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インドネシアにおける商標に関する審決へのアクセス方法
2020年06月23日
■概要
(本記事は、2021/11/30に更新しています。)URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/etc/21200/(最高裁判所)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/etc/21187/(知的財産総局)
インドネシアの知的財産関連の審決については、公開されている情報が多くはないが、例えば、Direktorat Jenderal Kekayaan Intelektual Kementerian Hukum dan Hak Asasi Manusia(法務人権省知的財産権総局:DJKI)のウェブサイトでは、Komisi Banding Merek (商標に関する審判委員会)の審判スケジュールが公開されている。また、最高裁の判決データベースからも、商標審判委員会による審決に関する情報を得ることができる。
■詳細及び留意点
- DJKIのウェブサイト
(1) DJKI(なお、英語名Directorate General of Intellectual Property Rightsの頭文字を取ってDGIPと表示されることもある)のウェブサイト(https://dgip.go.id/)へアクセスし、最上部中央左の「MEREK」という表示からプルダウンメニューの「Komisi Banding Merek」をクリックして、商標審判委員会のトップページに移動する。あるいは、右上の「ENGLISH」を選択してウェブサイト表記を英語に変更後、「TRADEMARK」のプルダウンメニューの「Trademark Appeal Commission」を選択してもよい(https://dgip.go.id/komisi-banding-merek-2018)。
なお、English Pageは使用可能ではあるが、全ての情報が英語で提供されているわけではなく、かつ、別のページに移動する際にエラーが表示されることがあるなど、問題もある。
図1:DJKIのウェブサイト
(2) 商標審判委員会のトップページの上部中央に「JADWAL PERSIDANGAN KOMISI BANDING」(英語では「Schedule of Hearing Session of Trademark Appeal Commission」)という表示があるので、クリックすると、審判スケジュールのページに移動する。
なお、商標審判委員会のトップページには、審判スケジュール以外にも、「Tentang Komisi Banding」(審判委員会について)、「Prosedur Permohonan Banding」(不服申立て手続)、「Susunan Keanggotaan Komisi Banding」(審判員会のメンバー構成)などの審判に関する情報が掲載されている。
図2:商標審判委員会のトップページ
(3) 審判スケジュールのページでは、過去2~3年前から当該月までの審判スケジュールが掲載されている。審判スケジュールは基本的に頻繁(毎月・毎週)に更新されている。日付の横に添付されているPDFファイルには、当該日付に開催予定の審判スケジュールの詳細が載っている。
図3:審決スケジュール
(4) 審判スケジュールのPDFファイルには、次の情報が記載されているので、スケジュールの他、当事者や問題となっている商標および代理人等の情報を知ることができる。
・MEREK: 商標
・KELAS: 区分
・TGL TERIMA KEP TOLAK (Tanggal Terima Keputusan Tolak): 拒絶査定日
・TANGGAL PERMINTAAN BANDING: 審判請求日
・TGL DICATAT/Penerimaan Banding: 審判受付日
・PEMILIK: 所有者(不服申立者)
・KUASA: 代理人
・NO.ADM KBM: 商標審判委員会管理番号
図4:審判スケジュールのPDFファイル(抜粋)
審判スケジュールに関する情報は全てインドネシア語でのみ提供されている。また、残念ながらDJKIのウェブサイトでは、審決などの、上述のスケジュールよりも詳細な情報は掲載されていない。
- 最高裁判所のウェブサイト
(1) 審判委員会の審決に不服のある当事者は、商事裁判所に対して訴えを提起することができ、さらに商事裁判所における判決に対しては、最高裁判所に上訴することができる。そこで、最高裁の判決に目を通すことにより、審決の内容を垣間見ることができる場合もある。
(2) インドネシア最高裁判所が提供するデータベース(Direktori Putusan Mahkamah Agung Republik Indonesia) のウェブサイト(https://putusan.mahkamahagung.go.id/) へアクセスして、同ウェブサイトに設けられている「Search」の欄から「Komisi Banding Merek」「Komisi Banding Paten」等と審判委員会名をキーワード検索する。
図5:最高裁判所データベースのウェブサイト
(3) 例えば、「Komisi Banding Merek」で検索した結果(2019年10月24日アクセス)、1170件がヒットして、審決に不服のある当事者による商標審判委員会を相手方とする事件の最高裁判決も見られる。かかる判決内容の詳細を読むことにより、事案の概要および審判委員会の審決の内容を確認できる可能性がある。
図6:「Komisi Banding Merek」のキーワード検索の結果
■ソース
・Direktorat Jenderal Kekayaan Intelektual(法務人権省知的財産権総局:DJKI)のウェブサイトhttps://dgip.go.id/ ・Supreme Court’s Decision Directory(最高裁判決ディレクトリー)
https://putusan.mahkamahagung.go.id/ ・Hukum Online(法律オンライン)
https://www.hukumonline.com/
■本文書の作成者
TMI Associates■協力
Mochtar Karuwin Komar法律事務所日本国際知的財産保護協会
■本文書の作成時期
2019.10.30