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台湾での商標出願における拒絶理由通知に対する対応策

2015年02月17日

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■概要
台湾において、商標出願に拒絶理由があると審査官が判断したときは、拒絶理由通知が送付される。出願人は拒絶理由通知に対して、意見書を提出して反論することができる。拒絶理由の種類ごとに拒絶理由通知への対応策について紹介する。
■詳細及び留意点

【詳細】 台湾では、商標登録出願について使用主義ではなく先願登録主義をとっているため、先に出願した者に権利が付与されることになる。よって、台湾においても先に出願された他人の登録商標またはこれに類似する商標であって、その商標と指定商品や指定役務が同一または類似の商標出願は拒絶されることになる。商標出願後、審査官による審査を経て、拒絶理由が存在すると認められた場合、拒絶査定がなされる前に拒絶理由通知が送付され、この拒絶理由通知に対して意見書を提出して反論することができる。拒絶理由通知への対応については、指摘された拒絶理由の種類により異なる対応策が考えられる。以下に拒絶理由通知への対応を解説する。   (1)識別力なきものとして扱われる場合 (i)商標の一部が識別力を有しないと認められたとき、拒絶理由を解消するために、指摘された商標の一部の識別力について反論するほか、その一部につき「権利不要求(DISCLAIM)」を提出する対応が考えられる。商標の一部につき「権利不要求」することにより、権利不要求とした商標の一部については商標権を主張することはできないが、商標全体として登録することができる。 (ii)商標全体が識別力を有しないと認められたとき、識別力有りとして反論するほか、使用を示す証拠資料を提出し、使用により識別力が生じていること(セカンダリーミーニング)を主張する対応が考えられる。証拠資料とは、商標として使用している事実を示すカタログ、新聞雑誌等における宣伝広告、諸外国での登録状況、インターネットにおける口コミなどが挙げられる。   (2)同一または類似商品や役務における他人の先願、先登録と同一または類似すると認められた場合 (i)商標の類似性について反論する対応が考えられる。同じ区分あるいはその他の区分における類似の併存登録例を根拠として提出し、類似性につき反論することができるが、類似審査は個別案件ベースで援用できないという理由で棄却される可能性が高い。 (ii)引用商標に抵触している商品、役務を削除する対応が考えられる。 (iii)引用商標の権利者から併存登録を同意してもらい、当該権利者の同意書を提出する対応が考えられる。指定商品や指定役務が同じ範囲内にあってもビジネス上影響が無い場合には同意してもらえる可能性がある。 (iv)引用商標の権利を権利者から譲渡してもらう対応が考えられる。引用商標を使用していない場合には譲渡してもらえる可能性がある。引用商標を譲渡してもらえば、拒絶理由を解消させることができる。 (v)引用商標に対する不使用取消審判を請求する対応が考えられる。引用商標が登録後満3年以上経過したものである場合、その使用実態を調査し、登録後満3年以上使用しているという事実が見つからなければ、不使用取消審判を請求して引用商標を取り消すことができる。 (vi)引用商標に対する異議申立や無効審判を提起する対応が考えられる。引用商標が先登録であれば、台湾において出願商標を使用して周知著名になっていることを裏づけできる証拠資料を提出することによって、引用商標に対し、異議申立や無効審判を提起して、その登録の取消を請求することができる。ちなみに、引用商標が登録を受けてから既に5年の除斥期間を経過している場合、「悪意により他人の周知著名商標を使用」という要件を満たさなければ、無効審判請求は成立しない。   【留意事項】 (i)台湾商標法第31条により、指定商品や指定役務の限定や縮減、商標の一部に対する権利不要求、分割は、拒絶査定を受ける前に行わなければならない。 (ii)同意書の交渉については、引用商標の権利者から、対価の支払いを要求される可能性がある。 (iii)出願対象商標と引用商標の商標が完全に同一で、さらに指定商品や指定役務も同一である場合、引用商標の権利者から併存登録の同意書を提出しても受理されず、拒絶理由を解消させることはできない。   (参考)台湾商標法第31条 商標登録出願を審査した結果、第29条第1項、第3項、前条第1項、第4項または第65条第3項に規定する状況に該当し、登録することができないと認めた場合は、拒絶査定をしなければならない。前項の拒絶査定の前に、拒絶査定理由を出願人に書面で通知し、期限を定めて意見を陳述させなければならない。使用を指定する商品または役務の縮減、商標図案の実質的変更でないもの、登録出願案の分割及び専用としない旨の声明は、拒絶査定前に行わなければならない。

■ソース
・台湾商標法
■本文書の作成者
理律法律事務所 パートナー弁護士 李文傑
■協力
日本技術貿易株式会社 IP総研
■本文書の作成時期

2014.12.22

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