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中国における専利出願の取下げ

2013年02月01日

  • アジア
  • 出願実務
  • 特許・実用新案
  • 意匠

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■概要
中国では、出願について、専利出願後、権利付与されるまで、出願人がいつでも取下げることができる自発的な取下げと、専利法及び専利法実施細則に規定される手続きを行わないために取下げられたとみなされる、みなし取下げがある。
■詳細及び留意点

(1)自発的な取下げ

 中国では、出願人は、専利(特許、実用新案、意匠)出願について、権利が付与されるまで、いつでもその出願を取下げる(中国語「撤回」)ことができる(専利法第32条)。ただし、専利出願の取下げに当たっては、如何なる条件も付けてはならない(*)(審査指南第1部分第1章6.6)。

(*)例えば、公開条件を満たす案件(方式審査(中国語「初步审查」)に合格した案件)について取下げ手続を行う場合に、「公開されない」という条件をつけることはできない。

 

(i)取下げの際に必要な手続き

  • 出願人は専利出願を取下げる場合、中国特許庁(中国語「国家知识产权局」)に、発明創造の名称(中国語「发明创造的名称」)、出願番号及び出願日(中国語「申请号和申请日」)を記載した、専利出願の取下げ声明を提出しなければならない(実施細則第36条)。
  • 専利出願の取下げは出願人全員の同意が必要であり、出願人全員が署名又は捺印した専利出願の取下げに同意する旨の証明資料を添付するか、又は出願人全員が署名又は捺印した専利出願の取下げ声明そのものを提出する方法がある。なお、専利代理機構に委任している場合は、専利出願の取下げ手続はその専利代理機構が代行する必要がある(審査指南第1部分第1章6.6)。

 

(ii)取下げ声明、取下げに同意する旨の証明資料

  • 上述の出願人全員が署名又は捺印した専利出願の取下げに同意する旨の証明資料、又は出願人全員が署名又は捺印した専利出願の取下げ声明は、原本を提出しなければならない。
  • コピーの場合、公証が必要になるが、認証は不要である(審査指南第5部分第2章6)。

 

(iii)取下げ声明の取り消し

 出願人は、正当な理由がなく、専利出願の取下げ声明の取り消しを要求してはならない。但し、専利出願の真の保有者以外の者が、悪意的な専利出願取下げを要求した後に、専利出願の真の保有者(効力が生じた法律書類を提供してこれを証明しなければならない)は専利出願の取下げ声明の取り消しを要求してよいとされている(審査指南第1部分第1章6.6)。

 

(iv)効果

  • 専利出願の取下げ声明が規定事項に合致しない場合は未提出とみなす通知書が、規定に合致する場合には手続合格通知書が、審査官により発行される。専利出願の取下げの発効日は手続合格通知書の発行日であり、公開された発明専利出願については、さらに、専利公報で公告しなければならない。
  • 専利出願の取下げ声明は専利出願が公開、公告の準備段階に移行した後に提出された場合、出願書類は通常どおりに公開又は公告されるが、審査手続は終止される(審査指南第1部分第1章6.6)。
  • 自発的に取下げられた専利出願については、不可抗力の事由やその他正当な理由により専利法等で規定される期限等に間に合わず権利を消滅させた場合の権利回復の手続きについての規定(実施細則第6条)は適用されない。

 

(2)みなし取下げ

 専利出願は、主に以下の場合に取下げられたものとみなされる。

(i)特許出願については、出願人が出願日(優先日があるとき優先日)から3年以内に審査請求を行わない場合(専利法第35条第1項)

(ii)特許、実用新案、意匠出願の方式審査(中国語「初步审查」)において、補正命令(中国語「补正通知」)が出され、出願人が指定期間内に正当な理由なく応答しない場合(実施細則第44条第2項)

(iii)特許出願の実体審査において、拒絶理由通知が出され、出願人が指定期間内に正当な理由がなく応答しない場合(専利法第37条)

(iv)出願費用等を規定される期間内に納付しない場合(実施細則第95条第1項)

(v)登録料等を規定される期間内に納付しない場合(専利権の取得を放棄したとみなされる)(実施細則第54条第2項)

 

【留意事項】

 専利出願について、発明等の実施状況又は権利化の見通し等の理由から権利化は不要と判断した場合、その出願を放棄する方法として、上記の「自発的取下げ」或いは「みなし取下げ」の2つがある。

 まだ公開、公告されていない出願について、公開、公告を回避したい場合には、できるだけ早めに自発的に取下げを行うべきである。具体的には、中国では、方式審査合格通知書が発行された後、通常、約3ヵ月で公開され、登録手続きを行った後、2~3ヵ月で公告されるため、公開を回避したい場合には遅くとも方式審査合格後すぐに、公告を回避したい場合には遅くとも登録手続き後1ヵ月以内に取下げ手続を行うべきである。

 一方、既に公開になった特許出願を放棄する場合に関しては、審査請求を行わない方法や拒絶理由通知に応答しない等により、みなし取下げの方法を取った方がよいと思われる。みなし取下げは自らの意思表示をしないため、万が一、後で権利化が必要となった場合に、実施細則第6条第1項、第2項に規定される権利回復の手続きが適用される(権利回復を果たすことができる)可能性があるためである。また、みなし取下げの場合、出願を放棄する手続きを行うわけではないため、現地代理人費用が不要であるというメリットもある。

■ソース
・中国専利法
・中国専利法実施細則
・中国専利審査指南
■本文書の作成者
北京林達劉知識産権代理事務所
■協力
三協国際特許事務所 中国専利代理人 梁熙艶
特許庁総務部企画調査課 山中隆幸
一般財団法人比較法研究センター
■本文書の作成時期
2012.10.23
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