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韓国における特許出願の拒絶査定不服審判請求時の留意点

2013年04月09日

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■概要
(本記事は、2017/9/14、2023/2/14に更新しています。)
 URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/judgment/14030/(2017.9.14)
 URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/judgment/33775/(2023.2.14)

再審査制度が導入される前の従前法(2009年6月30日以前の出願に適用)では、拒絶査定不服審判請求の後30日以内に明細書の補正の機会があったが、現行法(2009年7月1日以降の出願に適用)のもとでは審判請求前後に補正することができる機会がない。
■詳細及び留意点

審査段階で拒絶査定(韓国語「거절결정(拒絶決定)」通知書をオンライン(又は書留郵便)で受領した後30日以内(1回限り2ヶ月間の延長可能)に、再審査請求又は拒絶査定不服審判をするか否かを決定しなければならない(特許法67条の2/特許法132条の3/特許法140条の2/実用新案法15条、33条)。30日という期間は十分ではないことが多いため、期間延長を行うのが一般的である。

拒絶査定通知書を受けたら拒絶理由を踏まえ、請求範囲等の補正で拒絶理由を解消できるような方法を検討した後、審判請求前に補正書提出と共に再審査請求をするのが望ましい。その理由は、再審査請求時の補正が、補正することができる最後の機会になるからである。しかし補正を希望しない場合には、再審査を経ずに拒絶査定不服審判を請求することもできる。再審査後に再び拒絶査定を受けた場合は、当該査定を受けた日から30日以内(1回限り2ヶ月間の延長可能)に拒絶査定不服審判を請求することができる。

 

審判請求前に請求項の減縮等の補正をしなければならない場合は、審判請求前に分割出願が可能なため、分割出願を行うことができる(本データベース内コンテンツ「特許分割出願制度の活用と留意点」参照)。ただし、分割出願をしたとしても、原出願の補正は不可能であることに留意する必要がある。つまり、請求項等に拒絶理由が内包されているままで拒絶査定不服審判を請求すれば、請求は却下される可能性が高いため、分割出願のみを維持し、原出願の拒絶査定不服審判は請求しないのが望ましい。なお、拒絶査定不服審判を請求した場合は、審判が確定するまでは分割出願の審査は保留される。

拒絶査定不服審判を請求した後、審判官に拒絶査定の争点等の技術内容を説明したい場合は、技術説明会の開催を要請することができる(本データベース内コンテンツ「韓国における審判官との面談及び説明会の要領」参照)。

 

【留意事項】

(1) 拒絶査定を受けた後、補正をしたい場合は、すぐに拒絶査定不服審判を請求せずに、再審査請求を行うべきである。しかし、現行法下(2009年7月1日以降の出願に適用)では、審判請求前後に補正することができる機会がない点に十分留意しなければならない。

 

(2) やむを得ず再審査請求をせずに、つまり補正なしで拒絶決定不服審判を請求しなければならない場合は、審判請求で拒絶査定が維持されたときに備え、審判請求時に分割出願をしておくことは検討に値する。

■ソース
・韓国特許法
・韓国実用新案法
■本文書の作成者
崔達龍国際特許法律事務所
■協力
一般財団法人比較法研究センター 菊本千秋
特許庁総務部企画調査課 山中隆幸
■本文書の作成時期

2012.12.21

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