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中国における実用新案出願制度概要
2012年07月30日
■概要
(本記事は、2021/11/30に更新しています。)URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/21210/
中国実用新案出願の流れ
実用新案の出願手続きは、主に、(i)出願、(ii)方式審査、(iii)登録・公告の手順で進められる。実体審査は行われず、登録後の無効請求により対応される。実用新案特許権の存続期間は出願日から10年。
■詳細及び留意点
(1)出願手続き
(i)出願
- 出願書類は、願書、明細書及びその概要、図面、特許請求の範囲等(専利法第26条、専利法実施細則第17条)
- すべての書類は中国語で提出する必要があり、中国語でない場合は不受理となる(専利法実施細則第3条・同第39条。以下単に「細則」とする)。外国語出願制度はない。
- 日本と異なり、特許・実用新案・意匠の間での出願変更制度はない。ただし、同一の出願人が同一の発明創造に対して、同時に実用新案特許と発明特許の双方を出すことは認められている(専利法第9条)。
- パリ条約を利用した優先権主張は、第一国への出願から12ヶ月以内にしなければならない(専利法第29条)。PCT出願の場合は、優先日より30ヶ月以内に中国国内移行手続きを行う必要がある。この期間は期限延長費を支払うことにより2ヶ月延長できる(細則第103条)。
(ii)方式審査(中国語「初步审查」)
- 願書や添付書類などが所定の方式に適合しているか否か及び、明らかに不登録事由に該当するか否かの審査が行われ、必要に応じ、指定に期限内に意見の陳述又は補正をするよう通知される(専利法第40条、細則第44条)。
- 新規性(調査を経ずに顕著に新規性を有しない場合を除く)、進歩性を有するか否かの実体審査は行われず(登録後の無効請求により対応される)、出願公開制度、審査請求制度もない。
(iii)登録・公告
- 審査の結果、出願を却下する理由が存在しない場合には権利付与決定の後、実用新案権(中国語「实用新型专利权(実用新型専利権)」)が付与され、その旨が公告される。実用新案特許権は公告日から有効となる(専利法第40条)。
- 実用新案出願が拒絶された場合には、出願人は拒絶査定の通知の日から3ヶ月以内に審判部(中国語「专利复审委员会(専利復審委員会)」)に対して再審(中国語「复审(復審)」)の請求をすることが出来る(専利法第41条)。
- 登録手続を行う際には、特許登録料、公告印刷料及び特許付与年の年金を納付しなければならない(細則第97条)。
- 実用新案特許権の存続期間は、出願日から10年(専利法第42条)。なお、出願日は初日に算入する(審査指南第五部分第九章2.1)。
(2)自発的補正
- 出願人は、出願日より2ヶ月以内に、実用新案特許出願を自発的に補正(中国語「修改」)することができる。書類の補正は、元の明細書と請求項の範囲を超えてはならない(専利法第33条、細則第51条)。
(3)評価報告書
- 実用新案特許権の付与決定が公告された後に、実用新案権者及び利害関係者は侵害訴訟における証拠となる実用新案特許権の評価報告書(中国語「专利权评价报告(専利権評価報告)」)の作成を中国特許庁に請求することができる(専利法第61条、細則第56条)。
- 利害関係者とは、裁判所に侵害訴訟を提起する権利を有する原告、例えば、実用新案権、専用実施権者、及び実用新案権者から契約等により訴権を取得した通常実施権者を言う。
■ソース
[特許庁委託事業]外国産業財産権侵害対策等支援事業(一般社団法人発明推進協会)http://iprsupport-jpo.go.jp/miniguide/miniguide.html 特許庁 外国産業財産権制度情報
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/s_sonota/fips/mokuji.htm
■本文書の作成者
北京林達劉知識産権代理事務所■協力
一般財団法人比較法研究センター■本文書の作成時期
2012.07.04