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日本とロシアにおける意匠の新規性喪失の例外に関する比較

2015年09月18日

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■概要
ロシア意匠出願における意匠の新規性喪失の例外規定に関しては、民法第1350条3項に規定されている。日本と同様に発明者による開示行為も、新規性喪失の例外規定の適用を受けることが可能である。この開示日から12ヶ月以内に出願をする必要があるが、公開の証明資料は提出不要である。
■詳細及び留意点

日本における意匠出願の新規性喪失の例外

 日本においては、新規性を喪失した意匠の救済措置として、新規性喪失の例外規定が定められている。新規性喪失の例外規定の適用要件は以下の通りである。

1 出願に係る意匠が、意匠登録を受ける権利を有する者(創作者または承継人)の意に反して公開されたこと(第4条第1項)または

2 出願に係る意匠が、意匠登録を受ける権利を有する者(創作者または承継人)の行為に基づいて公開されたこと(第4条第2項)

上記いずれの場合についても、以下の要件を満たす必要がある。

(1)意匠登録を受ける権利を有する者が意匠登録出願をしていること

(2)意匠が最初に公開された日から6ヶ月以内に意匠登録出願をしていること

なお第4条第2項に記載される自己の行為に基づく新規性喪失については、さらに以下の手続が必要となる。

(3)出願時に、意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとする旨を記載した書面を提出、あるいは願書にその旨を記載すること(第4条第3項)。

(4)出願の日から30日以内に、公開された意匠が新規性喪失の例外規定の適用を受けることができる意匠であることを証明する「証明書」を証明書提出書とともに提出すること(第4条第3項)。

 

「証明書」には、意匠が公開された事実(公開日、公開場所、公開された意匠の内容等)とともに、その事実を客観的に証明するための署名等を記載することが必要である。上記要件を満たした場合、その意匠登録出願に限り、その公開意匠は公知の意匠ではないとみなされる。

条文等根拠:意匠法第4条

 

日本意匠法 第4条 意匠の新規性の喪失の例外

1 意匠登録を受ける権利を有する者の意に反して第三条第一項第一号または第二号に該当するに至った意匠は、その該当するに至った日から六月以内にその者がした意匠登録出願に係る意匠についての同条第一項および第二項の規定の適用については、同条第一項第一号または第二号に該当するに至らなかつたものとみなす。

2 意匠登録を受ける権利を有する者の行為に起因して第三条第一項第一号または第二号に該当するに至った意匠(発明、実用新案、意匠または商標に関する公報に掲載されたことにより同条第一項第一号または第二号に該当するに至ったものを除く。)も、その該当するに至った日から六月以内にその者がした意匠登録出願に係る意匠についての同条第一項および第二項の規定の適用については、前項と同様とする。

3 前項の規定の適用を受けようとする者は、その旨を記載した書面を意匠登録出願と同時に特許庁長官に提出し、かつ、第三条第一項第一号または第二号に該当するに至った意匠が前項の規定の適用を受けることができる意匠であることを証明する書面を意匠登録出願の日から三十日以内に特許庁長官に提出しなければならない。

 

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ロシアにおける意匠出願の新規性喪失の例外

ロシアでは民法第1350条3項に新規性喪失の例外規定がある。この中で、出願に係る意匠が出願前に公知になった場合であっても、新規性喪失の例外の適用を受けることにより、当該公知意匠を新規性および独創性の判断における公知意匠から除くことができると規定されている。

 また創作者による開示行為も、新規性喪失の例外規定の適用を受けることが可能である。この開示日から12ヶ月以内に出願をする必要があるが、公開の証明資料は提出不要である。

条文等根拠:民法第1350条第3項

 

ロシア民法 1350条

(3)発明に関連した情報につき、当該発明者、出願人、または発明者もしくは出願人から直接的もしくは間接的に当該情報を受領したその他の者による開示であって、当該発明の本質に関する情報を公表したものは、当該発明に係る特許出願を情報の開示日から12ヶ月以内にロシア連邦知的財産当局に提出した場合、発明の特許性の認定を妨げる事情とはならないものとする。当該事情が発生したが、当該事情をもってしても情報の開示が発明の特許性の認定を妨げないことの立証責任は出願人が負担するものとする。

 

日本とロシアにおける意匠の新規性喪失の例外に関する比較

 

日本

ロシア

新規性喪失の例外の有無

公知行為の限定の有無

 

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新興国等知財情報データバンク 調査対象国、地域における意匠の新規性喪失の例外については、下記のとおりである。

 

意匠の新規性喪失の例外に関する各国比較

新規性例外の有無

例外期間

例外期間の起算日

公知行為の限定の有無

JP

6ヶ月

公開日

BR

180日間

公開日

CN

6ヶ月

公開日

HK

6ヶ月

公開日

ID

6ヶ月

公開日

IN

6ヶ月

公開日

KR

6ヶ月

公開日

MY

6ヶ月

公開日

PH

6ヶ月

公開日

RU

12ヶ月

公開日

SG

6ヶ月

公開日

TH

12ヶ月

公開日

TW

6ヶ月

公開日

VN

6ヶ月

公開日

■本文書の作成者
日本技術貿易株式会社 IP総研
■本文書の作成時期

2015.03.03

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