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フィリピンにおける特許年金制度の概要
2018年10月18日
■概要
(本記事は、2023/10/31に更新しています。)URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/37576/
フィリピンにおける特許権の権利期間は、出願日(国際特許出願日)から20年である。年金発生の起算日は、国際公開日またはフィリピン国内での公開日である。年金はこれらの公開日を起算日として5年次から、特許出願が登録されたかどうかに関わらず、発生する。実用新案権の権利期間は出願日から7年で、権利を維持するにあたっては、年金の納付は必要ない。意匠権の権利期間は出願日から15年である。
■詳細及び留意点
- 特許権
フィリピンにおける特許権の権利期間は、出願日(PCT条約に基づく特許出願の場合は国際特許出願日)から20年である。年金発生の起算日は、PCT出願の場合は国際公開日、フィリピンへの直接出願あるいはパリ条約による優先権を主張した出願の場合はフィリピン国内での公開日である。年金はこれらの公開日を起算日として5年次から発生し、特許出願が登録されたかどうかに関わらず、出願の係属中であれば納付を行う必要がある。各年の年金納付起算日は、国際公開日あるいはフィリピン国内での公開日である。
年金の金額は請求項数により変動する。年金はフィリピン国内に在住する者のみが支払うことができる。
意図しない特許権に対して年金を誤って納付してしまった場合や、所定の納付金額を超えて納付を行った場合、年金は返金されない。ただし、フィリピン特許庁側に過失がある場合は、年金納付を行った日から30日以内であれば、返金を請求することができる。納付を行った日から30日を経過した後や、返金請求の理由が妥当ではない場合、納付された年金は返金されない。
納付期限日までに年金の納付が行われなかった場合、フィリピン特許庁よりその旨が公開され、出願人、権利者もしくはフィリピン国内に在住する代理人に通知される。当該公開日から6ヶ月以内であれば、年金の追納が可能である。追納期間中は、所定の年金費用に加えて、追徴金と公告費用を同時に支払う必要がある。
上記の通り、追納期間経過までに年金を納めない場合、特許権は失効するが、権利を放棄したい旨を記した宣誓書をフィリピン特許庁に提出することにより、積極的に放棄を行うことも可能である。権利放棄の宣誓書の提出によって出願を取下げもしくは権利を放棄した場合も、その後、権利の回復を行うことはできない。
- 実用新案権
実用新案権の権利期間は出願日から7年である。フィリピンの実用新案権を維持するにあたっては、年金の納付は必要ない。
実用新案の権利を放棄したい場合は、権利を放棄したい旨を記した宣誓書をフィリピン特許庁に提出することで、出願の取下げもしくは権利の放棄が可能である。権利放棄の宣誓書の提出によって出願を取下げもしくは権利を放棄した場合も、その後、権利の回復を行うことはできない。
- 意匠権
意匠権の権利期間は出願日から15年である。まず、意匠権が登録になると出願日を起算日として5年の権利期間が与えられる。その後、6年次と11年次に年金の納付を行うことで、計15年の権利期間を得ることができる。年金納付の起算日は出願日であり、年金は意匠出願が登録されたかどうかに関わらず、係属中であれば納付を行わなければならない。
年金はデザイン数によって変動する。年金はフィリピンに在住する者のみが支払うことができる。
意図しない意匠権に対して年金を誤って納付してしまった場合や、所定の納付金額を超えて納付を行った場合、年金は返金されない。ただし、フィリピン特許庁側に過失がある場合は、年金納付を行った日から30日以内であれば、返金を請求することができる。納付を行った日から30日を経過した後や、返金請求の理由が妥当ではない場合、納付された年金は返金されない。
納付期限までに年金の納付が行われなかった場合、納付期限日から6ヶ月以内であれば追納が可能である。追納期間中は、所定の年金費用と追徴金を同時に支払う必要がある。特許と同様、年金の未納が原因で失効した意匠権の回復制度は存在しないため、注意が必要である。
上記の通り、追納期間経過までに年金を納付しない場合、意匠権は失効するが、権利を放棄したい旨を記した宣誓書をフィリピン特許庁に提出することにより、積極的に放棄を行うことも可能である。権利放棄の宣誓書の提出によって出願の取下げもしくは権利を放棄した場合も、その後、権利の回復を行うことはできない。
■ソース
・フィリピン知的財産法■本文書の作成者
日本技術貿易株式会社■本文書の作成時期
2017.12.28