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アジア / 審決例・判例


知的財産に関する審決例・判例の概要及び説明を掲載しています。


特許・実用新案

特許・実用新案

2017.07.06
韓国の判例の調べ方

韓国の判例を最も便利に検索できるウェブサイトは、総合法律情報(https://glaw.scourt.go.kr/wsjo/intesrch/sjo022.do)である。地方法院、高等法院、特許法院、大法院等(各々、日本でいう地方裁判所、高等裁判所、知的財産高等裁判所、最高裁判所にあたる)の判例を調べられ、誰でも無料でアクセス可能だが、検索は韓国語による検索のみである。

2017.06.22
インドネシアにおける司法対策実務

「インドネシアの模倣品対策に関する調査」(2016年8月、日本貿易振興機構(JETRO)ジャカルタ事務所)では、インドネシアにおける司法対策実務について、民事措置にかかる手続フロー、民事訴訟手続および刑事訴訟手続の概要と実務上の留意点、商務裁判所における知的財産訴訟に関する統計、特許、意匠ならびに商標に関する主要な判例等が説明・紹介されている。

2017.03.13
タイにおける営業秘密ならびに職務発明、職務著作および職務意匠の保護

「新興国(タイ、ベトナム、インドネシア)における知財リスク調査」(2016年5月、日本貿易振興機構バンコク事務所知的財産部)第2章3では、タイにおける営業秘密ならびに職務発明、職務著作および職務意匠の保護について、関連する法令と裁判例、営業秘密が保護を受けられる要件と保護の内容、現地で生じた職務発明、職務著作および職務意匠の扱い、職務発明、職務著作および職務意匠に対する対価等が法令や判例を交えて解説されている。

2017.03.07
インドネシアにおける技術ライセンス契約

「新興国(タイ、ベトナム、インドネシア)における知財リスク調査」(2016年5月、日本貿易振興機構バンコク事務所知的財産部)第4章1では、インドネシアにおける技術ライセンス契約について、関連する法令、技術ライセンス契約に記載すべき内容、ライセンサーによるライセンス技術の実施可能性の保証や特許保証の要否、ライセンシーによるライセンス技術の改良の扱い、紛争解決条項やライセンス技術についての秘密保持契約における留意点等が法令や判例を交えて解説されている。

2016.06.02
台湾における権利非侵害確認訴訟

台湾の現在の実務によれば、被疑侵害者は専利権(日本における特許権、実用新案権、意匠権に相当)侵害訴訟において権利非侵害の抗弁および専利無効の抗弁を提出することができる。侵害訴訟が提起されていない場合、被疑侵害者は、台湾経済部智慧財産局に無効審判請求を提起し専利権の取り消しを求めることができるが、無効審判には長い時間を要する。そこで、智慧財産裁判所(知的財産裁判所)(日本の知的財産高等裁判所に相当)に確認訴訟を提起して、専利権者に関連請求権が存在しない旨の確認を求めることができる。

2016.05.31
韓国における競合事業者の取引先への警告状発送による損害賠償責任

ソウル中央地方法院は、特許権侵害を断定することができないにもかかわらず、特許権の侵害を理由に製品の販売中止を要求する警告状を競合事業者の取引先に発送した行為に対して、過失による営業活動妨害を認め損害賠償を命じる判決を言い渡した。警告状の発送に際しては、競合事業者の取引先に直ちに警告状を発送するのではなく、まずは競合事業者に警告状を発送し、状況に応じて、その後の法的救済手段を適切に講じていくことが望ましい。

2016.05.24
台湾における特許寄与率に関する知的財産裁判所の認定

台湾では、損害賠償の算定時に特許寄与率を斟酌すべきである旨の明文規定が置かれていないものの、特許寄与率によって特許権侵害の損害賠償を算定することには法的根拠(専利法第97条や民事訴訟法第222条第2項)があり、知的財産裁判所は、各案件の事情に応じて特許寄与率を斟酌している。特許寄与率を損害賠償算定の基礎として採用するか否か斟酌する際、当事者の提出する事実や証拠が重要な役割を果たす。

2016.03.18
インドにおけるFRANDライセンス契約に関する重要判例

インドのデリー高等裁判所は、携帯端末用通信規格に関する標準必須特許をめぐる侵害訴訟で、紛争が解決されるまでのロイヤルティを設定する暫定命令を下した。この事例は標準必須特許のライセンスに適用されるFRAND原則をインド裁判所が支持した初の事例である。今回、裁判所が侵害行為に対する迅速な救済措置の姿勢を示したことで、とりわけ携帯端末というインドの巨大市場において、権利行使の動きが活発になることが見込まれる。

2016.03.11
韓国における特許製品の並行輸入

韓国では、並行輸入と特許権の消尽との関係について判断した事例は、ソウル地方法院東部支院1981年7月31日宣告第81GaHap466号(特許権侵害差止)判決のみである。この判決において、法院(日本における裁判所に相当。)は、国際的消尽を認め並行輸入の特許権侵害を否定する判決を下したが、この判決の立場が韓国の現在の状況に照らしても継続維持されるか否かは明確ではない。

2016.03.08
韓国における権利範囲確認審判で特許発明の進歩性の有無を審理・判断できないとした判例

韓国では従来、「特許無効審判が請求され特許無効審決が下されることが確実視される際においても、特許無効審判以外の権利範囲確認審判手続きまたは訴訟手続きを審理する特許審判院や法院において、特許無効審決が確定する前であっても、当該事件の適切な結論を導出するための前提として特許無効事由の存在の可否を判断することができる」とされてきたが、「権利範囲確認審判においては、特許発明または登録実用新案の進歩性の有無を審理・審判することはできない」とする新たな判決が韓国大法院において下された。