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ブラジルにおける特許出願の補正の時期的・内容的制限について

2022年12月20日

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■概要
ブラジルでは、特許出願について、審査請求前および審査請求後の自発補正のほか、オフィスアクション(補正指令)または拒絶理由通知対応の際、拒絶査定に対する不服申立の際に補正が可能である。補正の時期によって、補正可能な範囲が異なるので注意が必要である。
■詳細及び留意点

 補正手続については、産業財産権法第32条および2013年6月10日発令のブラジル産業財産庁(INPI)決議第93/2013号に定めがある。全ての補正は、書類FQ002で申請する。また、補正が可能な範囲は、補正の時期によって異なる。なお、下記の記載はいずれも実用新案にも適用される。

1.審査請求前の自発的な補正
(産業財産権法第32条および2013年6月10日発令のブラジル産業財産庁(INPI)決議第93/2013号)
 この場合に補正ができるのは、出願時の明細書、図面に最初に記載された範囲に限られる。その範囲内であれば、補正は原則として自由に行うことができる。
 例えば、請求項の変更、カテゴリーの変更、請求項のタイプ(クレームの記載形式)の変更等が可能である。

2.審査請求後の自発的な補正、またはINPIからのオフィスアクションと拒絶理由通知対応時、または拒絶査定への不服申立時の補正
(産業財産権法第32条および2013年6月10日発令のブラジル産業財産庁(INPI)決議第93/2013号)
 これらの場合に補正ができるのは、出願時の明細書、図面に最初に記載された範囲に限られる。
 ただし、原則として、審査請求後の自発補正は、軽微な誤記・誤訳訂正、出願に記載された実施例に限定する補正のみ可能である。カテゴリーの変更は原則として認められないが、審査官の裁量で認められる場合もある。
 なお、オフィスアクションへの対応期限は90日であり、この期間は外国の出願人であっても延長できない(産業財産法第36条)。

3.特許付与後
 根拠規定は存在しないが、実務上、誤記の訂正のみ認められている。

4.留意事項
 ブラジルでは、特許出願に関して、審査請求後に補正を行う場合、一般的に、クレームの補正は、出願に記載された実施例に限定する補正に限られる。なお、「出願に記載された」とは、PCT出願の場合は、国際出願書類ではなく、ポルトガル語で提出した書類が基準となる。ただし、単純な誤記については、国際出願書類に基づいて訂正することが認められる。

■ソース
・産業財産法(1996年5月14日法律第9279号、2021年9月2日法律第14200号による改正版)(LEI Nº 9.279 DE 14 DE MAIO DE 1996 (LEI DA PROPRIEDADE INDUSTRIAL, ALTERADA PELA LEI Nº 14.200, DE 2 DE SETEMBRO DE 2021))
https://wipolex.wipo.int/en/text/584937 ・決議第093/2013号(RESOLUÇÃO Nº 093/2013)
https://www.gov.br/inpi/pt-br/backup/legislacao-arquivo/docs/resolucao_093-2013__artigo_32_1.pdf/view ・書類FQ002(dirpafq002_peticao_0.pdf)
https://www.gov.br/inpi/pt-br/assuntos/informacao/arquivos/dirpafq002_peticao_0.pdf/@@download/file/dirpafq002_peticao_0.pdf
■本文書の作成者
Licks特許法律事務所
■協力
日本国際知的財産保護協会
■本文書の作成時期

2022.09.18

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