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ブラジルにおける特許の分割出願の留意点

2014年05月23日

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■概要
ブラジルでは、特許出願についての審査が終了するまでは、分割出願をすることができる。拒絶査定が出された後は、審判段階であっても分割することはできないので、注意が必要である。
■詳細及び留意点

 以下に、分割出願の留意点についてまとめる。なお、いずれも実用新案にも該当する。

 

(1) 分割出願ができる時期

 出願人は、審査が終了するまでは分割出願をすることができる(産業財産権法第26条)。

 「審査が終了するまで」とは、登録査定もしくは拒絶査定が官報に公開されるまでを意味する。

 拒絶査定後の審判段階では分割を行うことはできない。

 また、審査がいつ終了するかは予想できないため、分割出願を希望する場合は、意見書による回答と共に、又はそのすぐ後に、分割出願を行うのが望ましい。

 

(2) 分割出願の要件

 分割出願するためには、以下の要件を満たす必要がある。

 

・願書及び明細書には明確に分割出願であることを記載し、原出願の出願番号を明確に記載している

・原出願に開示されている内容の範囲を超えていない

・請求項が原出願の審査請求時にクレームされていた主題の範囲を超えていない

 

(3) 留意点

(i) 例えば、原出願に主題Aと主題Bからなるクレームがある場合、分割出願のクレームは原出願の主題Aもしくは主題Bのいずれかのクレームから構成されるものでなければならない。

 また、審査請求後に分割出願した場合は、「軽微な誤記・誤訳の訂正」と「出願に記載された実施例に限定する補正」しかできないことにも注意する必要がある。つまり、新たな主題の導入、クレームの範囲の拡大、カテゴリーの変更等をすることはできない。また、分割出願をさらに分割すること(いわゆる「孫出願」)は認められない。

 

(ii) 原出願にクレームが1つしかない場合は、分割出願を行うことはできない。

 分割出願の結果として、二以上の特許出願の間で、クレームが同一であってはいけない。分割出願の後、親出願のクレームの範囲が減少されたことの関係で、その制限された範囲と一致する場合には、明細書、図形もしくは要約の補正を行わなければならない。

 

(iii) 分割出願の出願日は、現実の出願日ではなく、原出願の出願日とみなされる。該当する場合には、原出願を基礎とする優先権の主張の効果が認められる。

 

(iv) 分割出願を請求するときには、該当する手数料を納付しなければならない。

 分割出願は、原出願の出願日と同じになるので、原出願に係る手数料納付期日までに分割出願の手数料も納付する必要がある。

 また、分割出願以前の必要な手数料を納付する必要がある。例えば、審査請求後に分割出願した場合、分割出願を行う際には、分割出願の手数料とあわせて審査請求の手数料も納付しなければならない。

 

(v) 分割出願は、原出願の審査手続と同時に進められるので、原則として、原出願(親出願)と分割出願(子出願)は同時に審査され、同時に査定(付与査定でも拒絶査定でも)が出される。

■ソース
・ブラジル産業財産権法
・決議第093/2013号
http://www.inpi.gov.br/images/docs/resolucao_093-2013__artigo_32_1.pdf ・特許審査基準
http://www.inpi.gov.br/images/docs/instrucao_normativa_17-2013.pdf
■本文書の作成者
カラペト・ホベルト(ブラジル弁護士)
■協力
一般財団法人比較法研究センター 菊本千秋
■本文書の作成時期
2014.01.30
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