アジア / 出願実務
インドにおける商標出願に関する指定商品、役務に関わる留意事項
2015年03月31日
■概要
インドは、商標出願に関する指定商品および指定役務に関するニース分類を採用している。指定商品および指定役務を記載する際には、500字を超えないのが望ましい。500字を超える場合、字数超過料が課される。優先権に基づく出願の場合、指定商品および指定役務は、基礎出願の指定商品および指定役務の範囲でなければならない。また、商標分類の見出し全体の指定商品または指定役務の記載は認められず、実際の商品もしくはサービスに限定することが必要である。審査官による拒絶を避けるため、ニース分類に示された指定商品および指定役務のアルファベット順索引を参照して、指定商品および指定役務を記述することが望ましい。■詳細及び留意点
【詳細】
インドにおける指定商品および指定役務については、インド商標規則(Trade Marks Rules 2002)の第4附則(商品及びサービスの分類-類の名称)に示されている。インド特許庁(Controller General of Patents, Designs & Trade Marks : CGPDTM)商標局は指定商品および指定役務に関するニース分類を採用している。第4附則に記載された指定商品および指定役務は、国際分類で定義されている一般的な内容を確認するための手段として提供されている。
この附則は各分類の主な内容に対応するものであって、指定商品および指定役務の国際分類に従った網羅的な記載を意図したものではない。個々の商品およびサービスの分類を判断したい場合、または国際分類の詳細な内容を知りたい場合、出願人は、商標法第8条に基づきCGPDTM商標局が公開する指定商品および指定役務のアルファベット順索引を参照するか、WIPO(世界知的所有権機関)が商標登録のために公開している「指定商品および指定役務に関する国際分類」の最新版を参照することができる。
指定商品および指定役務を記載する際には、以下の点に留意する必要がある。
・指定商品および指定役務の記載は500字を超えないのが望ましい。
商品およびサービスの明細は500字を超えないのが望ましい。文字数がこの上限を超えると、6字追加されるごとに1ドル(US$1)の字数超過料が課される。
・指定商品および指定役務は、基礎出願で指定した範囲を超えてはならない
パリ条約に基づき優先権を主張する場合、優先権が適用される出願においては、基礎出願に指定された指定商品および指定役務と同一の指定商品および指定役務を指定するか、基礎出願の指定商品および指定役務から選択した指定商品および指定役務を指定しなければならない。基礎出願に記載されたものに加えて、新たな指定商品および指定役務を記載してはならない。記載した場合には拒絶の対象となりうる。
・分類の見出し全体(クラス、ヘッド)での指定商品または指定役務の記載は認められない
登録しようとする商標が実際に使用されているか使用を意図している商品および役務に関して登録出願を行うことが望ましい。特定の分類に属する「すべての商品」もしくは「すべての役務」といった記述は広範であり、指定商品もしくは指定役務の適正な記述とはみなされない。この様な場合、登録官(日本における審査官に相当。)は出願人に対し、実際の商品もしくは役務を指定するよう必ず指令を出す。
CGPDTM商標局は商標分類の見出し全体を指定して出願された商標を拒絶している。そのような出願に対して登録官は拒絶理由通知を発行し、指定商品および指定役務の記述を実際に使用する商品およびサービスに限定するよう代理人もしくは出願人に通知する。
対応する商標または役務分類に関して疑義が生じた場合、出願人は、ニース分類に示された指定商品および指定役務のアルファベット順索引を参照することが望ましい。対応する商標分類に関する拒絶理由が示されている場合、ニース分類の引用は登録官による拒絶理由の解消に役立つ。
また、拒絶理由通知を避けるためには、複数の分類に該当する可能性のある商品については常に「included in class ○○」(○○分類に含まれる)というフレーズを付け加えておく方がよい。たとえば「機械」など、それ自体が拒絶の対象となるような商品記述が幾つかある。この場合は、当該機械の性質を記載するもしくは特定の分類に該当させることが望ましい。
■ソース
インド商標規則(2002 年 2 月 26 日付 GSR114(E)号改正 2003 年 9 月 15 日施行)(https://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/fips/pdf/india/shouhyou_kisoku.pdf)
■本文書の作成者
Rouse & Co. International (India) Ltd■協力
日本技術貿易株式会社 IP総研■本文書の作成時期
2015.02.25