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韓国における著名商標の保護

2016年03月29日

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■概要
韓国商標法は先願主義を採用しているが、未登録の著名商標を他人が無断で登録を受けて使用した場合に需要者が出所の誤認混同を生ずる等の弊害を防止するため、著名商標を保護する規定を設けている。商標法はそもそも未登録著名商標の他人による「登録」を禁止するものである。一方、韓国不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律(日本における不正競争防止法に相当。)は、韓国において登録されていない著名商標と同一または類似の商標を他人が無断で「使用」することを禁じている。
■詳細及び留意点

【詳細】

(1)韓国特許庁の立場

  韓国特許庁は、出願された商標が下記条項に該当すると判断した場合、出願人にその該当事由を通知して意見書を提出する機会を与え、意見書を参照しても依然として該当事由が解消されないと判断した場合、出願された商標の登録を拒絶している。

(i)商標法第7条第1項第6号:著名な他人の氏名・名称または商号・肖像・署名・印章・雅号・芸名・筆名もしくはこれらの略称を含む商標

 解説:必ずしも商標でなくても、著名人の名前または著名企業の商号はこの規定に基づいて保護を受けることができる。

 (ii)商標法第7条第1項第9号:他人の商品を表示するものとして需要者間に顕著に認識されている商標と同一または類似の商標であってその他人の商品と同一または類似の商品に使用する商標

 (iii)商標法第7条第1項第10号:需要者間に顕著に認識されている他人の商品や営業と混同を起こさせ、またはその識別力または名声を損傷するおそれがある商標

 解説:本条項における「需要者間に顕著に認識」されている程度とは、第7条第1項第9号における「需要者間に顕著に認識」されている程度よりも高い著名性を意味すると解釈されている。同条項は、「著名」に至る程度に著名商標が使用されている商品と関連がない商品の領域でも保護を受けることができるようにした条項である。

 (iv)商標法第7条1項第11号:商品の品質を誤認させ、または需要者を欺瞞するおそれがある商標

 解説: 韓国法院(日本における裁判所に相当)は後段の「需要者を欺瞞するおそれがある」を著名商標保護のための規定と解釈してきた。判例によれば、需要者間に特定人の商品を表示するものとして認識されている商標と同一または類似の商標であって、その特定人の商品と同一または類似、もしくは経済的結合関係にある商品に使用される商標は、需要者を欺瞞するおそれがある。この解釈によれば、第7条第1項第9号よりも緩和した条件で著名商標として保護を受けることができるため、本条項により第7条第1項第9号は事実上死文化している。

 (v)商標法第7条第1項第12号:国内または外国の需要者間に特定人の商品を表示するものとして認識されている商標と同一または類似の商標であって、不当な利益を得ようとし、もしくはその特定人に損害を加えようとする等の不正な目的をもって使用する商標

 解説: 他の条項はすべて韓国内で著名な場合を要求しているが、本条項は外国でのみ著名な場合にも適用されるため、著名商標の保護に有用である。

 

(2)著名商標権者の立場

  上記条項に該当する商標であるにもかかわらず、韓国特許庁が審査時にこれを事前に発見できずに登録される場合がある。著名商標権者は韓国特許庁に出願される商標をモニタリングし、自己の著名商標に類似する商標を発見した場合、情報提供または異議申立等の手続を通じてその登録の阻止を図ることができる。また、既に登録がなされた商標であれば、無効審判を通じてその登録の無効を図ることができる。情報提供、異議申立、無効審判時に最も重要なものは著名性を立証することができる証拠であるが、売上高、広告費、市場占有率に関する信憑性ある資料、広告物、新聞雑誌の記事等が主に証拠として提出される。

○著名商標保護の強化

  これまでは先願主義という名のもとに著名商標の保護が不十分であったが、インターネットの発達、海外旅行や交易の増加等により海外著名商標保護の必要性、さらに国際的な制度調和による必要性が高まったことを受け、韓国特許庁は審査時にインターネット検索等を積極的に活用し、海外著名商標を他人が無断で登録することを未然に防ぐ努力をしている。

○不正競争防止法上の著名商標の保護

  韓国商標法は、著名商標と同一または類似の商標を他人が無断で登録することを防ぐ規定があるだけで、そうした商標の使用を禁ずる規定はない。一方、不正競争防止法は、韓国において登録されていない著名商標と同一または類似の商標を他人が無断で使用することを禁じている。ただし、不正競争防止法により保護を受けるためには韓国で広く認識されている必要があり、その程度は「需要者間に顕著に認識」されている程度よりは低く「需要者間に特定人の商品を表示するものとして認識」されている程度であれば十分であると解釈されている。

■ソース
・韓国商標法
・韓国不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律
■本文書の作成者
中央国際法律特許事務所
■協力
日本技術貿易株式会社
■本文書の作成時期
2015.02.13
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