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韓国における意匠の不登録事由

2015年03月30日

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■概要
韓国において意匠登録を受けるためには、デザイン保護法(日本における意匠法に相当。以下、「デザイン保護法」。)第33条に定める登録要件を備えるとともに、デザイン保護法第34条に定める不登録事由(国旗等と同一または類似の意匠、公共の秩序や善良な風俗を乱す恐れのある意匠、他人の業務に関連した物品と混同をもたらす恐れのある意匠、物品の機能を確保するのに不可欠な形状のみからなる意匠)に該当してはならない。無審査登録対象である物品に関する意匠登録出願であっても、韓国特許庁は不登録事由に該当するか否かについて審査している。
■詳細及び留意点

【詳細】

 意匠登録出願が登録を受けるためには、登録要件を備えるとともに、不登録事由に該当してはならない。つまり、意匠の成立要件と登録要件を備えた意匠であっても、不登録事由に該当する場合には登録を受けることはできない。意匠の不登録事由については以下に示すようデザイン保護法第34条に定義されている。

 

韓国デザイン保護法第34条

 次の各号のいずれかに該当する意匠に対しては、第33条にもかかわらず意匠登録を受けることができない。

1.国旗、国章、軍旗、勲章、褒章、記章、その他の公共機関などの標章と外国の国旗、国章、または国際機関などの文字や標識と同一または類似の意匠

2.意匠が与える意味や内容などが一般人の通常の道徳観念や善良な風俗に反したり、公共の秩序を害したりする恐れのある意匠

3.他人の業務に関連した物品と混同をもたらす恐れのある意匠

4.物品の機能を確保するのに不可欠な形状のみからなる意匠

 

 以下、登録を受けることができない意匠(意匠の不登録事由)の例を示す。

 

(i)国旗、国章、軍旗、勲章、記章、その他の公共機関などの標章と外国の国旗、国章、または国際機関などの文字や標識と同一または類似の意匠

 

(ii)公共の秩序や善良な風俗を乱す恐れのある意匠

・国家元首の肖像およびこれに準じたもの

・特定国家またはその国民を侮辱するもの

・低俗、嫌悪、その他社会の一般的な公序良俗に反するもの

・人倫に反するもの

・その他の国際信頼関係および公正な競争秩序を乱す恐れのあるデザイン

 

(iii)他人の業務に関連した物品と混同をもたらす恐れのあるデザイン

・他人の著名な商標、サービスマーク(役務商標)、団体標章および業務標章を意匠として表現したもの(立体商標も含む)

・非営利法人の標章を意匠として表現したもの

 

(iv)物品の機能を確保するのに不可欠な形状のみからなるデザイン

・物品の機能とは技術的機能を意味し、(i)物品の技術的機能を確保するため、必然的に定められた形状(必然的形状)からなる意匠と、(ii)物品の互換性確保などのため、標準化された規格によって定められた形状(準必然的形状)からなる意匠は、登録を受けることができない。

 

 なお、衣服、雑貨類、電子計算機等のライフサイクルが短い特定の物品が無審査登録の対象となるが、韓国特許庁は不登録事由に該当するか否かを審査している。

■ソース
・韓国デザイン保護法
・韓国デザイン審査基準
■本文書の作成者
河合同特許法律事務所
■協力
日本技術貿易株式会社 IP総研
■本文書の作成時期

2015.01.16

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