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アジア / 審決例・判例


知的財産に関する審決例・判例の概要及び説明を掲載しています。


特許・実用新案

特許・実用新案

2012.07.31
(韓国)特許請求の範囲の「実質的に成る(consisting essentially of)」という記載が明確でないと判断された事例

特許発明の請求項に「発明が明確で簡潔に記載されること」を要求する旧特許法(2007年1月3日法律第8197号に改正される前のもの、以下同じ)第42条第4項第2号は、請求項には明確な記載だけが許容され、発明の構成を不明瞭に表現する用語は原則的に許容されないという意味であり、これに照らしてみれば、特許請求項に記載された「実質的に成る(consisting essentially of)」という表現はその意味が不明であり、これは記載不備に該当する。

2012.07.30
(中国)判例の調べ方―北京法院ウェブサイト

中国の(知的財産事件を含む)判例検索に有用なウェブサイトとして、北京法院のウェブサイトがあります。誰でも無料でアクセス可能です。

2012.07.30
(中国)開放形式の記載(例:「~を含む」)と閉鎖形式の記載(例:「~からなる」)の取り違えが誤訳となり得ることを示す例

他の要素を含まない閉鎖形式の記載(中国語の例:「由・・・組成」等)と他の要素を含む開放形式の記載(中国語の例:「含有・・・」、「具有・・・」等)を取り違えた誤訳が行われると、クレームの範囲が不必要に狭くなることになる。また、このような誤訳(開放形式の表現を閉鎖形式の表現に誤訳したこと)が発生した後、出願当初明細書中の記載から疑義なく開放形式の記載が導き出せない場合、補正により対応することも難しい。このようなクレームの範囲に影響を与える記載の翻訳については、特に注意が必要である。

2012.07.30
(中国)単数冠詞の翻訳について

英語には冠詞が存在し、単数冠詞「a」を直訳することで、中国語のクレームが必要以上に狭くなることがあり得る。日本語から英語等を介して翻訳する場合にも冠詞には注意する必要があり、単数冠詞をそのまま翻訳することにより、必要以上にクレームが限定されないよう留意する必要がある。

2012.07.30
(中国)「enclosure」のようないくつかの訳語が考えられる用語を含む技術文献の翻訳に際し、原文の技術的理解が不十分であったと考えられる事例

ATMに関する技術文献における「enclosure」を、利用者が入る囲いと考えて、中国語で「亭子」と翻訳することも考えられるが、文献全体からその技術的意味を考えると、この囲いがATMの保守をする者のみが入ることのできるセキュリティ確保のための箱であるような場合には、この「enclosure」に対する訳語としては中国語で「封閉体」又は「外殻」が妥当である。技術文献を翻訳する際には、その文章の技術的意味を良く考えて翻訳するべきである。

2012.07.30
(中国)図面のみに開示された特徴を請求項に追加したことが新規事項の追加に該当すると判断され、特許権の一部が無効とされた事例

出願人は、分割出願の中間処理で、親出願の明細書(図面)に基づいて、図面の開示から読み取れる特徴を請求項に追加したところ、当該請求項の追加は原明細書及び特許請求の範囲に記載されている範囲を超え、新規事項の追加に該当すると判断された。

2012.07.30
(中国)PCT出願の国内段階移行時に発生した誤訳が原因で、特許権が無効となった事例

出願人は、PCT出願書類の「welded by chemical bonding」、「welded together chemically」(日本語訳「化学的連結によって・・・接着」、「化学的に接着」)を国内段階で中国語に翻訳する過程で、誤って、クレーム及び明細書に「化学接着剤によって・・・接着」(中国語「化学粘合剤粘接」)と記載してしまった。中間処理時に、PCT出願書類に合わせるように請求項1に「化学的連結によって・・・接着」(中国語「化学連接粘接」)という限定を加える補正を行って権利化されたが、請求項1の補正は明細書中の「化学接着剤によって・・・接着」という記載範囲を超え、また、明細書中の「化学接着剤によって・・・接着」がPCT出願の原文「welded by chemical bonding」、「welded together chemically」を超えるものとされ、特許は無効とされた。

2012.07.30
(台湾)において引用文献の誤訳が直接的な争点でないとして裁判所が斟酌しなかった事例

本件は、原告(無効審判請求人)が無効審判において主張した際に、引用文献3を誤訳し、元の意味を曲解していたと特許権者が述べたにもかかわらず、それは本件の直接的な争点ではないとして、裁判所がこれを斟酌する必要はないと判断したものである。本件の主な争点の一つは、特許庁が許可した特許権者の訂正は、従属項8の技術的特徴を独立項1に書き入れたものであり、従属項8と独立項1の技術的特徴は重複しているため許可すべきではないという原告の主張であったが、裁判所はこの原告の主張を認めなかった。