アジア / 出願実務
韓国における意匠出願時の図面作成要領
2018年10月25日
■概要
韓国では、意匠法施行規則の改正(2014年4月21日改正、2014年7月1日施行)に伴い、図面作成において自律化図法方式で図面を記載するように改正して施行している。従来は、図面作成において正投影図法(斜視図と六面図)または自律化図法で選択していたが、改正法では自律化図法に統合され、正投影図法も含んで作成することができる。■詳細及び留意点
図面の作成方法においては、意匠法施行規則別紙第4号書式および意匠審査基準に規定されており、下記のように作成する。
1.意匠出願書の作成において「意匠の図面」は【物品類】、【意匠の対象とる物品】、【意匠の説明】、【意匠の創作内容の要点】、図面(【図面1.1】、【図面1.2】、【図面1.3】、【図面1.4】、【図面1.5】、【図面1.6】、【図面1.7】…)の順で作成するようになっている。
2.上記出願書の【意匠の説明】欄に図面説明をしなくてはならない。
3.図面の記載順序は、創作内容を最もよく表現した図面を優先順位とし、「意匠の説明」欄に「【図面1.1】、【図面1.2】、【図面1.3】、【図面1.4】、【図面1.5】、【図面1.6】、【図面1.7】…」の順で図面説明をしなければならない。
記載例示):図面1.1は全体的な形態を表現した図面で、図面1.2は意匠の正面を表現した図面であり、図面1.3は意匠の背面を、図面1.4は意匠の左側面を、図面1.5は意匠の右側面を、図面1.6は意匠の平面を、図面1.7は意匠の底面を表現した図面である。
4.正投影図法で作成された図面は、図面の修正なしに上記例示に合わせればよい。
5.意匠の具体的な形態を表現するために付加図面が必要な場合には、展開図、断面図、切断部断面図、拡大図、部分拡大図または分解斜視図等を【付加図面1.1】、【付加図面1.2】、【付加図面1.3】…の順とし「意匠の説明」欄で説明する。
記載例示):付加図面1.1は展開図面で、付加図面1.2は切断部断面図であり、付加図面1.3は拡大図面である。
6.その他に意匠の用途等についての理解を助けるために、参考図面が必要な場合には、使用状態図、各部名称を示す図面等を【参考図面1.1】、【参考図面1.2】とし、「意匠の説明」欄で説明する。
記載例示):参考号面1.1 は使用状態図で、参考図面1.2は各部の名称を表現した図面である。
7.意匠の内容を充分に表現するために何組かの図面が必要な場合(動くもの、開くもの)には、「変化前状態の図面は図面A1.1から図面A1.7までであり、変化後の図面は図面B1.1から図面B1.7までである」のように「意匠の説明」欄で説明する。
8.次の場合には、該当図面を省略することができる。ただし、【意匠の説明】欄に省略理由を記載しなければならない。
(1)正面と背面が同じか対称の場合
(2)左側面部分と右側面部分が同じか対称の場合
(3)平面部分と底面部分が同じか対称の場合
(4)上記の他に図面中で同じ部分が複数の場合
(5)恒常設置または固定されていて特定部分を見ることができない場合
(6)画像デザインの場合
9.図面を3次元モデリング(Modeling)ファイル形式で提出する場合には、3DS(3D Studio)、DWG(Drawing)、DWF(Design Web Format)、IGES(Initial Graphic Exchange Specification)または3DM(3 Dimensional Modeling)ファイルを使用することができる。また複数で提出する場合には、すべてのデザインを3次元モデリングファイル形式で提出しなければならない。
10.図面内には、中心線、基線、水平線等を表示するための細線または内容の説明をするための支持線、符号または文字を記入することはできない。ただし、陰影を加える場合には模様と混同されない範囲で、細線、点または濃淡等を制限的に使用することができ、断面を表示する場合、切断された部分にハッチング(連続した斜線)を使用しなければならない。
■ソース
・韓国意匠法・韓国意匠法施行規則
・韓国意匠審査基準
■本文書の作成者
崔達龍国際特許法律事務所■協力
日本技術貿易株式会社■本文書の作成時期
2018.02.08