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アルゼンチンにおける商標の使用と使用証拠

2017年05月18日

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■概要
アルゼンチンにおいて、登録商標を更新する際、商標権者は、当該商標の満了日前の5年以内に商取引において当該商標を使用したことを宣誓しなければならない。また、登録商標の取消は、連邦裁判所によってのみ審理されるが、第三者により不使用取消訴訟が提起された日前の5年以内に、当該商標が商取引において使用されていなかった場合、裁判所により取り消されるおそれがある。
■詳細及び留意点

 アルゼンチン商標法第20条の規定に従い、登録商標を更新する際、商標権者は、当該商標の満了日前の5年以内に商取引において当該商標を使用したことを宣誓しなければならない。この使用宣誓は、区分に関係なくいずれか一つの商品または役務に関して行えば良い。商標の使用は商標権を維持するための必須条件である。更新時に、商標権者は使用を宣誓しなければならないが、使用を裏づける証拠を提出する必要はない。

 

 さらに、商標法第26条の規定に基づき、第三者により不使用取消訴訟が提起された日前の5年以内に、区分に関係なくいずれかの所定の商品または役務に関して商標が商取引において使用されていなかった場合、当該商標は裁判所により取り消されるおそれがある。登録商標の取消しは、連邦裁判所によってのみ審理される。

 

 商標の使用とみなされる行為を定義づける規定は存在しない。しかし、上記に引用された商標法の各条項は、商取引において少なくとも一つの商品または役務に関して商標が使用されていなければならないことを明示している。

 

 商標権の使用はアルゼンチン国内で行われていなければならず、かかる商品または役務が、国内市場に存在しなければならない。

 

 なお、アルゼンチンで立ち上げられたサイトによるインターネット上での商標の使用は、当該商品が海外からの注文で、海外に納品された場合においても、商標の有効な使用として認められている。

 

 商標の広告が有効な商標の使用とみなされるには、市場における当該商品または役務の実際の提供が広告後に行われなければならない。販売を伴わない単なる広告は十分ではない。

 

 一般的な使用証拠は、依頼人、顧客または販売店に対して発行された当該商標が明確に表示されている請求書、または表示されている商品番号等から当該商標を容易に特定できる請求書である。

 

 証拠としてよく用いられる手段として、権利者の商業帳簿を見て明確に使用を判断できる会計処理の専門家証人による宣言書がある。これは請求書と共に、最も効果的な手段である。

 

 さらに、使用は登録時の商標を用いるものでなければならない。ただし、商標権者が識別性に影響を及ぼさない方法で、自己の登録商標の軽微な変更で、かつ実質的な変更が無い方法で使用する場合には、当該変更後の商標の使用は、登録時の商標の使用とみなされる。これはアルゼンチンが批准したパリ条約の第5条(C)の適用を考慮している。

 

 取消訴訟において、商標権者により主張された使用が不十分であった場合、当該商標は取り消され、登録簿から削除されることになる。

 

未登録商標

 

 アルゼンチンにおいては、商標の登録は義務づけられていない。未登録商標の使用は、当該商標を保護する根拠になる。未登録商標が保護されるためには、権利者は継続的に商取引において当該商標を使用しなければならず、相当の期間にわたり当該商標に関する顧客を生み出していなければならない。これら未登録商標に対する保護の要件は、個々の事例に応じて判断される。

 

 上記のように未登録でも保護され得る商標は、事実上の商標(de facto trademark)と呼ばれており、第三者に対する権利行使が可能であり、第三者の出願に対する異議申立の根拠としての役割を果たし、無効請求における根拠としての機能も有する。

■ソース
・アルゼンチン商標法
・工業所有権の保護に関するパリ条約
■本文書の作成者
RICHELET & RICHELET (アルゼンチン法律事務所)
■協力
日本技術貿易株式会社
■本文書の作成時期

2017.02.01

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