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マレーシアにおける優先権主張を伴う特許出願

2014年03月21日

  • アジア
  • 出願実務
  • 特許・実用新案

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■概要
マレーシアにおける特許出願において優先権を主張する場合、出願時の願書において、優先権を主張する旨を宣誓する必要がある。基礎出願の出願書類の謄本は必ずしも出願時に提出する必要はないが、登録官から提出を求められた日から3ヵ月以内に提出しなければならない。優先権主張の期間は基礎出願から12ヶ月以内であり、部分優先や複数優先も認められる。
■詳細及び留意点

(1) 優先権主張の方法(マレーシア特許法第27条、特許規則21、22)

 マレーシアにおいて優先権主張を伴う特許出願を行う出願人は、願書(所定フォーマット:様式1)において、優先権を主張する旨を宣誓しなければならない。

 そのため、願書の段落7において、優先権主張の基礎出願に関する情報、具体的には、出願番号、出願年月日、出願国名(基礎出願が地域出願・国際出願であった場合は基礎出願に関して指定された1以上の国名及び基礎出願が提出された官庁の名称)、国際特許分類記号を記載する。複数の基礎出願について優先権を主張する場合、各基礎出願に関する情報を記載する。

 また、登録官の要求の日から3ヶ月以内に、基礎出願の認証付き謄本を提出する必要がある。基礎出願がマレー語又は英語以外で作成されている場合、登録官は出願人に対して当該基礎出願のマレー語又は英語による翻訳文の提出を求めることができる。翻訳文は、この要求の日から3ヵ月以内に提出しなければならない。認証謄本が他の優先権主張出願において既に提出され、これと同じ優先権主張をして新たに特許出願を行う場合は、優先権証明書は再提出する必要はなく、過去に行った特許の出願番号等を願書に記載して援用すれば足りる。認証謄本や翻訳文に不備があった場合については、3ヶ月の期間内に補正するよう求められる。この求めに従わなければ、優先権主張が認められないこととなる(同規則23条)。

 なお、優先権を主張する出願人が基礎出願の出願人と一致していない場合には、特許を受ける権利が譲渡されたことを証する書面を提出しなければならない(同規則10の解釈により)。

 マレーシアにおいて優先権を主張する場合、出願費用と別に優先権主張の費用をマレーシア知的財産公社に納付する必要はない。

 

(2) 優先権主張の期間

 マレーシアでは、優先権主張は、基礎になる出願日から12ヶ月以内に行う必要がある(同法第27条(1))。

 基礎になる出願の認証された謄本は必ずしも願書提出時に添付する必要はないが、登録官による要求の日から3ヶ月以内に提出しなければならない(同規則22(1))。

 また、基礎になる出願がマレー語又は英語以外の言語で作成されている場合、登録官による要求の日から3ヶ月以内に翻訳文を提出しなければならない(同(2))。

 

(3) 部分優先と複数優先

 マレーシアにおいても、優先権主張に際し、部分優先や複数優先が認められる。

 部分優先とは、基礎になる出願に新たな内容を追加して出願することであり、基礎になる出願に含まれていた部分については基礎になる出願の出願日が優先日となり、追加した内容について優先日は認められない。

 複数優先とは、基礎になる複数の出願をまとめて優先権を主張することである。このとき、基礎になる複数の出願の双方に記載されている内容は早い方の出願日が優先日となるが、一方にしか記載されていない内容は各基礎出願の出願日が優先日となる。

 

【留意事項】

 優先権主張を伴う出願は、新規性・進歩性等の基準時が実際の出願日より早い優先日となる点で出願人に有利であり、大いに利用したいところである。さらに、改良発明を出願に加えたい場合や複数の出願を1つにまとめたい場合には、部分優先や複数優先の利用も検討に値する。

■ソース
・マレーシア特許法
・マレーシア特許規則
・特許出願願書フォーマット(様式1)
http://www.myipo.gov.my/documents/10180/16411/PF1.pdf
■本文書の作成者
辻本法律特許事務所
■協力
Fabrice Mattei, Rouse
一般財団法人比較法研究センター 不藤真麻
■本文書の作成時期
2014.01.27
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