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台湾における未登録周知商標について

2015年03月31日

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■概要
パリ条約第6条の2の規定によれば、加盟国は、未登録周知商標を保護しなければならない。台湾はWTO加盟国であり、TRIPS協定第2条の規定に基づき、パリ条約の規定(第1条から第12条および第19条)を遵守する義務を負う。台湾商標法第30条第1項第11号は、「他人の著名な商標または標章と同一または類似のもので、関連する公衆に混同誤認を生じさせるおそれがあるもの、または著名な商標または標章の識別性または信用を損なうおそれがあるものは、登録することができない」と規定し、登録の有無にかかわらず、周知商標の保護を定められている。
■詳細及び留意点

【詳細】

(1)周知商標の認定に参酌される要素

 台湾商標法における「周知商標(中国語:著名商標)」とは、商標法施行細則第31条によれば、関係する企業または消費者に広く認識されており、それを証明するに足る客観的な証拠があるものを指す。

 

 さらに、台湾知的財産局が発行した「商標法第30条第1項第11号 著名商標保護審査基準」では、周知商標の認定につき、以下の要素を考慮する旨が定められている。

 

(i)当該商標が有する識別性の強弱

(ii)当該商標に対する関連事業または消費者の認知度

(iii)当該商標の使用期間、使用範囲および使用地域

(iv)当該商標の宣伝期間、宣伝範囲および宣伝地域

(v)当該商標が出願または登録されているか否か、およびその登録、出願の期間、範囲および地域

(vi)当該商標が行政または司法機関より周知であると認定されたことを示す過去の記録

(vii)当該商標の価値

(iix)当該商標が周知商標であると認定するに足りるその他の要素

 

(2)周知商標認定の証拠

 周知商標の認定にかかる上記要素を証明する証拠としては、以下が挙げられる。

 

(i)商品および、または役務の販売レシート、販売記録書類、輸出入書類およびその販売数量、市場占有率、販売統計の明細等の資料

(ii)国内外のニュース、雑誌またはテレビ等マスメディアでの広告資料

(iii)商品および、または役務の販売拠点およびその販売経路等を示す資料

(iv)市場における商標の評価、鑑定、販売額順位、広告金額順位またはその営業状況等を示す資料

(v)商標の使用開始時点および継続使用等を示す資料

(vi)商標の国内外での登録に関する資料

(vii)公信力のある機関が発行した関連する証明または市場調査報告等の資料

(iix)行政または司法機関による関連する認定文書

(ix)商標が周知であることを証明するその他の資料、例えば国内外での展覧会、展示会での展示商品または販促活動等の証拠資料

 

(3)周知商標の保護範囲

 広範な宣伝販促を通じて市場で既に高い名声を有し関連業者または消費者に普遍的に認知されていることを証明する上記証拠が提出された未登録商標は、周知商標と認定される。周知商標の保護範囲は、一般の登録商標に比べ広範で、同一または類似の商品および、または役務での使用に限られない。

 

 周知商標の形成には多額な金銭、大量の労力や時間が投じられ、周知商標の使用者が費やした労力を保護し、周知商標の名声と識別性へ他人が便乗することを防止する観点から、周知商標に対しては一般商標よりも手厚い保護を与える必要がある。よって、各国法律または国際条約では周知商標に対し一般商標に比べより手厚い保護規定が設けられており、台湾も例外ではない。

 

【留意事項】

 周知商標への保護強化のため、台湾では商標法第30条第1項第11号により他人の登録を阻止することに加え、公平交易法第20条において「事業が提供する商品または役務につき、同一の商品もしくは同類の商品に、同一もしくは類似の未登録外国周知商標を使用し、またはその商標を使用した商品を販売、運送、輸出もしくは輸入する行為があってはならない」と規定されており、未登録周知商標の模倣行為が禁止されている。

■ソース
・台湾商標法
・台湾公平交易法
■本文書の作成者
維新国際専利法律事務所 黄 瑞賢
■協力
日本技術貿易株式会社 IP総研
■本文書の作成時期
2015.01.14
■関連キーワード
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