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(韓国)他人の出願に対する情報提供制度の活用

2012年11月09日

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■概要
情報提供制度とは、誰でも、他人の特許出願に対して当該出願が特許されてはならないという趣旨の情報を証拠資料と共に提供するもので、審査官が審査をより正確に行うための制度である。手続面でも費用面でも、情報提供は無効審判と比べて、他人の発明が特許となることを防ぐ方法として有効である。
■詳細及び留意点

情報提供制度について、詳述する。いずれの内容も、特許法及び「特許・実用新案 審査指針書」に規定されている。

(a)情報提供ができる者

情報提供は、自然人又は法人を問わず誰でも行うことができる(特許法第63条の2/実用新案用法第15条)。実在する個人又は法人等の名前で行う必要があるため、会社名や事務所名を出したくない場合は、所属する社員の個人名等で行うこともあるが、情報提供者の名前を省略することはできない。

 

(b)情報提供ができる時期

出願が無効・取下・放棄または特許拒絶査定が確定した場合には、情報提供をしても実益がないので、特許出願が特許庁に係属中である場合にのみ可能である。

 

(c) 情報提供の対象となる証拠資料(提供できる情報)

拒絶理由を有する証拠となる資料を提出する。

 

なお、証拠資料の言語はいずれの言語でもよいが、外国語は韓国語翻訳文を添付しなければならない。証拠資料は刊行物以外にも、講演会の原稿、出願前に公然に知らされた事実証明書類等でもよい。対象出願の発明の詳細な説明で、通常の知識を有する者が容易に実施できる程度に記載されていない場合は、その事実を証明するための実験成績書等も証拠資料として提出可能である。

 

(d)提出先及び提出方法

特許庁にオンラインまたは郵送で提出が可能である。あるいは、特許庁又は特許庁ソウル事務所に直接持参してもよい。

 

(e)情報提供者への通知

審査官は上記の情報提供がある出願が特許拒絶査定若しくは特許査定、又はそれ以外の事由で審査が終結される場合には、その結果及び提出された情報の活用の有無を情報提供者に通知しなければならない。

 

(f)情報提供書類の閲覧

情報提供書類の閲覧は情報提供者のみ可能である。

 

 

【留意事項】

(1)情報提供は特許出願が公開される前であったとしても、出願の情報が確認された場合(たとえば、製品について特許出願を行った旨、出願番号、発明内容等が記載されたパンフレットが配布された場合など)、情報提供が可能である。

(2)情報提供の期間は定められていないが、上述のように、特許出願が特許庁に係属していれば可能である。日本では特許付与後の情報提供も可能であるが、韓国では認められていない点に留意が必要である。

(3)他人の発明が特許になることを防ぎたい場合で特に有力な情報を入手している場合には、出来るだけ早く提出し、審査の参考になるようにするのが望ましい。また、無効審判に比べて、手続面でも費用面でも情報提供が有利であることから、特許付与前に情報提供を行うことが好ましい。

(4)情報提供書類の閲覧は、日本では第三者も可能であるのに対して、韓国では情報提供者のみに限られる点に留意が必要である。

■ソース
・韓国特許法
・韓国実用新案法
・特許・実用新案 審査指針書
・特許法施行規則 書式23情報提出書
http://www.law.go.kr/lsSc.do?menuId=0&p1=&subMenu=1&query=%ED%8A%B9%ED%97%88&x=0&y=0#AJAX 上記サイトへアクセスし、左欄の上から7番目「특허법 시행규칙(特許法施行規則)」を選択し、一番下にある書式一覧から23番目の[서식 23] 정보제출서([書式23]情報提出書)をクリック
■本文書の作成者
崔達龍国際特許法律事務所
■協力
特許業務法人 深見特許事務所
一般財団法人比較法研究センター 菊本千秋
特許庁総務部企画調査課 山中隆幸
■本文書の作成時期

2012.11.09

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