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シンガポールにおけるシリーズ(連続)商標

2014年08月08日

  • アジア
  • 出願実務
  • 商標

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■概要
シンガポールでは、シリーズ(連続)商標については、複数の商標見本(願書で商標態様を示す見本)であっても単一の出願とすることができる。ただし、各商標の主要な特徴が本質的に同一であり、各商標の相違点が本質的に識別力のない点におけるものであって、商標全体において本質的な商標の同一性に影響を与える要素を含んでいないことが要件である。
■詳細及び留意点

【詳細】

 シンガポールでは、複数の商標見本であっても、商標の要部が共通し、識別力の無い部分のみが異なるもの(シリーズ商標)であれば、単一の出願とすることができる。具体的には、商標のバリエーション(書体の違いや色違い等)を1出願に含めることができる。シリーズ商標を出願する場合、出願時の願書において、一連の各商標を表示する(シンガポール商標法第17条、商標規則16)。

 

(1) 登録上の一般的要件

複数の商標見本について単一の出願を行うためには、以下の3つの要件を満たす必要がある。

  • シリーズ商標を構成する各商標は、その本質要素において類似しており、各商標の主要な特徴は本質的に同一でなければならない。例えば、各商標の要部が共通しているといったことが必要である。
  • シリーズ商標を構成する各商標の相違点は、各商標を独立した商標として判断した場合に、本質的に識別力のない部分に係るものでなければならない。
  • シリーズ商標を構成する各商標は、商標全体において、本質的な商標の同一性に影響を与える要素に係る相違点を含んでいてはならない。

 

(2) 具体的事例(シンガポール知的財産庁ウェブサイトに掲載:ソース欄参照)

・大文字小文字の違い:大文字小文字の違いにより称呼が異なるような場合は、認められない。

 

・語の結合:語の結合があったとしても、称呼及び観念が同じであれば認められる。

 

・構成要素の配置が異なる場合:称呼及び観念が同一であれば認められる。

 

・アメリカ式綴りとイギリス式綴りの違い:一般的に綴りの誤りと判断されるものは問題とならないが、称呼、外観及び観念は同一でなければならない。

 

・句読点やハイフンの違い:称呼及び意味が異ならなければ認められる。

 

・色彩の違い:色彩が要部でなく、識別力に影響を与えるものでなければ認められる。

 

・文字の図案化等による違い:フォント及び図案化により実質的な変更が生じていなければ認められる。

 

・通常のフォントで記載されている中国語(繁体字、簡体字)の違い:認められる。

 

・キャラクター:同じ服を着ているなど明らかに同じであれば、認められる。

 

・要部(本質的な部分)に違いがない場合:認められる。

 

・ドメイン名:ドメイン名とその一部という関係の場合は、認められない。また、@以降の拡張子が異なる場合、その拡張子が周知で容易に認識され、同種の商業機関のものであることを特定できるものであれば認められる。ただし、シリーズ商標を構成し得る商標であってもドメイン名として表される場合は、各ドメイン名はそれぞれ異なったものを特定するものであることから、認められない場合がある。

 

・地理的表示:地理的表示により同一性が失われていない場合は認められる。

 

・ハウスマーク:高い識別力を有するハウスマークが明確な指定商品/役務と組み合わされている場合は、認められる。

 

・ハウスマークと数字:番号の違いが単なる型番等と判断され、識別力に影響を与えていない場合は認められる。

 

・図形:関連する平均的消費者の認識や記憶へ与える影響を修正する重要なパターンの違いがあれば、認められる。

 

(3) シリーズ商標の登録事例

 

【留意事項】

 シリーズ商標の要件を満たしているかどうかは、審査の際に判断される。よって、シリーズ商標を出願して、商標法第5条(2)(3)の要件を満たさないと判断された場合には、登録官より、不備を是正するよう通知される。その際、出願人は、シリーズ商標とみなされる商標以外を分割することはできないが、出願した商標見本を削除することが認められる(商標規則21)。なお、不備の是正は、当該通知を受けた日から2ヵ月以内に行う必要がある。

■ソース
・シンガポール商標法
・シンガポール商標規則
・シンガポール知的財産庁(IPOS)ウェブサイト
http://www.ipos.gov.sg/Portals/0/resources/TMwUA16102012/8%20Series%20of%20marks_UA16102012.pdf
■本文書の作成者
新樹グローバル・アイピー特許業務法人 弁理士 村井康司
■協力
一般財団法人比較法研究センター 不藤真麻
■本文書の作成時期
2014.01.30
■関連キーワード
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