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台湾における特許無効審判制度の概要

2013年03月05日

  • アジア
  • 審判・訴訟実務
  • 特許・実用新案
  • 意匠

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■概要
無効審判手続は原則、何人も請求することが可能である。請求後は答弁書等の提出により争点整理を行い、審査を経て審決が出される。審決に対しては、審決書送達日の翌日から30日以内に訴願を申し立てることができる。
■詳細及び留意点

【詳細】

台湾における特許無効審判の流れ

台湾における特許無効審判の流れ

(1) 請求人

原則、誰でも請求可能。但し、共同出願違反と冒認出願の場合は、利害関係人のみ請求できる(専利法第71条第1項)。

 

(2) 請求期間

特許権存続中のみならず、消滅後も可能である。但し、特許権消滅後は、特許権を無効にすることにより回復する法律上の利益を有する者のみ請求できる(専利法第72条)。つまり、特許権存続中であれば誰でも審判請求ができる無効理由についても、特許権消滅後は、特許を無効にすることで回復する法律上の利益を有する者でなければ、審判請求できない。

 

(3) 無効理由

以下の法定列挙された理由に限り、無効審判の根拠にできる(専利法第71条第1項)。

 

条文番号

概 要

第21条

発明の定義違反

第22条第1項柱書

産業上の利用性違反

第22条第1項

新規性違反

第22条第2項

進歩性違反

第23条

拡大先願違反

第24条

特許を受けられない発明違反

第26条

明細書・請求項の記載要件違反

第31条

先願主義違反

第32条第1項、第3項

特許実用新案同日出願違反

第34条第4項

分割における新規事項追加違反

第43条第2項

補正における新規事項追加違反

第44条第2項、第3項

外国語出願の中国語翻訳文の原文超過違反

第67条第2項~第4項

訂正における出願時新規事項追加違反等

第108条第3項

出願変更における新規事項追加違反

第71条第1項第2号

特許権者が属する国が台湾の特許出願を受理しない場合

第71条第1項第3号

共同出願違反又は冒認出願該当

 

第71条第1項第3号のみ、審判請求の際に利害関係が要求される。また、冒認出願については、特許公告日から2年以内に無効審判を請求しなければ、冒認出願された特許を取り戻すための出願手続きができなくなる(専利法第35条第1項)。

 

(4) 審判手続

(ⅰ)書 類

無効審判の声明及び理由を明記した申請書並びに証拠を提出する(専利法第73条第1項)。委任状も必要。利害関係人のみが請求できる無効理由に基づく審判請求の場合は、審判請求人は無効審判請求書において利害関係人に該当することを声明し、証拠を提出する(専利法施行細則第71条)。特許権者が請求人の利害関係の有無について争わない場合は、台湾特許庁による利害関係の調査は行わなくてもよいとされている(専利審査基準第5編第1章3.1.2利害関係人についての審査)。

 

(ⅱ)手 続

無効審判請求受理後、台湾特許庁は副本を特許権者に送達する(専利法第74条第1項)。特許権者は送達の翌日から1ヶ月以内に答弁書を提出する。提出期間が経過すると直ちに審査が可能になるので、期限内の答弁書提出が難しい場合は、台湾特許庁に理由を説明し、提出期間の延期を求めるのがよい(専利法第74条第2項)。

 

(ⅲ)補 正

請求理由及び証拠の補足は請求日から1ヶ月以内にしなければならないが、審決前に提出した理由及び証拠であれば、参酌される(専利法第67条第3項)。

 
(ⅳ)訂 正

特許権者は特許の内容を訂正することが可能であり(専利法第67条第1項)、無効審判係属中に訂正を行うと、その訂正手続と無効審判手続は併合審査される。訂正が認められる場合、訂正後の明細者等が審判請求人に送達される(専利法第77条第1項)。訂正の効果は出願日まで遡及し、訂正後の内容で出願されたことになる(専利法第68条第3項)。

 

(ⅴ)審 査

指定された審査官により審査が行われ、審決書が作成され、審判請求人及び特許権者に送達される(専利法第79条第1項)。審査においては、面接、必要な実験、模型又は見本の提出をすることができる(専利法第76条第1項)。無効審判が権利侵害訴訟に関係する場合、無効審判が優先的に審査される場合がある(専利法第101条)。

 

(ⅵ)取下げ

審判請求人は審決が出される前まで、無効審判を取り下げることができる(専利法第80条第1項)。特許権者は取下げ通知送達後10日以内に反対の意思表示をしないと、取り下げに同意したものとみなされる(専利法第80条第2項)。

 

(5) 審 決

無効理由の有無は、各請求項単位で判断される(専利法第82条第1項)。無効にする審決が出た後、審決を不服として訴願手続を行わない場合、或いは訴願手続によっても審決が覆らない場合に審決は確定し、特許権は最初から存在していなかったことになる(専利法第82条第2項)。特許維持審決が出た場合、一事不再理の原理により、何人も同一事実又は証拠に基づいて、再度無効審判を請求することができない(専利法第81条)。

 

(6) 不服申立

審決書送達日の翌日から30日以内に、経済部に訴願書を提出して、審決への不服を申し立てることができる(訴願法第4条、同第14条)。

 

【留意事項】

2013年1月1日より現行法が施行されたが、無効審判における主な改正点として、複数の無効審判請求の併合審査(専利法第78条)、無効審判請求人が提出しなかった無効審判請求範囲における理由若しくは証拠についての職権審査(専利法第78条、第120条及び第142条)、および、訂正請求と無効審判請求が同時継続の場合の併合審査(専利法第77条第1項、第120条及び第142条)などを挙げることができる。加えて、分割請求、変更出願、訂正請求において出願時の範囲を超え、又は実質的に公告時の専利権範囲の拡大・変更された場合の無効理由の適用について、現行法施行前に登録査定がなされた専利権に対しても無効審判を請求できるとした点は、注意を要する(専利法第71条第3項、第119条第3項及び第141条第3項)。

■ソース
•台湾専利法
•専利審査基準第5編:無効審判及び職権による審決
http://www.tipo.gov.twchMultiMedia_FileDownload.ashxguid=05c463eb-1814-4675-80ed-0f91044bb5d5.doc •専利審査基準第5編:無効審判(2013年1月1日施行)
http://www.tipo.gov.tw/ch/MultiMedia_FileDownload.ashx?guid=4479d53a-46b2-45cf-9ebd-32d8e887d29d.pdf
■本文書の作成者
聖島国際特許法律事務所(作成:2012年10月3日)
特許庁総務部企画調査課 根本雅成(改訂:2013年6月17日)
■協力
一般財団法人比較法研究センター 木下孝彦
■本文書の作成時期
2013.06.17
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