アジア / 審決例・判例
知的財産に関する審決例・判例の概要及び説明を掲載しています。
商標
商標
- 2018.09.18
- 中国における判例の調べ方―上海市高級人民法院ウェブサイト
中国の(知的財産事件を含む)判例検索に有用なウェブサイトとして、上海市高級人民法院のウェブサイトがある。誰でも無料でアクセスできる。
- 2018.09.13
- タイにおける周知商標
タイでは、商標法第8条(10)に従い、タイ商務省(知的財産権局は商務省の管轄)が定める周知商標と同一または混同を生じるほど類似する商標について、当該周知商標がタイで登録されているか否かにかかわらず、登録することはできない。現時点では周知商標としての保護を求める申請、登録制度が機能していないため、新規に周知商標が認定されるのは審判請求、異議申立、商標取消のいずれかの手続き中に審判部が認定する場合に限られる。周知商標の所有者は詐称通用に基づく訴訟を提起することができるが、現状では通常の商標登録を行い、商標権に基づく権利行使が推奨される。 本稿では、タイにおける周知商標について、Satyapon & Partners Ltd. 弁護士・弁理士 Satyapon Sachdecha氏が解説している。
- 2018.09.11
- インドにおける未登録の周知商標の保護
インドにおける周知商標の保護については、インド商標法第11条において規定されており、保護の前提として商標登録が要求されない。しかしながら、外国の周知商標に対する保護を判断するに際して、インド裁判所は、インド国内の消費者に広く認識されていること、国境を超えた名声、波及効果、広範な使用、広告といった様々な要素を考慮して、判決を下している。また、2017年商標規則に従い、商標局は、出願人または所有者が周知商標の認定を求める場合に周知商標を宣言する権限を与えられている。 本稿では、S. S. Rana & Co. パートナー弁護士 Vikrant Rana氏が、インドにおける周知商標の保護に関する法律を紹介するとともに、未登録の周知商標の保護を扱った判例を通じて、周知商標の保護に関するインド裁判所の見解を解説している。
- 2018.09.06
- 台湾における小売役務の保護の現状
台湾では、小売役務を指定役務として商標登録出願を行うことができる。2012年7月より実施されている「小売役務審査基準」により審査がなされる。「小売役務審査基準」において、小売役務とその他の商品および役務との類否判断基準が具体的に示されている。出願人は、自身の商標の使用が商品商標、役務商標、小売役務商標のいずれの使用に該当するかを適切に判断して商標登録出願を行うことが肝要である。小売役務に関する台湾の制度は日本と異なる点があり注意を要する。
- 2018.09.06
- タイにおける商標の重要判例
タイは、主として大陸法の国である。登録官、商標委員会または裁判官は、法律上、最高裁判所の先例に拘束されず、これらを完全に無視することも自由である。登録官および商標委員会が、最高裁の先例を無視することは珍しくない。とはいえ、最高裁判所の判決は無視できない重要な意味を持っており、争点が同一または極めて類似の場合には、下級裁判所は最高裁の先例に従う傾向があるため、注意が必要である。 本稿では、タイにおける商標の重要判例について、Satyapon & Partners Ltd.の弁理士Sukhprem Sachdecha氏が解説している。
- 2018.08.14
- フィリピンにおける商標の重要判例
フィリピン最高裁判所は、混同を生じる商標の類似性の考察において、要部観察と全体観察という2つの判断基準を生み出した。要部観察は商標の要部に焦点を絞り、全体観察は商標を全体として考察する。しかしながら、最高裁は一貫して、実際には絶対的な判断基準は存在しないことを指摘しているため、各事件はその固有の実体的事項に基づいて判断しなければならない。したがって、判例は、明らかに当てはまる場合に限り適用すべきであると言える。 本稿では、フィリピンにおける商標の重要判例について、Federis and Associates Law Officeの弁護士Monica Bugayongが解説している。
- 2018.08.07
- フィリピンにおける物品デザインの商標的保護とトレードドレス
フィリピンにおける物品デザインの商標的保護の観点から、トレードドレスについて考察する。IP法で保護される商標の定義には、「視認可能な標章」と「標章が刻印または表視された商品の容器」までが含まれる。「物品デザイン」(製品デザイン、パッケージおよび外観)がどこまで保護対象となるかについては、いわゆるトレードドレスの商標上の保護範囲の検討が鍵となる。 本稿では、フィリピンにおける物品デザインの商標的保護とトレードドレスについて、Federis and Associates Law Officeの弁護士Amanda Carlota氏が解説している。
- 2018.08.07
- マレーシアにおける物品デザインの商標的保護
マレーシア商標法の定義によれば、商標とは「図案、ブランド、標題、ラベル、チケット、名称、署名、語、文字、数字またはこれらの組合せ」を含む。図形商標または立体商標としての製品デザインは、間違いなくこの広義の包括的な定義に含まれる。実際に商標審査官は、事実上の識別性を証明する使用証拠を提出すれば、立体商標の登録を認めている。最近の判例は、対象商品に関して固有の識別性または事実上の識別性があることを条件として、裁判所が立体商標を商標法に基づく商標として認めていることを示している。 本稿では、マレーシアにおける物品デザインの商標的保護について、Tay & Partnersの弁護士 Lee Lin Li氏とLow Kok Jin氏が解説している。
- 2018.07.05
- タイにおける並行輸入の原則と例外
タイでは、真正商品の並行輸入問題に直接的に対処する商標法の規定は存在しないが、最高裁判決(2000年)に基づき、商標権の国際消尽の原則を認めているため、真正商品の並行輸入および販売は、商標権侵害とはみなされない。しかしながら、最近の最高裁判決(2009年)において、並行輸入業者は、広告材料または商業文書に当該商標を無許可で使用した場合には、顧客吸引力の不正利用とみなされ、不法行為と判示されており、さらに刑法典第272条(1)項に基づく刑事処分の対象となる可能性がある。 本稿では、タイにおける並行輸入の原則と例外について、Satyapon & Partners Ltd.のパートナー弁理士、Sukhprem Sachdecha氏が解説している。
- 2018.07.03
- マレーシアにおける小売役務の保護の現状
ニース国際分類を採用しているマレーシアでは、小売役務に関して使用される商標の保護を望む者は、商標局において当該商標を35類に登録できる。本稿の目的は、判例を引用しつつ、マレーシアにおける小売役務に与えられた商標保護の現状について考察することである。また、マレーシアでフランチャイズ事業を始める際に、遵守すべき商標に関連する規則や実務についても概説する。 本稿では、マレーシアにおける小売役務の保護の現状について、Tay & PartnersのLee Lin Li弁護士が解説している。