。追納制度、回復制度ともに特許権と同様である。

■ソース
・中国専利法
■本文書の作成者
日本技術貿易株式会社
■本文書の作成時期

2017.10.31

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