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韓国における複数意匠登録出願制度について

2020年04月30日

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■概要
(2022年5月27日訂正:
本記事のソース「意匠(韓国語「デザイン」)審査基準第2部第3章」のURLが、リンク切れとなっていたため、修正いたしました。)

韓国における意匠登録出願は1意匠1出願が原則だが、産業資源部令で定める物品類の区分で同じ物品類に属する物品に対しては、100個以内の意匠を1出願で出願できるようになった。この制度を“複数意匠登録出願制度”という。
■詳細及び留意点

複数意匠登録制度について下記のとおり詳細を説明する。

(1)複数意匠登録出願できる物品は、意匠法(韓国語「디자인보호법(デザイン保護法)」)施行規則第38条で定める物品の区分(ロカルノ分類)で同一分類の物品でなければならない。複数意匠登録出願された意匠の物品が同一分類に属しない場合には拒絶理由通知がされ、分類が相異する物品に対しては出願の分割または出願取下げをしなければならない。

(2)複数意匠登録出願は100個以内の意匠を1意匠登録出願として出願することができる*1。この場合、図面は1意匠ごとに分離して表現しなければならない。即ち、出願書に意匠一連番号を付与し、その一連番号に沿って意匠図面および説明等を記載しなければならない。複数意匠登録出願された意匠が100個を超過した場合には、拒絶理由通知書を受けることになり、この際に100個を超過する意匠に対しては出願の分割または出願取下げをすることができる。

*1: 2014年7月1日に施行された改正意匠法により、1意匠登録出願として出願することができる意匠の数が20個以内から100個以内へ変更された。(意匠法(韓国語「デザイン保護法」)第41条)

(3)複数意匠登録出願された意匠のうち一部意匠にのみ拒絶理由がある場合、拒絶理由がある意匠の一連番号、意匠の対象になる物品およびその拒絶理由を明示し、拒絶理由(意見提出通知)を通知するようになっている(意匠法(韓国語「デザイン保護法」)第63条2項)。

(4)複数意匠登録出願の一部の意匠にのみ拒絶理由があり、その拒絶理由が解消されない場合、その一部の意匠に対してのみ拒絶決定をすることができるようになっている(意匠法第62条5項)。

(5)複数意匠登録出願された各意匠は、図面または写真のうちのいずれかで統一して表現しなければならない。ただし、複数の3Dモデリング図面を提出する場合には全ての意匠を3次元モデリングファイル形式で提出しなければならない。

(6)複数意匠登録出願された意匠が設定登録されれば、各意匠ごとに独立した意匠権が発生し、各意匠ごとに意匠一部審査登録*2の異議申立または無効審判請求の対象になる(意匠法第68条第1項後段、同法第121条第1項後段)。

*2: 1998年3月1日に無審査登録制度が導入され、2014年7月1日の改正により一部審査登録制度へ変更された。

(7)複数意匠登録出願に対する意匠登録査定を受けた者が登録料を納付する時には、意匠別に放棄することもできる(意匠法第105条1項)。

(8)複数意匠登録された意匠権は、各意匠ごとに分離して移転することができる(意匠法第96条第5項)。

(9)留意事項

複数意匠の登録出願は審査または一部審査物品に関係なく物品区分(ロカルノ分類)における同一物品類でなくてはならず、1出願には100個以内まで含めることが可能である。

■ソース
・意匠法(韓国語「デザイン保護法」)
http://www.choipat.com/menu31.php?id=23
・意匠(韓国語「デザイン」)審査基準第2部第3章「2.複数意匠登録出願」
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/kr/ip/law/design2020.pdf
■本文書の作成者
崔達龍国際特許法律事務所
■協力
日本国際知的財産保護協会
■本文書の作成時期

2019.08.13

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