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ブラジルにおける指定商品または役務に関わる留意事項

2016年05月30日

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■概要
ブラジル国家産業財産権庁(Instituto Nacional da Propriedade Industrial : INPI)は、2000年1月、それまでの国内分類に代わって、「商品およびサービスの国際分類」(ニース国際分類)を採用した。現在、INPIは、ニース国際分類第10版を使用している。ニース国際分類の採用以降、INPIは、類見出し(クラスヘディング)による記載を認めなくなり、具体的な商品または役務の指定を要求するようになった。ニース国際分類に基づく商品およびサービス国際分類表に準拠した商品または役務の記載を用いることが望ましい。
■詳細及び留意点

【詳細及び留意点】

 ブラジルにおいては多区分出願が認められず、区分毎に独立した出願を行わなければならない。

 さらに、各出願には、INPIにより現在採用されているニース国際分類の版(第10版)に従った商品または役務の指定を記載しなければならない。

 電子商標出願書式への記入に際して、出願人は、(a)INPIにより公表されたリスト(ニース国際分類の商品および役務リストと一致する)から商品または役務を選択する、または、(b)出願人が固有に作成した商品または役務の記載を提出する、という2つのオプションがある。オプション(a)には、庁による商品または役務の審査が不要となる事から、約20%公費が低く抑えられることと、商品または役務の記載についてオフィスアクションの発生を回避できる(当該リストがINPIにより事前承認されているため)という利点がある。

 INPIは、商品または役務の広範な記載を認めていない。類見出し(クラスヘディング)や広範な記載が出願に含まれている場合、拒絶理由通知がくる可能性が高く、この対応のために意見書を送り再度審査するために手続の遅延が生じるおそれがある。また、この手続きのために新たな費用の発生も生じる。

 商品または役務の適切な分類について疑義が生じた場合、所定の公費を納付することにより、商品および役務分類委員会(Goods and Services Classification Commission : CCPS)に照会することが可能である。照会内容を検討後、CCPSは、ブラジル産業財産権公報(RPI)においてその回答を公示する。

 出願がパリ条約の優先権を含む場合、商品または役務の記載は、海外の優先権基礎出願と同一または基礎出願の商品または役務記載に含まれる限定的記載でなければならないことにも注意を要する。

 なお、2000年以前に認可または更新された登録については、商品および役務の広範な記載を認める古い国内分類のままとなっている。

 

採用されているニース国際分類の版

 INPIは、ニース国際分類第10版を使用しており、第11版の採用は2017年と見込まれる。

 

審査基準

 INPIの審査官は、ニース国際分類を基準として、出願に示された商品または役務が、出願された区分にしたがっているか否かを確認する。

 出願後、新たな商品または役務を追加する補正は認められない。しかし、商品または役務を縮減する補正は認められる。

 INPIの審査官は審査の過程において、その職権により、出願された区分へ適合させるために、指定商品または役務の記載にマイナーな変更を行うことができる。通常、これらの変更は何らかの表現を含めること(例えば「医療用」や「医療用を除く」など)、または、出願された区分に属さない一部商品または役務を除外することである。

 INPIの審査官が、出願区分と指定商品または指定役務との間の不一致を確認した場合(例えば、指定商品が2以上の区分を包含する場合など)、拒絶理由通知を発行し、出願人に対して不一致を明らかにし、不適切な商品または役務を除外するよう求める。除外された商品または役務を保護するには新規出願を行わなければならない。分割出願による対応は認められていない。

 拒絶理由通知は、商品または役務に関してあいまいな記載がある場合にも発行されることがある。この場合、出願人は、拒絶理由通知に応じ、希望する商品または役務を明確に示さなければならない。

 さらに、ブラジルの商標出願では、出願時に事業内容を宣誓するが、INPIの審査官は、審査の過程において、指定商品または指定役務が、出願人が出願時に宣言した事業内容に沿うものであるか否かについても審理する。指定商品または役務と事業内容とが一致しない場合も拒絶理由通知が発行され、出願人に対して、自身の事業内容に関する証拠を提出するよう要求されることがある。

 拒絶理由通知が発行された理由にかかわらず、期限内に応答がない、または期限内に指令内容に応じない場合、当該出願は失効したものとみなされ、拒絶査定が発行される。

 

指定商品または指定役務が公費に与える影響

 商品または役務の数により、公費が変わることはない。つまり、例えば一つの指定商品の出願と15の指定商品の出願は同じ公費を納付することになる。

 公費は、出願の提出方法により異なる。現在、INPIは、(INPIのウェブシステムを通じた)電子出願と紙媒体による出願を認めているが、電子出願は紙媒体による出願よりも安価である(約20%安い)。

 電子出願では、INPIにより公表されたリスト(ニース国際分類の商品および役務リストと一致する)を使うか、または、出願人が固有に作成した商品または役務の表記を使うか、自由である。公費は、電子出願制度の中でも変わり、公費を比較すると、前者は、後者に比べて約20%安価となる。紙媒体による出願においては、このような公費の相違は発生しない。

 CCPS(商品および役務分類委員会)に対する商品または役務記載に関する相談は有料であり、その相談に対する公費は、照会する商品または役務の数に応じて異なる。

 

留意事項

 商品の補正に起因する公費や代理人検討料の新たな費用の発生や、拒絶理由対応などオフィスアクションによる余分な時間の経過を回避するため、希望する商品または役務を正確に記載することを推奨する。INPIにより公表されたリスト(ニース国際分類の商品および役務リストと一致する)に則ることが望ましい。これにより、オフィスアクションの回数が増えることを避け、手数料を必要最小限に抑えることができる。

 ブラジルでは、商標登録出願、商標登録更新のいずれにおいても、商標の使用証拠の提出は要求されない。

■ソース
・ブラジル産業財産権法
・INPI(国家産業財産権庁)ガイドライン(INPI決議第142/2014号)
・INPI(国家産業財産権庁)データベース
http://www.inpi.gov.br/menu-servicos/marcas/classificacao
■本文書の作成者
Dannemann Siemsen Bigler & Ipanema Moreira
■協力
日本技術貿易株式会社
■本文書の作成時期
2015.12.23
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