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(中国)コンピュータプログラムに関わる特許出願

2013年10月25日

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■概要
中国においてコンピュータプログラムに関わる特許出願を行う場合、方法、装置としてクレームすれば特許を受けることができるが、プログラム自体、または、プログラムが記録された記録媒体の場合は、特許を受けることはできない。
■詳細及び留意点

【詳細】

(1)発明の定義

(i)解決方策(発明/考案)(専利法第2条2項、審査指南第2部分第1章2、第2部分第9章1~2)

・ 専利法第2条第2項によれば、発明とは、製品、方法、又はその改良について提案された新しい「解決方策(発明/考案)」(中国語「技术方案」)をいう。コンピュータプログラムに関わる発明について中国で特許を受けたい場合、その前提として、当該コンピュータプログラムに関わる発明そのものが、専利法にいう「解決方策(発明/考案)」に該当しなければならない。なお、コンピュータプログラムに関わる発明とは、発明で提示する課題を解決するためのものであって、コンピュータプログラムの処理フローが全部又は一部の基礎となっており、コンピュータが前期フローに沿って作成されるプログラムを実行することにより、コンピュータ外部又は内部の対象を制御、又は処理する解決方策(発明/考案)をいう。

・  「解決方策(発明/考案)」は、技術的手段、技術的課題、技術的効果をともに備えなければならない。したがって、明細書では、本発明が解決しようとする技術的課題、課題を解決するための技術的手段(技術的特徴)及び得られる技術的効果を、できるだけ明確に記載すべきである。

・  クレームに規定される発明は、専利法にいう「解決方策(発明/考案)」の要件を満たさなければならない。クレームに関わる発明は、技術的手段により技術的課題を解決し、技術的効果を奏するものでなければならない。

「解決方策(発明/考案)」に該当する例(審査指南第2部分第2部分第9章2):

(a) コンピュータプログラムに関わるクレームにおいて、プログラムを実行する目的が、技術的課題を解決すること(例えば、産業上の制御、測定や試験のプロセスを実現すること、または外部技術データを処理すること、またはコンピュータシステムの内部性能を改良すること)にあり、コンピュータでプログラムを実行することにより外部または内部の対象に対して行う制御または処理が、自然法則に従う技術的手段であり、かつこれにより自然法則に合う技術的効果(例えば、プロセス制御効果、技術データ処理効果、コンピュータ内部性能の改良効果など)を得られる場合。

(b) アルゴリズムに関わる発明(当該アルゴリズムに基づくクレーム)が、ある技術分野に適用され、技術的手段を利用してこの分野の技術的課題を解決し、それ相応の技術的効果を得られる場合。

 

(ii)知的活動の法則及び方法(専利法第25条第1項第2号、審査指南第2部分第9章2)

 発明そのものが知的活動の法則及び方法に該当する場合、特許を受けることができない。

知的活動の法則及び方法に該当する例:

(a) クレームの対象が実質上プログラムそのものである場合(例:「プログラム」、「プログラム製品」、「パッチ」、「コマンド」などをクレームする場合)。

(b) アルゴリズム、数学演算法則、ゲームのルール若しくは方法、記録媒体等をクレームする場合。

ただし、記録媒体自身に発明があり、単にプログラムが記録された記録媒体に該当しない場合、記録媒体は一般の物クレームとして扱う。

 

(2)コンピュータプログラムに関わるクレームの作成(審査指南第2部分第9章5.2)

 コンピュータプログラムに関わるクレームは、方法クレーム、当該方法を実現させる装置である製品クレーム、いずれのクレームとして作成してもよいが、以下の点に留意する必要がある。

(i)  方法クレームか、製品クレームかを問わず、クレームは明細書によりサポートされるものでなければならない。具体的には、課題を解決するための手段を記載しなければならず、コンピュータプログラムが具備する機能及びその機能による効果のみの記載では足りない。

(ii) 方法クレームとして作成する場合、方法の手順に従って、このプログラムにより実現する各機能、及びそれらの機能をどのように実現するかを詳細に記載すべきである。

(iii) 装置クレームとして作成する場合、装置の各構成要素及び構成要素同士の関係を具体的に記載し、かつ、このプログラムの各機能がどの構成要素によりどのように実現されるかを具体的に記載すべきである。

 

【留意事項】

・  日本においてはコンピュータプログラムを物として保護するが、中国では、現時点ではコンピュータプログラム自体について特許を受けることはできない。また、コンピュータプログラムが記録された記録媒体についても、記録媒体そのものに発明がない限り、現時点では特許を受けることはできない。

・  コンピュータプログラム又はコンピュータプログラムが記録された記録媒体クレームについては、実務上、専利法第2条第2項に規定される「発明の定義」、又は専利法第25条第1項第2号に規定される「知的活動の法則及び方法」に該当しないとして拒絶されることが殆どである。従って、コンピュータプログラムに関わる発明については、方法クレーム、又は製品クレームで保護を図るのが望ましい。

・  中間処理時において、コンピュータプログラム又はコンピュータプログラムが記録された記録媒体クレームが拒絶された場合、当該出願に対応する製品クレーム、方法クレームがあるかを確認し、存在しない場合は、それらを削除せずに、製品クレーム又は方法クレームに変更する補正を行うことが望ましい。実務上、このような補正は多く認められている。

■ソース
・中国専利法
・中国専利審査指南 第2部分
第1章 専利権を付与しない出願
第9章 コンピュータプログラムに係る発明専利出願の審査に関する若干の規定
■本文書の作成者
北京林達劉知識産権代理事務所
■協力
三協国際特許事務所 中国専利代理人 梁熙艶
一般財団法人比較法研究センター 不藤真麻
■本文書の作成時期
2013.02.04
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