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韓国における部分意匠制度の活用及び留意点

2012年12月14日

  • アジア
  • 出願実務
  • 意匠

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■概要
韓国にも日本同様に部分意匠制度があるが、日本とは異なり、全体意匠を先に出願してしまうと部分意匠の権利取得ができなくなる点に注意が必要である。
■詳細及び留意点

 部分意匠制度は物品の部分に関する形状等の創作に対して、意匠として保護する制度で、韓国では2001年7月1日から導入されている(意匠法(韓国語「디자인보호법(デザイン保護法)」)第2条第1項)。

 

(1)出願時期

 全体意匠と部分意匠の両方の登録を受けようとする場合、部分意匠をまず出願してから全体意匠を後出願するか、部分意匠と全体出願を同日出願しなければならない(意匠法第5条第3項)。

 

(2)部分意匠の出願書類及び図面作成要領

(i)物品の名称は独立取引の対象になる物品名を記載しなければならず、物品の部分の名称を記載してはならない。

(ii) 部分意匠出願時、一つの物品の2箇所以上の部分について部分出願する場合、その部分同士は、機能及び形態面で一体性があることが求められる。この一体性が認められない場合は一意匠一出願の違反で拒絶理由通知を受けてしまうため、注意が必要である(意匠法第11条)。例えば、蓄電器の+極と-極、計算機等の数個のボタン等は一体性が認定される。

(iii)部分意匠を図面で出願する場合には、部分意匠として登録を受けようとする部分を実線で表現し、それ以外の部分は破線で表現しなければならない。そして、意匠の説明欄に、「実線で表現された部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である」という表現を明記しなければならない。

(iv)写真で出願する場合には、登録を受けようとする部分以外の部分については、黒色等の無彩色で特定し、これを撮影した写真を提出しなければならない。ただし、全体意匠が黒色等の無彩色でのみ構成された場合には、有彩色を利用することができる。

 

【留意事項】

(1)韓国においては、2010年1月意匠法改正により、斜視図の提出は必須ではなくなり、代わりに「デザイン全体形態と創作内容を明確に表現する図面」を提出すればよいことになったが、立体図面の場合は、実務上は通常、図面を明確にするため、6面図以外に斜視図を提出する。部分意匠の場合にも、登録を受けようとする部分は実線で表現し、それ以外の部分は破線で表現した斜視図を提出するのが望ましい。

 

(2)韓国において全体意匠および部分意匠の両方について権利を取得する場合には、部分意匠をまず出願してから全体意匠を後出願するか、部分意匠と全体出願を同日出願しなければならない。韓国では、日本の意匠法第3条の2但書にあたる規定はなく、全体意匠を先に出願してしまうと部分意匠の権利取得ができなくなる点に注意が必要である。

 

(3)日本の意匠出願を基礎にパリ優先権を主張して韓国へ部分意匠出願する場合、日本の基礎出願は部分意匠出願でなければならない。日本の全体意匠出願を韓国の部分意匠出願の優先権主張の基礎とすることはできない。日本で全体意匠についても出願をする場合は、韓国での審査における判断基準日(優先日)を考慮して、日本での2つの出願(全体意匠出願および部分意匠出願)を同日に行うか、全体意匠よりも部分意匠を先に出願しておく必要がある。

■ソース
・韓国意匠法
・韓国特許庁ホームページ 部分デザイン制度
http://www.kipo.go.kr/kpo/user.tdf?a=user.html.HtmlApp&c=8026&catmenu=m06_03_03
■本文書の作成者
崔達龍国際特許法律事務所
■協力
特許業務法人 深見特許事務所
一般財団法人比較法研究センター 菊本千秋
■本文書の作成時期
2012.10.15
■関連キーワード
意匠   KR-cm-2000   部分意匠   実務者向け   KR:韓国   大韓民国   2001  

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