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韓国における複数意匠登録出願制度について

2013年04月02日

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■概要
韓国では一部物品に対して無審査制度を採用しており、これら意匠無審査物品については20個以内の意匠を1出願書で出願することができる。
■詳細及び留意点

 複数意匠登録出願は、無審査対象物品の意匠出願にのみ認められる。無審査登録出願の対象物品は知識経済部令(韓国語「지식경제부령」)で定められており、現在指定されている大分類は、A1(製造食品及び嗜好品)、B1(衣服)、B2(雑貨類)、B3(身の回り品)、B4(かばん等)、B5(履き物類)、B9(衣服及び身の回り品の付属品)、C1(寝具、床敷物、カーテン等)、C4(家庭用保健衛生用品)、C7(慶弔用品)、D1(室内小型整理用具)、F1(教材類)、F2(事務用品類)、F3(事務用紙製品、印刷物等)、F4(包装紙、包装容器等)、F5(広告用具等)、H5(電子計算機等)、M1(織物紙、板、紐等)であり、これらの物品は複数意匠登録出願をすることができる。複数意匠登録出願は、便利な反面、注意しなければならない事項もあるので、以下詳述する(意匠法(韓国語「디자인보호법(デザイン保護法)」)第11条の2第1項)。

 

(1) 複数意匠登録出願できる物品は、意匠法施行規則第9条で定める物品の区分での分類が同じ物品でなければならない。上記分類とは、アルファベットで配列した群別分類のすぐ下位概念の分類であって、各群別分類をアラビア数字で区分した分類をいう(例:A1、B1、B2、B9、C1等)。複数意匠登録出願された意匠の物品が同一の分類に属しない場合には拒絶理由通知され、分類が相異する物品に対しては出願の分割又は出願取下げをしなければならない(意匠審査基準第14条2号)。

 

(2) 意匠無審査登録出願は20個以内の意匠を1意匠登録出願することができる。この場合、1意匠ごとに分離して出願しなければならない。即ち、出願書に意匠一連番号を付与し、その一連番号に沿って意匠図面及び説明等を記載しなければならない。複数意匠登録出願された意匠が20個を超過した場合には、拒絶理由通知後、20個を超過するデザインに対して出願の分割又は出願取下げがなされた後に登録査定(韓国語「등록결정(登録決定)」をする(意匠審査基準第14条1号)。

 

(3) 複数意匠登録出願をしようとする者は、基本意匠と共にその基本意匠に属する類似意匠を出願することができる(意匠法第11条)。即ち、韓国は類似意匠制度を採っており、自己の登録意匠や意匠登録出願した意匠(基本意匠)に物品の形状・色彩・模様等を変更した意匠を類似意匠として登録することができる。なお、類似意匠の権利は基本意匠権と不可分の一体である(類似意匠制度については、本データベース内コンテンツ「韓国における類似意匠制度について」参照)。

 

(4) 意匠審査登録対象の物品を意匠無審査登録出願した場合には、これを意匠審査登録出願に補正することができる(意匠法第18条第4項)。

 

(5) 複数意匠登録出願されたそれぞれの一つの意匠は、図面又は写真のうち一つで統一して表現しなければならない。ただし、複数の3Dモデリング図面を提出する場合には全ての意匠を3次元モデリングファイル形式で提出しなければならない(意匠審査基準第14条3号)。

 

(6) 複数意匠登録出願も意匠無審査登録出願に該当するため、意匠無審査登録出願の規定が全て適用される。したがって無審査登録出願と同じように工業上利用することができないものや、国内で広く知られた形状模様色彩又はこれらの結合によって容易に創作することができるものを含むことにより複数意匠登録出願に関する規定に違反することになれば拒絶理由通知を受けることになる(本データベース内コンテンツ「韓国における意匠の無審査登録制度」参照)。

 

(7) 複数意匠登録出願された意匠が設定登録されれば、各意匠ごとに独立した意匠権が発生し、各意匠ごとに意匠無審査登録異議申立又は無効審判請求の対象になる(意匠法第29条の2第1項、同第68条第1項後段)。

 

(8) 複数意匠登録出願に対する意匠登録査定を受けた者が登録料を納付する時には、意匠別にこれを放棄することもできる(意匠法第68条1項)。

 

(9)複数意匠登録された意匠権は、各意匠ごとに分離して移転することができる(意匠法第46条第5項)。

 

【留意事項】

 複数意匠登録出願で複数の意匠物品中いずれか一つの物品の出願が拒絶理由に該当して拒絶理由通知を受けた場合には、拒絶理由をすべて解消しないと、複数意匠出願全体が拒絶査定を受けることになる点に留意しなければならない。

■ソース
・韓国意匠法
・意匠審査基準
■本文書の作成者
崔達龍国際特許法律事務所
■協力
特許庁総務部企画調査課 山中隆幸
一般財団法人比較法研究センター 菊本千秋
■本文書の作成時期

2012.12.21

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