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日本とタイにおける特許分割出願に関する時期的要件の比較

2015年10月16日

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■概要
日本とタイにおいては、それぞれ所定の期間、特許出願について分割出願を行うことができる。タイにおいては、分割指令を受領した日から所定期間以内に分割出願を行うことができるが、出願人が自発的に分割出願を行うことはできない。
■詳細及び留意点

日本における特許出願の分割出願に係る時期的要件

 平成19年3月31日以前に出願された特許出願であるか、平成19年4月1日以降に出願された特許出願であるかによって、時期的要件が異なる。

 平成19年3月31日以前に出願された特許出願については、下記の(1)の時または期間内であれば分割出願することができる。

 平成19年4月1日以降に出願された特許出願については、下記の(1)~(3)のいずれかの時または期間内であれば分割出願することができる。

(1)願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面について補正をすることができる時または期間内(第44条第1項第1号)

なお、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面について、補正をすることができる時または期間は、次の(i)~(iv)である。

 (i)出願から特許査定の謄本送達前(拒絶理由通知を最初に受けた後を除く)(第17条の2第1項本文)

 (ii)審査官(審判請求後は審判官も含む。)から拒絶理由通知を受けた場合の、指定応答期間内(第17条の2第1項第1号、第3号)

 (iii)拒絶理由通知を受けた後第48条の7の規定による通知を受けた場合の、指定応答期間内(第17条の2第1項第2号

 (iv)拒絶査定不服審判請求と同時(第17条の2第1項第4号)

 

(2)特許査定(次の(i)および(ii)の特許査定を除く)の謄本送達後30日以内(第44条第1項第2号)

 (i)前置審査における特許査定(第163条第3項において準用する第51条)

 (ii)審決により、さらに審査に付された場合(第160条第1項)における特許査定

 なお、特許「審決」後は分割出願することはできない。また、上記特許査定の謄本送達後30日以内であっても、特許権の設定登録後は、分割出願することはできない。また、(2)に規定する30日の期間は、第4条または第108条第3項の規定により第108条第1項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなされる(第44条第5項)。

 

(3)最初の拒絶査定の謄本送達後3月以内(第44条第1項第3号)

 (3)に規定する3ヶ月の期間は、第4条の規定により第121条第1項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなされる(第44条第6項)。

条文等根拠:特許法第44条

 

日本特許法 第44条 特許出願の分割

特許出願人は、次に掲げる場合に限り、二以上の発明を包含する特許出願の一部を一または二以上の新たな特許出願とすることができる。

 一 願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面について補正をすることができる時または期間内にするとき。

 二 特許をすべき旨の査定(第163条第3項において準用する第51条の規定による特許をすべき旨の査定および第160条第1項に規定する審査に付された特許出願についての特許をすべき旨の査定を除く。)の謄本の送達があつた日から30日以内にするとき。

 三 拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から3月以内にするとき。

2~4(略)

5 第1項第2号に規定する30日の期間は、第4条または第108条第3項の規定により同条第1項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。

6 第1項第3号に規定する3月の期間は、第4条の規定により第121条第1項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。

 

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タイにおける特許出願の分割出願の時期的要件

・分割指令を受領した日から所定期間以内(所定期間とは特許法では180日、審査マニュアルでは120日とされている)

※該所定期間が特許法と審査マニュアルにおいて異なっている。実務上の安全面を考慮し、所定期間を120日と考える運用が推奨される。

※出願人が自発的に分割出願を行うことはできない。

条文等根拠:特許法第26条、 特許および小特許審査マニュアル第1章第1節3.10

 

タイ特許法 第26条

出願審査において、その出願が単一の発明概念を構成する関連性ある発明に該当しない複数の異なる発明に関するものであると判断される場合、担当官は、出願人に通知して、かかる出願をそれぞれが単一の発明を対象とする複数の出願に分割するよう求めるものとする。

出願人が前段落の通知の受領後180日以内に分割出願した場合、その分割出願は、最初の出願の出願日に行われたとみなすものとする。

出願は、省令に定める規則および手続に従って分割されるものとする。出願人が出願を分割する要求に応じられないときは、120日以内に長官に対して審判請求することができる。長官の決定を最終とする。

 

タイ特許および小特許審査マニュアル 第1章 第1節 3.10 原出願

特許出願の審査において、担当官が単一の発明とみなすことができないほどお互いに関連がない複数の発明を含んでいる出願と認めたとき、担当官は特許出願人にそれぞれの発明ごとに出願を分割するよう通知する。

特許出願人が担当官から通知を受けた日から120日以内に、第1項に基づき分割した発明の出願を行ったとき、最初に出願した日を出願日とみなす。

出願の分割は、出願の分割は省令の定める規則および手続きに従わなければならない。特許出願人が担当官の命令に同意しないとき、120日以内に局長に対して申立できる。局長が決定および命令を行なったとき、局長の命令を最終とする。

したがって、担当官は、原出願を分割出願にするという担当官の命令に基づき分割出願に関する通知を受けた日から120日以内に分割出願が行われたかどうかを審査しなければならない。もし、出願人が規定期間内に分割出願をした場合、原出願から分割して行われた出願の出願日については最初に出願した日を出願日とみなす。

 

日本とタイにおける特許分割出願に関する時期的要件の比較

 

日本

タイ

分割出願の時期的要件(注)

補正ができる期間

分割指令の受領日から120日以内

(注)査定(特許査定または拒絶査定)前の時期的要件の比較

 

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新興国等知財情報データバンク 調査対象国、地域における分割出願の要件については、下記のとおりである。

 

分割出願の時期的要件および出願人による自発的な分割可否に関する各国比較

分割出願の可否(出願から審査請求まで)

分割出願の可否(審査請求から最初の指令書(拒絶理由通知などの通知)まで)

分割出願の可否(最初の指令書~査定まで)

出願人による自発的な分割の可否

JP

指令書応答期間のみ

BR

CN

HK

○*

ID

IN

KR

指令書応答期間のみ

MY

審査報告書郵送から3ヶ月

PH

○**

RU

SG

TH

×

×

分割指令発行から120日

×

TW

VN

 (*)香港の標準特許出願に対応する指定特許出願の分割についての可否

(**)単一性違反の指令後の非選択発明についての分割は、その指令書発行から4ヶ月以内または4ヶ月を超えない範囲で認められる追加の期間内

■本文書の作成者
日本技術貿易株式会社 IP総研
■本文書の作成時期

2015.03.03

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