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日本とタイの意匠出願における実体審査制度の有無に関する比較

2015年10月09日

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■概要
日本における意匠出願の審査では、意匠登録のために方式審査と実体審査が行われる。タイにおける意匠出願の審査においても、日本同様に方式審査と実体審査が行われる。ただし、タイにおいては、出願公開から90日以内は、何人も異議申立て可能であり出願公開から90日以内の異議申立て手続き期間を経た後、新規性、創作性に関する実体審査が行われる。
■詳細及び留意点

日本における意匠出願の審査

 日本において意匠登録を受けるためには、願書、図面を含む出願書類が所定書式を満たしているかどうかの形式的な審査(方式審査)が行われた後、方式審査を通過した出願に対しては、審査官により意匠登録要件を満たしているかどうかの審査(実体審査)が行われる。実体審査において審査される内容は以下の通りである。

  1. 物品の形状、模様もしくは色彩またはこれらの結合であって視覚を通じて美感を起こさせる意匠であること(第2条1項)
  2. 工業上利用できる意匠であること(第3条1項柱書)
  3. 新規性を有する意匠であること。(第3条1項各号)
  4. 創作非容易性を有すること(第3条2項)
  1. 先願意匠の一部と同一または類似の意匠でないこと(第3条の2)
  2. 公序良俗違反でないこと(第5条1号)
  3. 他人の業務に係る物品と混同を生じる恐れがないこと(第5条2号)
  4. 物品の機能確保のために不可欠な形状のみからなる意匠でないこと(第5条3号)
  5. 最先の出願であること(第9条)

条文等根拠:意匠法第16条、第17条

 

日本意匠法 第16条 審査官による審査

 特許庁長官は、審査官に意匠登録出願を審査させなければならない。

 

日本意匠法 第17条 拒絶の査定

 審査官は、意匠登録出願が次の各号のいずれかに該当するときは、その意匠登録出願

について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。

 

一 その意匠登録出願に係る意匠が第3条、第3条の3、第5条、第8条、第9条第1項もしくは第2項、第10条第1項から第3項まで、第15条第1項において準用する特許法第38条または第68条第3項において準用する同法第25条の規定により意匠登録をすることができないものであるとき。

二 その意匠登録出願に係る意匠が条約の規定により意匠登録をすることができないものであるとき。

三 その意匠登録出願が第7条に規定する要件を満たしていないとき。

四 その意匠登録出願人がその意匠について意匠登録を受ける権利を有していないとき。

 

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タイにおける意匠出願の審査

 タイにおける意匠登録手続きにおいては、出願書類が提出されると、出願書類が方式要件を具備しているかどうかの方式審査が行われ、方式審査を通過した出願は、出願公開料金の支払いの手続きの後、出願公開される。出願公開から90日以内の異議申立て手続き期間を経た後、新規性、創作性に関する実体審査が行われる。

なお、タイにおいては、出願公開から90日以内は何人も異議申立て可能である。

条文等根拠:タイ特許法第61条

 

タイ特許法 第61条

出願が第28条を準用する第65条に基づいて公告され、意匠特許の登録および付与の前に、その出願が第56条、第57条、または第10条、第11条および第14条を準用する第65条の規定に合致しないと思われる場合、長官は、この出願を拒絶しなければならない。担当官は、出願人および第31条を準用する第65条に基づく異議申立人に当該決定を通知すると共に、その決定の写しを出願がなされた場所に掲示しなければならない。

長官が出願を拒絶し、さらに第31条を準用する第65条に基づいて出願に異議申立がなされた場合、長官は、第32条を準用する第65条に基づいてかかる異議申立の審査を行わなければならない。

 

 

日本

タイ

実体審査

の有無

ただし、出願公開から90日以内は何人も異議申立て可能である点において差がある。

 

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新興国等知財情報データバンク 調査対象国、地域における実体審査制度については、下記のとおりである。

            実体審査制度に関する各国比較

実体審査の有無

実体審査における新規性審査の有無

実体審査における創作容易性審査の有無

評価書請求の有無

JP

BR

CN

HK

ID

IN

KR

MY

PH

RU

SG

TH

TW

VN

■本文書の作成者
日本技術貿易株式会社 IP総研
■本文書の作成時期

2015.03.10

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