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韓国特許・実用新案出願における新規性喪失の例外規定

2012年10月25日

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■概要
発明者(またはその承継人)が出願前に国内または国外で発明を公知した全ての行為に対して、公知日から1年以内に出願すれば、新規性喪失の例外規定の適用を受けることができる。しかし、規定された要件に合わなかったり、または規定の手続き通りに履行しても、第三者の介入により特許を受けることができない問題も発生しうるので注意が必要である。
■詳細及び留意点

 新規性喪失の例外の要件及び手続は次のとおりである(特許法第30条、実用新案法第5条、審査指針書)。

(i)公知の対象
 韓国では公知形態は問われず、特許を受けることができる権利を有する者が韓国国内または国外で公知した全ての公知が対象となる。ただし、条約または法律に基づき国内または国外で出願公開されたり、登録公告された場合は、特許を受けることができる権利を有する者による公知でないため、除外される。なお、日本では、従来は学会発表や試験、刊行物発表等、一定の公知行為にしか新規性喪失の例外規定は適用されなかったが、2012年4月1日施行の改正特許法では公知手段の制限は撤廃された。

(ii)公知にした者
 発明者またはその承継人でなければならない。発明者の許可を受けた者であったとしても、特許を受けることができる承継人でなければ、この規定の適用を受けることができない。ただし、公開を委託して新聞記事に載せ、記事内に発明者または承継人が記載されていれば、適用を受けることができる。なお、記事内に発明者または承継人が記載されていなくても原稿の寄稿者が権利者であることを認証することができる場合は適用可能である。
 また、特許を受けることができる権利を有する者の意志に反して、即ち、漏洩・盗用等によって、第三者が発明を公知とした場合にも新規性喪失の例外規定の適用を受けることができる。

(iii)時期的制約
 出願は公知日から1年以内にしなければならない。複数の公開である場合には、最初の公開日から1年以内に出願しなければならない。日本出願を基礎として優先権主張をするとしても、この規定の適用を受けるためには、公知日から1年以内に韓国に出願しなければならない。

 PCTの場合は、公知日から1年以内にPCT出願をし、韓国国内移行過程においては、国内書面提出期間経過後(その期間内に審査請求をした場合にはその請求日から)、30日以内に新規性擬制の旨を記載した書類と公知事実を証明できる書類を提出しなければならない(特許法第200条/特許法施行規則第111条/実用新案法第41条/実用新案法施行規則第17条)。

(iv)要件
 この規定の適用を受けるためには、必ず出願時に、願書に新規性喪失の例外適用を受ける旨を記載しなければならない。なお、特許を受ける権利を有する者の意に反して、即ち、漏洩・盗用等によって公知とされた場合に願書にその旨を記載する必要はない。

(v)証明書類の提出
 証明書類は、出願日から30日以内に提出しなければならない。 発明者が提出した証明書類に問題がある場合、方式審査で補正命令を受ける。即ち、公知行為を行った者と出願人(発明者)が一致しない場合、公知日が間違っている場合等、補正命令をし、その時に補正することができる。しかし、補正ができなければ、新規性喪失の例外規定の適用の手続きに関して無効処分を受けることになり、提出された公知資料は先行技術に使用され得る。方式審査で補充資料が要求される場合もある。

 

【留意事項】

 新規性喪失の例外規定では、公知となった日から1年以内に出願すれば、この規定の適用を受けることができる。韓国では新規性喪失の例外規定の期限が公知となった日から1年と日本より長いが、可能な限り早く出願することが望ましい。その理由としては次のとおりである。

 まず、公知Aとなった日から出願Aの間に、同一発明について第三者により公知Cとなった場合、新規性喪失の例外適用を受けた出願Aは新規性欠如(特許法第29条第1項)により特許を受けることができないことになるからである。ただし、第三者による公知Cが出願人の意に反してなされたという事実が明白な場合は、別途の新規性喪失の例外規定の適用を受け、特許を受けることができる。

 また、別の理由としては、公知Aとなった日から出願Aまでの間に、同一発明について第三者により出願Bがなされた場合、第三者の出願Bは公知Aに基づく新規性欠如により特許を受けることができないが、新規性喪失の例外適用を受けた発明者による出願Aも、第三者による出願Bが公開Bされると、拡大された先願(特許法第29条第3項)に基づき、特許を受けることができないからである。

 

 ※平成26年10月20日記事の一部変更

■ソース
・韓国特許法
・特許・実用新案 審査指針書
■本文書の作成者
崔達龍国際特許法律事務所
■協力
一般財団法人比較法研究センター 菊本千秋
■本文書の作成時期

2012.10.18

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