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台湾における知的財産に関する特許庁の審判決定に対する行政不服審査手続の概要

2013年05月02日

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■概要
台湾特許庁(中国語「智慧財產局」)が行った出願に対する拒絶査定又は無効審判の審決に不服がある場合、訴願法の規定に従って行政不服申立を行う。この訴願による決定を受けた後でなければ、知的財産裁判所(中国語「智慧財產法院」)に拒絶査定又は審決の取消を求めることはできない。この知的財産裁判所の判決に不服がある場合は、最高行政裁判所(中国語「最高行政法院」)に提訴することができる。ここでは、訴願法による不服申立について説明する。
■詳細及び留意点

出願の拒絶査定又は無効審判の審決への不服申立手続の流れは、以下の通りである。

 

 

(1) 行政不服(中国語名「訴願」)の提起

(ⅰ)訴願できる者

・出願手続で拒絶査定を受けた出願人

・無効審判で無効審決を受けた被請求人

・無効審判で棄却審決(権利維持審決)を受けた請求人

(ⅱ)訴願の期間

・  行政処分の送達後の翌日又は公告期間満了翌日から30日以内(訴願法第14条第1項)。

・  拒絶査定や無効審決が送達された日の翌日から30日以内に、経済部の訴願審議委員会にその旨を意思表示した場合も、30日以内に訴願書を補足することを条件に、法定期間内の訴願とみなされる(訴願法第57条)。

(ⅲ)訴願書

・  行政不服申立人の関連資料、行政不服申立の趣旨、原行政処分の控え、本件の事実及び理由を記載する(訴願法第56条を参照)。

・  訴願書不備の補正命令への応答期間は20日である(訴願法第62条)。

(ⅳ)訴願への参加

訴願人と利害関係が一致する者は、訴願の受理機関の許可を得て、訴願人の利益のために当該訴願に参加できる(訴願法第28条)。

 

(2) 訴願審議委員会による審議

訴願書の受理後、経済部は訴願審議委員会を設置する。訴願審議委員会は法律家等の専門家で構成され、訴願を審議する(訴願法第52条第1項、第2項)。書面審査が原則である(訴願法第63条第1項)。

 

(3) 訴願決定

(ⅰ)決定の手続

訴願決定には、訴願審議委員会の委員の過半数が出席し、出席した委員の過半数の同意が必要となる(訴願法第53条)。訴願書の受領日の翌日から3ヶ月以内に行われる。

(ⅱ)訴願決定の内容

訴願に理由がない場合は棄却する決定、訴願に理由がある場合は、原処分を取り消して処分内容を変更する決定、または、処分を取り消して台湾特許庁に差し戻す決定(訴願法第81条第1項)がなされる。

(ⅲ)訴願の取下げ

訴願の取下げは、訴願提出後決定書が送達されるまで可能。取り下げた場合、同一の不服申立ができないことに注意が必要である(訴願法第60条)。

 

【留意事項】

・  拒絶査定や無効審判の審決に関する不服は、まず訴願法に基づく不服申立手続を行わなければならず、訴願を経ずに、知的財産裁判所に拒絶査定や無効審判の審決の取消を求めることはできない。

・  条文上、訴願審議委員会の求めに応じ、意見陳述や口頭弁論(訴願第61条)、調査・現場検証・鑑定などを行うことができるとされているが(訴願法第67条-第74条)、運用としては書面審査のみであるため、それを想定して準備を行うことが望ましい。

 

■ソース
・行政院法務部全国法規データバンク/行政不服法
http://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?PCode=A0030020 ・専利審査基準第五篇第一章専利無効審判及び職権による審査
http://www.tipo.gov.twchMultiMedia_FileDownload.ashxguid=05c463eb-1814-4675-80ed-0f91044bb5d5.doc
■本文書の作成者
聖島国際特許法律事務所(作成:2012年11月4日)
特許庁総務部企画調査課 根本雅成(改訂:2013年5月2日)
■協力
一般財団法人比較法研究センター 木下孝彦
特許庁総務部企画調査課 山中隆幸
■本文書の作成時期

2013.05.02

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